表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/28

25話 格好いい技だな

「結局防がれますか……」


 ソラの拳は、剣神の手によって止められていた。2回目の《無敵》を発動しての攻撃だが、さすがは剣神である。しっかりと受け止められていた。


「驚いたよ。《無敵》は、1時間に1回、5秒だけじゃなかった?2回連続だなんて」


「ええ、だから作りました。使用回数を1時間に2回に増やして」


 サラッとソラが答える。それには、剣神が呆れ顔を見せる。やり過ぎたかもしれない。無敵2回は駄目か。


「転移神ちゃんに報告だね。これは、最高神様にも話が行くかもよ?」


「うわぁ、それは困ったな。剣神様、どうにかならない?足でも舐めましょうか?」


 ごますりポーズで、剣神に聞く。


「私の足を舐めるのは構わないけど、やっぱりこれは報告しないとね〜。転移神ちゃんは、ソラくんの保護者みたいなものだし」


 足は舐めて良いみたいだ。覚えておこう。なんか変態みたいだな……




「さて、ソラくんが頑張ったご褒美をあげようじゃないの!これから修行もしていくことだしね!」


「お、ワクワク!」


 一体何が貰えるのだろうか。期待が膨らむ。


「私の技を見せてあげるよ。その内、ソラくんにも習得してもらうことになるかも」


「技ですか。もしかして神威解放ですか?」


 前に《無敵》の検証で、剣神が使ってきた技だ。ソラなど、《無敵》なしで喰らえば粉々になるだろうなと思う。


「いんや、今回はもっとすごいの。《創世》ってのを見せてあげる」


「《創世》……世界を作るってこと……?」


 いきなりとんでもない方向に話が飛んでいく。


「そうそう。私達、神々はそれぞれ世界を作る力を持ってるの。下級神なんかは、それで様々な世界を運営してるのよね。上級神である私達にも、その世界を作る力は当然あるわけ。そして、それを戦闘に使うことも出来る」


 いつの間にか、ソラの周囲には魔力が充満しているのを感じた。


 これは……一瞬、瞬きをした瞬間。


 世界が変わった。




「どこだ。ここは……」


 竹藪の中にポツンとソラは立っている。そして、空には赤い月が浮かんでいた。


「《創世》赤月下剣獄(せきげっかけんごく)


 いつの間にか、目の前には剣神が立っている。その手には、剣を携えて。


「は……ははっ……」


 ソラは苦笑いを浮かべることしかできない。ここで、剣神と戦えばどんなに強者であろうとも殺されると思った。剣神がこれまで以上の圧倒的な存在に感じる。


「これが《創世》だよ。私が最も限界を超えて力を発揮することが出来る場所。まあ、邪神と戦わない限り使わないけどさ〜」


 と言うと、景色が元に戻る。解除された様だ。


「はぁ……」


 ソラはすぐさま地面に膝をついた。先程まで目にしていたものの強大さに、腰が抜けてしまいそうだった。


「どうだった?《創世》を体感した気分は」


 座り込むソラに剣神が聞いてくる。


「表す言葉が思いつかない……とにかく、凄かった。死ぬと思うほどに。それに……」


「それに?」


「赤月下剣獄って、名前凄いっすね」


 どこか的外れなコメントをするソラだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ