表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/30

思いの届かない身体

「穢らわしい!平民め!」


あぁ、まただ。と思った。


私はルーナ・レイニーで、

ルーナ・レイニーは今、現在進行形で平民のアリスを怒鳴り付けている。


原因は、アリスと私の婚約者であるルースター殿下が話をしていた、というくだらないものだった。


ここは学校。生徒同士の会話に嫉妬を抱くことほどバカらしいことはない。


たすけて、と言っても私の言葉に誰も気づかない。


「私は公爵令嬢よ!」

ルーナは狂ったように叫び続ける。学校内では身分の差を持ち出してはいけない、という暗黙の了解があるということを、このバカ令嬢は知っているのだろうか。


私の身体は私の言うことを聞かない。私が思っていないことを叫んで、怒って、泣く。


蔑むような殿下の視線が私に突き刺さる。


もう、やめて。たすけて。気づいて…。


いつからだろう。自分の意思で行動ができなくなったのは。どうして身体は言うことを聞かないのか?そもそも、ルーナ・レイニーは私の身体なのか?私がルーナ・レイニーに憑依しているだけなのではないのか?



じゃあ、私の居場所はどこ?




たすけて

たすけて

たすけて




プツン、と私の意識が途切れたらしい、ということがなんとなくわかった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ