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28話 異世界への旅行許可

「転移神様、今なんておっしゃいました?」


「ええ、ソラ君も暇でしょうから異世界に遊びに行ってはどうか?と」


 転移神に呼ばれたため面倒だとは思いつつも顔を出すと、興味を惹かれる提案をされる。


「異世界ってあれですよね?元々、俺達が向かう予定だった」


「ええ!私達神も行くことが出来るのです。バカンス感覚ですね。ソラ君もまあここに来て疲れることもあったでしょう。ですので、提案させてもらったんです」


「やったわ!旅行よ、旅行!」


 飛び回って喜ぶとフィニー。随分と嬉しそうだ。


「ですが、昨今は異世界も治安がよろしくありません。邪神などに会えば大変危険です」


 それは普通に怖い。殺される気しかしない。逃げる手段も用意しておこうと心に決める。


「そうですね、その時はまずはフィニーを囮にします」


「ソラぁ!」


 予想通りの拳が飛んできたので、スキルを使った受け止める。フィニーは人間と同じサイズになっているため、受け止めるのが大変だ。


「ふふ、ソラ君はそんなことしませんよね?わかってますよ」


 見透かしているような視線で言う転移神。心でも読めるのではないだろうか。



「それで、邪神に会った時はどうしたら良いですか?」


「そもそも邪神に会うことが稀ですが、ソラ君は貴重な人材。とにかく逃げてほしいですね」


「じゃあ、転移とかも覚える様にしますよ。出会わないに越したことはないですけど」


 これって異世界に行かないのが正解だと思う。だが、遊びに行きたいじゃないですか。


「フィーナ、どう思う」


「ん?ソラが決めてくれ。私は従うしかない。私は一応はお前の盾だからなぁ」


 そういえばそうだ。彼女は俺の護衛である。最も戦闘の危険があるとすればフィーナだろう。


「俺が強いスキルを作るよ。俺はお前の神様だ。お互いに支え合おう」


「ああ」


「異世界に行きたいでしょうし、私から条件を付けさせてもらいます。フィーナには、そうですね……異世界の勇者に匹敵する位の実力をつけてもらいます。そこまで時間はかからないでしょう。後はソラ君のスキルで補填します」


「わかりました、転移神様」


 フィーナが頭を下げる。はいどうぞと異世界にいかせてくれるわけではないな。フィーナには、異世界旅行のために頑張ってもらいたい。


「修行頑張れよ!」

 

 ポンポンと肩を叩いておく。


「う、うむ」


「ソラ君もですよ、あなたは《神威解放》そして、《創世》が少しでも出来れば許可します」


 無茶言いやがるよ、転移神様。剣神様に見せてもらったからわかる。あれはそうそうできるものじゃない。


「何年かかるんですか!」


「今回の条件ばかりは譲れません。邪神は凶悪な相手、それから逃げることが出来るだけの実力をつけてもらいます」


 いつになく顔が本気だ。これはガチだ。出来ない限りは異世界に旅行にはいけない。


「やってやりますよ」


「よく言ったね。じゃあ早速修行しようじゃないか。フィーナちゃんも私が鍛えてあげるからね」


 どこからか現れた剣神に肩を掴まれる。力が強すぎて離れない。


「では、頑張ってくださいね!」


 ヒラヒラと手を振る転移神に見送られて、ソラは連れて行かれるのだった。

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