1ー1 異世界にいきたい
うだつの上がらないサラリーマン 大島優 35歳 。
何をやってもうまくいかないダメサラリーマン。家に帰ってからはゲームや小説、漫画を読むのインドア派の典型的なオタク。普段からの口癖は【転生したい】
という廚二病な奴。また、周囲には秘密だがバイシセクシャルでもある。最近の趣味は小説家になろうを読みまくっている。なので転生したいと特に思っている。
学生時代も暗かったので典型的ないじめられっ子だった。会社勤めでは何でもそつなくこなす器用貧乏タイプだが、やはり暗いので付き合いづらいとの評価だった。
生まれかわったら、金持ちになりたいとか女になりたいとか思っている少し痛々しい感じ。でも生まれ変わるとかは実は信じてない悲観的な奴。つか普通なのか。
本当は学校も仕事も頑張って成り上がりたいと思ってたのに。こんなはずじゃなかったのに、現実は限りなく厳しい。厳しいというか至って普通のこと。本当は分かっている。努力や苦労しないで何事もうまく行くはずがない。そんなの才能や運、たゆまない努力のさきに勝ち取れるものなのだと。
テンプレだけどそんな彼にもチャンスがやって来た。
転生できるチャンスが。
通勤途中、子供が車にはねられそうになっているのを見て咄嗟に庇ってしまった。本来自分自身が一番かわいいタイプなので今まではそんな行動は絶対しない。第一痛いのが大嫌いなのだ。
そんな彼が庇った。そして身代わりに死んだ。
死の瞬間祈った。転生したいと。
そして奇跡が起こった。