★えぴろおぐ、干し梅齧る梅先生。
20xx年2月14日 午前12時、肱川嵐発生の日
これで良いか。豆位の大きさの石ころをポケットに入れると、シュッ!と土手の上迄日々、岩場を歩き回り、岩を持ち上げ鍛えた脚力で向かう。
「それ!渡す」
まるあが腕にかけてる紙袋に手を差し出しした。
「今から向かって間に合うの?」
まるあが聞くと、うん、と頷く。わかった!中にカードが入ってるから、渡すだけでいいから。ちょっぴり赤くなりながら手渡すまるあ。
「じゃ!」
一度、グルン!紙袋を振り回す、ダッ!韋駄天の如く走る走る走る!その時チラリ……、と何かが落ちて飛んで行ったのだが気づかずままに突き進む微居。
彼しか知らない近道を進み目指す絵井の家は……、
……、そうだった!アイツ今『新型 ニャコロウィルス』に感染してたんだった……。
ニャァ!ニャァ!ニャァ!ニャァ!みーみーみー!
屋根も玄関先も塀の上もどこもかしこも猫まみれ!先にたどり着いたプラムスターは!
「きゃー!可愛いーいやん!可愛い」
モフモフ達に籠絡されている。今のうち!微居は勝手知ったる親友の家、間取りもお母さんのへそくりの隠し場所も知っている。
「ふお!び!微居ぃい?ええ!開けるの?」
窓をコンコン、ニャコロウィルスに感染した証の2週間限定の猫耳と生えた尻尾をピコピコ、ゆらゆら動かしながら窓をカラリと開けた。
「ん!」
手渡す思いっきりラブリーな紙袋。おお??お?カクカク受け取った絵井。
「帰る」
「おお、わ、わかった……」
中身をちらりと見た絵井。大きなハート型の箱にどうしたらいいのか、ミケの尻尾と耳が忙しく動き、とりあえず2週間、外に出れないからその間に考えよう、と窓を閉めた。
ニャァ!ニャァ!ニャァ!ニャァ!みーみーみー!
玄関先に回るとまだ猫に籠絡されてるプラムスター。おい、と声をかけた微居。ポケットの武器をクッと握る。彼は草むらから、あの時見ていたのだ……。本体が一瞬外に出た、あの時を。
「ふぐ!お!お前は!」
不意をつかれ立ち上がる、美魔女『だあくフルーツくぃーん★プラム★スター』。微居と向かい合ったその時!
ピシュッ!人差し指の腹の上に乗せたソレを、喉元目掛けて親指で弾き飛ばす!
「ぐひょ!」
豆粒見事に命中!不意打ちを喰らった地球外生物『リアジュボクメッツ』はまともに衝撃受け、シュポ!梅先生の口から飛び出した!慌てて手で抑えようとしたのだが、時はすでに遅し……。
「は!私は……、微居、なんだろう。今猛烈に『干し梅』が、食べたいのだが」
元に戻った梅先生。クチャ……グリグリ。梅干しを踏み潰している生徒にそう話す。ポケットからゴソゴソと干し梅の小袋を取り出すと手渡す微居。
「お前のポケット便利だな、他には何入ってるのだ」
ソレをもぐもぐ食べつつ問いかけた梅先生。ポケットから酢昆布梅味を取り出すと手渡した微居。ザッザッ!猫が集まり、彼が踏み潰した梅干しをフンフン検分したあと、後ろ足で砂かけ行動をしていた。
――、こうして、肱川嵐によるバレンタインデーの大騒動は一件落着したのである。ちなみにニャムニャム眠っていた者達は、梅干しが潰された瞬間!目が覚め起きたという。しかし猫耳尻尾は2週間消えることは無かった。
その後まちこは、まるあにおんぶされ、家に帰って仲良くお風呂に入った。
まるいは、ホワイトデーにむけて欲しいものリスト制作に余念がない。
梅先生は十条で買い出しを終えた材料を使い、試験管に七色の液体を創り出していた。
微居は河川敷でいつもの様に岩を持ち上げ鍛えている。何時もにまして鍛えている。何故なら……。
……カードが入ってると言ってたな、これでアイツもリア充の仲間入りか。今迄世話になってた。うん、良い奴だ。彼女とイチャコラ♡したらいいさ、ちゃんと……
「お前の為に特大を投げてやるさ!えいぃぃぃぃ!待ってろぉぉ!」
大岩を持ち上げていた。
彼は……、知らなかった。
彼は……、気づいてなかった。
あの時、中から気持ちを綴ったハート型のカードがひらりと飛び出していた事を……。
――、ふぉぉ、怖いよぉぉ、怖いよぉ、微居、どうしたらいいのか……。
絵井は特大ハート型の箱を開けて頭を抱えていた。
中には手作りケーキ、それもホールのハート型サイズが入りそうなそれに、ぎっしりと詰められていたのは……、
ちゃちいビニールでキャンディ包の『A』。アルファベットチョコのこればかりが、これでもか!と入っていたのだ。それに気がついた絵井は、最初は親友のお遊び?的なノリで一つずつ確認して暇つぶしをしていたのだ。
一つ二つ、数えながら全部『A』って?と楽しんでいたのだが、何しろその数が半端なく……、常識的に考えて少々恐れ慄いた時に出てきたのが……、
『B』……、まるあの単なるミスだったのだが……、想いを書いたそれもなくなっていたその時……。受け取った絵井は当然……。
「2週間、たったら。忘れてるかな、アイツ」
そう願うばかりの絵井。ミケの耳がピコピコ揺れて、尻尾がパタパタ動いた。
そしてその2週間後、今度は微居が新型ニャコロウィルスに感染したのは、言うまでもない。
ちなみに彼の耳と尻尾は、ふこふこ柔らかなグレーのアメショーだったのをここに特記し、この物語は終える。
お、わ、り。
ダッシュで執筆、お付き合い頂きありがとうございます(^o^)/
皆様に感謝ですー。楽しかったです!
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ありがとうございます。素敵なイラストを頂き、サカキショーゴ様、ありがとうございます(^o^)/
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