16、
久しぶりに箱庭をメインに活動する。
全部を日々少しずつ進めていたらスケジュールが遅れた。
移動や片付けを甘く見すぎていたから、事あるごとにタイムテーブルが崩れる。
ゴーレムが間に合わなくなりそうだったから、最後は泊りがけで作っていた。
そのかいあって13月中にゴーレム100体完成したのだった。
「久しぶりの修羅場だった」
向うの事が脳裏に浮かび、こっちの世界は意外とスローライフを送っていることに気づく。
「社会の歯車になると、知らず知らずに社畜化していた?」
『あの時よりはまだましだ』『状況的にしかたない』『自分が今抜ける訳には』
過去よりは、周りよりはと、不幸を糧にしていた気がする。
あー、スケジュールに余裕を持たせるんじゃなくて、削る方向で動いていたわ。
あの時は期間を延ばすなんて考えられなくなってたな。頭が固くなったのか、洗脳されていったのか。
「うん、ゆとり大事。こっちはではスローが基本」
ホワイト企業を目指さないとね。
「とりあえず山を追加して、山の幸をゲットしよう」
山(500)を設置し、そのまま植林だ。
『ヒノキ(50)』『オーク(50)』『マツ(50)』『クヌギ(50)』『ブナ(50)』
自然発芽を期待して代表的な木にする。
美味くいけば良いし、駄目ならカタログで菌を買おう。
「後は本命を設置して」
『ヤマモモ(40)』『ヤマブドウ(40)』『ヤマグワ(40)』『キイチゴ(40)』『ザクロ(40)』
好きな果実5つを設置する。
今度は木の実系を設置しようとしたが、設置できない。
「あれ?」
木も果実も山菜も設置できなくなっている。
「あー、施設一つに10個までか」
これ以上は施設を追加しないといけないみたいだ。
そして施設の追加は高かった。
「一気に桁が上がるとは思わなかったなあ」
施設2つ目にかかるコストは10倍だった。
鳥小屋、牧場、水地【海水】全部10倍で、作物はどうかと思ったら、こっちも同じだった。
「収入増えていくし大丈夫だよね」
山菜は遠のいたが無くても何とかなる。
季節的に食べたかっただけだ。
「んーこれだと領域拡張した方が良さげかな」
雪が降るまでにまだ一ヵ月ある。
土木工事にいそしもう。
支配領域のオート設定を使ってみる。
自動で毎日拡張してくれるみたいだ。
絶対待領域の幅『1キロ』で、北向きに『1日30DP』拡張にした。
性格上背中が空いていると嫌だから山脈まで確保しよう。
「あー海までのルートも欲しいな」
今の位置から海までを確認する。
山脈沿いに伸ばした方がよさそうだ。
次の日
「それじゃー5体ずつ分かれて展開」
マドゴーレムに20隊に分かれるように指示を出す。
「この5体1組で作業するよ。とりあえず領域内の木を切って運び込むのがメイン。攻撃されたら『命を大事に』『仲間を守れ』でいくこと。
あと、損耗45%を超えた個体が居たら退避・編成しなおすこと。故障個体は山岳マップ1の裏庭まで後退。」
死なないことを第一に行動することを指示する。
修復できるのがゴーレムの強みだ。
切り倒した木々も絶対領域まで持って来れば吸収でき、収入アップにつながる。
「それじゃー作戦開始」
掛け声とともにマドゴーレム達は木を囲み攻撃していく、マドゴーレムの力は弱いが確実に幹を削っていく。
やがて木は倒れ、5体で絶対領域まで運び込み、また木を切り倒しに向かう。
問題なさそうだったので山岳マップ2へ行き、魔砂を作る為に岩拾いの励んだ。
スタミナが尽きないのは良いものだ。