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探偵(ではない)  作者: 裃白沙
3/5

ロック・オン

 だからと言って、この女をすぐさま犯人に仕立て上げることはできない。料理をするには材料が必要だ。家を建てるのにも材料がいる。犯人にするのにも材料がいる。

 被害者、久保田裕介は毒殺された。その毒はどうやらかき氷、あるいは被害者の手元に落ちていたスプーンに塗られていたようだ。


 無差別殺人。


 かき氷屋ではかき氷を受け取った後に、客が自分でプラスチック製のスプーンをとっていかなければならない。その一つに毒が塗られていたのではないか? その毒の匙を運も悪く引き当てたのが被害者、久保田裕介と言うことだ。


 でも、それじゃあ面白くないよね。


 いったい誰がかき氷を運んだか。答えは単純、脳内花畑と三橋柚里香(犯人の予定)の二人だという。これだ。ここで犯人は何かをしたにちがいない。

「でもあの三人、みんな水着だったよね? 毒を隠しておく場所なんか無いじゃない」

 聴取の結果をねだられて、俺が東雲部長に語ったところ、彼女はそう返してきた。なるほど確かにそうさ、あの三人は水着姿だった。隠す場所は水着の中以外に無い。だがしかし、かき氷を運んでくる時に、水着の中に手を突っ込んではただの変態だ。じゃあ犯人に毒を塗る時間は無かったかって? 答えはノーだ。これをノーと言えないうちは探偵なんて名乗らない方が良い。見せかけの不可能を公衆の面前で可能にするのが探偵のお仕事だ。

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