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23話 属神の儀

「それでは早速、属神の契りを行いましょう。城の私の部屋で待ってますので、来てください。私は準備をするために一足先に戻ってますね」


 フィーナとの話を終えて部屋から出てきたソラ達に転移神が言う。どうやら結果に関してはわかっていたようだ。


「わかりました」


ソラが答えると転移神は、ソラの近くまでやってきて耳元に口を寄せる。


『契りは、少々エッチなことですから覚悟を決めてきてくださいよ』


「まぁ……じ?」


 うわずった声が出てしまった。属神ってそんなことすんの?けしからんですなぁ。


てかどうしよう、気持ちが……


「それではお先に!」


 転移神が〈転移〉のスキルを使って消える。後に残されたソラ達も王城に向かうことにした。





「ソラ?さっきから様子が変だよ」


「ふぇ?そんなことねーよ!」


 フィニーに言われて、慌てて返す。どうにも転移神に言われたことが気になって仕方がない。


「本当、変な奴らだな……これからが不安になるというか」


 フィーナとしても、ソラとフィニーを見ていると自分がかなり頑張らなければならないのではないかと思う。





「やって来ましたね。準備をしておきました。早速ですが、始めましょう」


 神の城で待っていた転移神が、声をかけてくる。


 うぉぉぉぉぉ……ついに来てしまったようだ。この時が……


「えっと、転移神。ここでやるの?」


「ええ、そうですよ!さあ、やりますよ」


 マジかよ、普通に他の神様とか歩いてるし見てるし。流石に上位者すぎないか。


「ソラぁ、別に緊張することじゃないでしょ。お母様は、街中でもやってるわよ!」


「変態じゃねーか……」


 これって不味い奴ですよね。こんなヤバい儀式だなんてフィーナが可哀想だ。もはや生贄だ。


「あの?個室とかってないです?」


「ないです、ここでやりますよ!」


 えぇ……なんかきつくなって来た。考えていると、転移神がフィーナに対してここに跪く様にと指示している。


 そして、ソラに来る様に手を振るので、そこに向かうと、紙を渡された。


「はい、フィーナに手をかざしてこれを読んでください」


「え、なにこのプレイ。ええっとぉ……、スキル創造神が代理ソラ・サイガの名において、フィーナを属神として迎え入れる。我を守護し、共にあると誓うか?」


「はい、誓います。我が神、ソラ・サイガ様」


 直後、フィーナの腕に印が浮かび上がる。ソラの感覚としては格好良いと思うものだ。


「はい、終わりです。お疲れ様」


 とパンと手を叩いて転移神が言う。


「えっ?」


「簡単だったでしょ!緊張し過ぎなのよ」


 フィニーが飛んできて頭に着地する。


「どうしました、ソラ君?もしかして、属神の契りにエッチなこと期待してました?」


 ニコニコっと笑いながら転移神が聞いてくる。なんか、唇がプルプルと震えている。笑いを堪えている顔だ。


「騙しました?」


「あっさりと引っかかりますね。鼻が伸びてましたよ!」


 ちくしょう、騙されましたよ。転移神は、真面目な展開かと思わせてふざけてましたよ。


「なになに、どうしたの?」


 フィニーが気になったのか、声を上げる。


「ふふ!ソラ君は、エッチな展開があると期待して家から戻って来たんですよ。若いですね〜」


「うわぁ……」


 フィニーの声が痛い。フィーナは、腕の印を眺めている様で会話を聞いていないのは助かった。


「ざ、ん、ね、ん、で、し、た!」


「このクソ女神がぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 騙された悔しさからソラは大声を上げてどこかに走り去っていくのだった。

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