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8話 ご飯を食べに

「そろそろ食事でもどうかと思ってやってきた所です。いささか、見逃せない書物があり熱くなってしまいました」


 女神が灰なった本に手を振ると、灰すらも綺麗さっぱりなくなってしまった。


(さらば、[神界の女神、美ボディ総まとめ!みんな揃ってエロスの神だ])


 心で短い間お世話になった(?)本に別れを告げる。スキル創造神が知ったらどんな反応をするのだろうか?と思った。




 そして、転移神と共にやってきたのは一度案内してもらった食堂だ。これから食事を取ることになる。


「あそこで食券を買ってください」


 と転移神が指を刺している。そこにあるのは食券の券売機だ。何やら種類はたくさんあるようだ。


「へぇ、知らない食べ物とかなのかと思ったけど知ってる食べ物が多いな」


 唐揚げ定食やラーメンなど、大学の学食のようなイメージを感じられるラインナップだ。食べ慣れているものがあるというのはありがたい。


「お、珍しいじゃねーか!転移神が誰か連れてくるなんてよぉ」


 サロンと呼ばれるエプロンをつけている金髪で体格がっちりめの男がこちらにやってくる。


「ええ、料理神。今日、異世界から拾ってきた子です。最初はぜひあなたの料理を食べてもらおうと思いましてね」


「あ、料理神様なのか!初めまして、ソラ・サイガです」


 ペコリと頭を下げて挨拶する。


「おうおう、よろしくな!なら、今日は俺が奢ってやるよ。好きなもん頼みな」


 と言って料理神がお金を券売機に入れる。タダ飯とはありがたいものだ。


「ありがとうございます!」


 微笑む料理神にお礼を言って料理を選ぶことにする。沢山あるとどうしても迷ってしまう。


「私は、ラーメンにしようかな!」


「食い切れんのかよ?」


 天使だというフィニーも食事などは取るようだが、流石にサイズが違うだろうと思う。


「なに、フィニーちゃんには専用のを作ってやるさぁ!食事は、美味しく食べてくれる奴に作るのが楽しみだからな」


 ワッハッハと料理神は笑っている。優しい人だなとソラは思いながら、唐揚げ定食にした。食事をするならここになるだろうし、コンプリートしてやろうと思う。





「はぁ……美味い……魂が抜けそうだ」


 食事を初めて早速言葉が漏れる。ここまで美味しい料理はそうそう出会えないだろうと思う。さすが料理神の作った料理だ。


「おお、美味いかぁ?そりゃあ良かった。いつでも食べにきてくれよ」


 皿を磨きながら料理神が言う。




「食事をしながらでも聞いてくださいね。大事な話もしないとなので」


 転移神が話を始める。これはよく聞かなければならない内容だろうと良く耳を傾けることにする。


「ズルズルズル」


 フィニーのラーメンを啜る音が入ってくるが、転移神の言葉に集中する。



「まずは、服ですね。ずっと元の世界の服というのも動き辛いでしょう。衛生的にもよろしくありませんし、用意しましょう」


「助かります!」


 ジャージとかでも良いので、制服は脱ぎたいなと思っていた所だ。学校じゃないのであまり着ていたくない。転移神の言葉はありがたいものだ。


「スマホも返しておきますね。ソラくんが元いた世界の機能は使えませんが、神界仕様になってるので機能を是非活かして下さいね」


 と言って渡されるのはソラのスマホだ。


「あら、ずっと持ってたはずなのに」


「神にかかればチョチョイのチョイ!ですよ」


 可愛い感じで言ってるけど、泥棒じゃねーか!と思いながらスマホを受け取る。


「さて、それではあなたのスキルを使ってみましょうか!まだそこまで試してはいないんじゃないんですか?」


「そうですね、どんなことが出来るのかも全然把握できてないですし」


 すぐにでも試してみたかったが、脱走したり部屋に案内されたりで使わずじまいだった。だが、よく考えれば《スキルジーニアス》を使いこなせれば脱走とかもう少し上手くいったのではないか?とも思う。


「また脱走とか考えないことですよ?永遠に働く神罰をかけたりして?」


「ヒィ、性格悪い!」


「そんなことしないわよ、お母様のジョークよ」


 ゴッドジョークとでも言うのだろうか?神の笑いは良くわからない。


「うふふ、さあスキルを使ってみてください」


「わかりましたよ、《スキルジーニアス》」


 と言いスキルを発動するのだった。

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