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結果発表

まず、結果から。


「手術はしない」


検査結果は、二くらいだと言う。五か六だったのに。

「経過観察でいい」

「次の検査は四ヶ月後」

という結果。



……。


ちょっと、今までの経緯からすると、理解できない。


なので、先生に聞いた。

「え、検査前の状態で留まることはあっても、自然とよくなることはない……と聞いたんですが?」

その問いに、先生からの回答。

「検診の結果を経て、『疑わしいところ』の細胞を取って検査した結果が今回の結果です。つまり、細胞を採取する部分により、結果が変わったと思って下さい」


……。

なんだかもやっとする答え。


なので、別のことを聞いてみた。

「今回の結果の後、私は手術や今後の治療の説明になるかと思って、配偶者に同席してもらったのですが……この病院へと紹介を受けた、検診した病院からは手術をするだろうと言われていましたし……。次の検査結果のとき、結果次第では手術などの説明もあるということですか?」


「そうです」

先生の答えに、私はちょっとうろたえる。

「え、じゃあ、毎回同席してもらう……ってことですか?」

「いえ、手術となっても、そんなに急がないで大丈夫だと思うので、そのときは後日、一緒に説明を聞きにいらしてくれればいいですよ」


……。

そうですか。

じゃあ、前回、そう言ってほしかったなぁ。いや、聞かなかった自分が悪いのか。



そんなこんなで、まとめ。


1.まだ手術はしない。

2.今後の検査結果次第では、手術をする。

3.検査結果は、細胞を取った場所で変わる。

4.手術になると決まった場合、後日、家族と一緒に手術の説明を聞くことができる。

5.リスクが高い(ガンの疑いが消えない)状態だということは、変わらない。


……よって、経過観察。

今後も定期的な検査が必要な状態。




とりあえず、すぐには手術しないという結果にせよ、検診のときにひっかかった状態の部分が『どこか』に潜伏しているんだと思うと、なんだかすっきりしない。


それに、二だった場合、自然治癒の可能性もあるよね? と思うけれど、場所により異なるという回答を考えると、なんだか当てはまらない気もする。


……もやもや。




ああ、また検査のあと、数日は立っているのが辛いのか。

歩くのが精一杯(走れない)な状態になるのか。


……うん。

とにかく、色々すっきりしなくて、もやもやしているけれど、まだしばらくは普通の生活をしていていい模様。


なんだか、緊張の糸が切れた。プッツンと。


会計を待っているとき、ちょっと、じんわりきてしまった。




実は、検査結果だという数日前。


なんだか、気分は死刑台に向かっている気分だったんだよね。

いや、仕事でミスしたり、情緒不安定になったりはしなかったんだけど。


THE BLUE HEARTS「ハンマー」のサビを思い出したり、「首つり台から」を思い出してみたり。

力なく、楽観的で、カラ元気でアハハってしていた。



だから、プツンと糸が切れて。

なんというか……やっと普通に笑えたかなって思った。


うん。

不安だった。

なにを言われるのか、わからなさ過ぎて。



先延ばしにしたにすぎないのだろうけれど、とりあえず、また元気になれそう。


『先延ばし』

そのくらいに思っておけば、今後の検査結果で悪くても、

「そうか。やっぱね」

って思えそうだから、そう思っておくことにする。



このエッセイを書き始めてから、数週間、最悪な事態を多く想像していた。

よくて、手術で完治。

経過観察は、思ってもみなかった。


余命宣告だったら、はやめに片付けにとりかかって、エンディングノートを書こうとか。

昔から、『いつか』書こうと思っていたんだよね、エンディングノート。

葬儀のときには、アレ入れてほしい、あ、この曲いいなとか思っていた。

葬儀プランを遺族が決めるって、結構きびしそうだから、それも決めておきたいなと思っていた。

配偶者は金銭が苦手だから、家買ったばかりだし、そのあたりも整理しておこう、とか。


先に旅立つ方が、気が楽だなって思った。

残される方が大変。

だから、できることはなるべくしたいなって思っていた。



まぁ、余命宣告までいかなくても。


手術したなら手術後は、仕事をセーブしないとダメかな、とか。

保険とか色々な手続きしなきゃなとか。

後遺症に悩むかなとか、この程度の手術で済めばいいかなとか、いや、手術で済むならいいじゃんとか。

どのくらいの頻度で通院するんだろうとか。

上皮だったらいいなぁとか。


……うん、色々めっさ考えてた。


昔からガンになっても放射線治療や抗がん剤治療は受けたくないと思っているけれど、それって、自分のわがままなのかな、とか。


「もしも、こう言われたら」

ってめっさ考えていた。


再発率も含めて。




ただ。


まだ、私は人生のクエストを消化しきっていないらしかったという結論みたい。


笑ってバイバイしようと思っていたけれど、まだ、はやいらしい。


うん。

そうか。



なので、今度は。


次の検査結果が出るまでの間は、

『どう生きるか』

を考えてみようかと思う。




とりあえず、おしまい。


完結設定にはしないけれど。



なにかなければ、多分、今後、このエッセイは更新しない……と思う。

あしからず。




そういうことで、ひとまず。

この記録エッセイにお付き合い下さり、ありがとうございました!


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