表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/40

3



 夢の中なのだろうか。

 見たこともない世界だ。


「この小説、ベタで王道だけど、暇つぶしにはいいわよ。コミックにもなっているの。どっちがいい?」

「ありがとう。じゃあ、小説の方を借りて帰るね」

 わたしは1冊の小説を誰かに借りたらしい。

 その小説の内容は…


 公爵令嬢エリアーナはレークライン帝国の王太子殿下アーサシュベルトと幼馴染であり、そして婚約者だ。ふたりは同じ学園に通っていて、周りも認める恋人同士で仲睦まじかった。卒業まであと1年となったある日、キャロルという女子学生が転校をしてくることにより、ふたりの関係が変わっていく。エリアーナの婚約者であるアーサシュベルト殿下とだんだんと仲を深めていくキャロル。そのため、エリアーナは激しく嫉妬をし、キャロルにあの手この手で様々な嫌がらせをしてしまい、悪役令嬢エリアーナとなっていく。

 そして、卒業パーティーの日にアーサシュベルト殿下からとうとう婚約破棄と国外追放を言い渡され、絶望したエリアーナは崖から海に身を投げてしまう。



 そうそう、悲しい話なのになぜか気に入っちゃって、何度も読んだんだ。


 えっ?いつ、どこで読んだっけ?

 なにかを思い出しそう…で。

 

 この登場人物って、わたし?なのか。

 これって、なんだ…


「……リ…ナ、エリアーナ!」


 名前を何度も呼ばれて、目を開けると心配そうに覗き込んでいる両親達と見慣れた自分の部屋が目に映った。


 両親の説明によると、わたしのドレスの裾を踏んで躓いたアーサシュベルト殿下がわたしを巻き添えに一緒に階段から落ちたらしい。

 その時、殿下は咄嗟にわたしの腕を引っ張り、殿下に抱え込まれ、守られるように落ちたとのこと。

 母が、咄嗟の殿下の行動が素敵だったわ〜と目を輝かせながら説明してくれた。

 きっとそれは、わたしをクッション代わりにしようと殿下が咄嗟にしたのじゃないの?と思ってしまう。


 アーサシュベルト殿下は階段から転落した衝撃で、しばらく動くことができなかったらしいが、自分の婚約者だからとフラフラしながらも、自らわたしを抱えて医務室に運んでくれたらしい。

 まぁ、自分の体裁を気にして、わたしを運んでくれたんだろうけど。


ドレスだけでも重いのに…殿下、お疲れ様。次にお会いした時にお礼ぐらい言わせてもらいます。

 

読んでいただき、ありがとうございます。

毎日正午12時に更新予定です。


★「続きが早く読みたい」と思われた方や面白いと思われた方、ブックマークや下記の評価をどうぞよろしくお願いします!

作者のモチベーションが上がります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ