まちこ!危うし!そして……
20xx年2月14日 午前10時、肱川嵐発生の日
「おちおき?」
「そう、ソレを使って変身するの。いいこと?今日はね、あなたみたいに泣いてる女のコが日本中に、いっぱぁぁぁぁーい!いるの」
そう言うと、しくしく嘘泣きをするプラムスター。
「それもこれも、男の子と女の子が人前で、『幸せだよ♡ニャッポリィトォォ』『うん、私も♡ワッサホーイ』『二人でhoooooo!!』いちゃいちゃするのがいけない事なのよ、幸せそうに見えるから憧れるのよね、でもその陰で泣いてる女のコは宇宙に、いっぱぁぁぁぁい!居るの、しくしく……、だからね、そんな女の子はお仕置きしなくちゃ」
まちこをそそのかす、美魔女『だあくフルーツくぃーん★プラム★スター』、地球外生物『リアジュボックメツ』、その姿赤い梅干し。
……、「アレ、ヤバい」
まるあがまるいと話し込んでいると、ボソリと微居の声。指差す先には明らかに、妖しい空気を醸し出す梅先生と話し込むまちこの姿。
行くぞ!ガッ!ゴゴッ!絶妙なバランスで石場をダッシュする微居。ええ!な、何?まるあ達はちょっと待ってよ、グラつきながら後を追う。
「ほらほら見てご覧なさい。鬼ごっこしてるのかしら、仲良しね」
その様子を見るよう指し示すプラムスター。
「おにごっこ、まちこもしたい、ええーん!ずるいのぉぉ」
三度泣き出すまちこ。広げた掌の上にある『果物型変身装置』の艶々とした佐藤錦色が、深く濃いダークチェリーへと変化をしていく。完全に色が変わったのを見届けた、プラムスターはまちこに掌を向けた。そこから出る紫色した『ウホ!hoooooo!!ビーム!』それに反応した『果物型変身装置』が光を放つ。
「さあ!変身するのだ!産まれよ!『ダークフルプリ!リトル★チェリー』よ!みだらなる!恋する気持ちをサラ毛に変わってお仕置きするのだ!」
「きゃぁぁぁ!まちこに何するのぉ!梅先生の偽物!?」
駆けつけた3人、轟々と音立て肱川嵐の様な霧風が彼等を襲う。
「まちこ!まちこ!大丈夫?」
心配する姉の声に……、
「おねえちゃん、きらい!クルクルおにいちゃん、とった!ヒック、ヒック」
ましろに包まれた中でまちこのつれない声。
「きらい!な、なんで?クルクルお兄ちゃんって、まさかの微居ぃぃぃぃー!ちがぁうぅ!」
慌てて全否定をするまるあ。
「はう!よびすて!なかよし」
「ち!違う!おねえちゃんはクルクルズボンの石オタクなんて、ずぇったぁぁぁぁい!好きになんかなんない!」
全力で否定した姉まるあ。
「ふえ!おにいちゃんのわるぐち!わるぐちだめ!おちおきする!」
まちこの言葉と共に、あたりを覆っていた霧が晴れる。
「きらいきらい!きらいぃぃ!」
©サカキ・ショーゴ様
「だあくフルプリ、リトル★チェリーよ!さあ!ロッドを手に取り!サラ毛に代わってお仕置きよ!」
美魔女『だあくフルーツくぃーん★プラム★スター』、地球外生物『リアジュボックメツ』、その姿赤い梅干しの声が上がったその時!
――「駄目よ!まちこちゃん!!」
「駄目で御座いますわ!!」
辺りに澄んだ少々の声が響いた。キョロキョロとする、産まれたばかりのリトルチェリー。
マジカルフーツルプリンセス マンゴ☆スチンと、同じくマジカルフルーツプリンセス、ドリアンの声が時空を超え世界に響く!