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11、領域

 ダンジョンには直径1キロの『絶対領域』がある。

 この領域はダンジョンが死なない限り強い影響力をもち、よほどのことがない限り無効化されない。

 うちのダンジョンは、1種だけ侵入を拒む結界の『侵入無効』と、24時間放置された物を吸収する『吸収』の2つが動いている。


 それとは別に『支配領域』があり、これはダンジョンに繋がってさえいればDPで手に入る。

 『支配領域』内はダンジョンマスターの能力が一部除いて使えるようになり、部下や所属の魔物に補正がかかる。

 敵の早期発見や領域内のDP収入などもあり余裕があれば広げておきたい。

 

「領域内のDP収入はダンジョン内の100分の1だけど収入アップするんだよね。南アストリアは野良ダンジョンばかりで競合相手いないし魔物天国だし」


 攻められることが無く一方的に攻めれる今の環境はやり方次第で物凄くDPを稼げる。

 普通に召喚陣【ゴブリン】を設置するだけでも稼げる。

 僕の場合、召喚陣【スライム】、召喚陣【グミ】しかなかったけど。


「まあ、こっちの世界の資源情報もダンジョンに吸収させないとだし、千里の道も一歩からだね」


 北に幅1mで50P分領域を増やし、召喚陣【スライム】(100)x2を設置する。

 スライムに領域内にある全ての物を吸収するように指示をだす。

 スライムなら一日10匹x2召喚されるから木や鉱物の情報がある程度貯まるだろう。


「木が倒れた時に魔物も巻き込めればラッキーだね」


 ダンジョンの特性を調べるうちに分かったことだが、このダンジョンはエルキアの情報が入っていないようだ。

 だから吸収させて情報を集めるところから始める必要がある。

 情報は質は問わず一定量吸収させれば完了となり、ダンジョン内でポップしたり召喚陣などのアイテムに反映される。


「やりこみ要素かな?自分はこっちの事は情報としてしか知らないし、実際に見たスライムがここまでとは思わなかったし」


 魔法陣から両手を広げたくらいの粘液がねとぉーと這い出てくるのはなかなか表現しづらい。 

 地球では絶対見れない光景だ。






 夏、こちらでは『烈火』のスタートはダンジョン完成で盛り上がったが、その日以降は物凄い穏やかだった。

 DPが+10増えて収入が2倍に増えたが元々微々たる収入の上、箱庭以外でも消費したり、ポイントが高かったりと手の空く時間が増えていた。

 そして、その空いた時間はダンジョンマスターではなく一人のソージとして過ごしていた。

 クロロに付き合って一日中領域をうろついたり、小石【1k】(1)を森に向かって投げ経験値が増えるか試したり、スライムコーティングされた木が消化されていく様を見たりして過ごした。

 そのあまり変化のないスローライフは思っていた以上にストレスが溜まっていた心を癒し、小さいながらも色々な変化に気づく切っ掛けとなった。


 いつの間にかクロロのレベルが上がっていた。

 1月に1上がっているらしく、8月の今現在Lv6。

 ステータスもALL60と面白い上昇を続けていた。


「クロロ凄いなー。10月には僕の10倍のステータスじゃないか」

 

 褒められて嬉しいのかぽよんぽよん跳ねる。

 1年16ヵ月だから1年でALL160。低レベルなら十分勝てるようになる。  

 10年経てば上級の仲間入りだ。


「グミもレベルが上がれば脅威だねー。寿命が短いから100年生きられないけど。ん?あークロロは僕と同じ寿命だから大丈夫。ただ、死んだらレベルが下がるはずだから油断大敵だよ。HPが低いのが欠点みたいだから」


 全てが同じ数値のグミはHPが低い。

 ゲームみたいに最低ダメージは無いから攻撃より防御が上回っていれば問題ないが、ダメージが少しでも入りだすとHPの低さから死にやすい。

 その分ステータスが全て上がるので、レベルが上がれば上がるほど弱点がなくなり誰にも倒せなくなる。

 さらに、経験値が生きているだけで上がる特殊性から魔物の中では一番高性能なのだが、寿命があることで全て台無しだ。





 烈火も後半になり暑い日々が続いているが、桜の成長が止まった。

 理由はDPの収入が増えたからだ。

 どうやら成長するためにDPを使っていたもよう。

 6月から急成長を始めたが本来なら1ヵ月で栄養が尽き、その後大地からの魔素を吸収して育って行くらしかった。

 ただこの桜はダンジョンと融合した為に、DPで養分を追加することができた。

 そして1次安定ラインの樹高100Mまで一気に育ったらしい。


 そして今更ながらにこの桜には感情があった。

 この世界に定着する為の楔なのである意味自分の半身だ。

 そんなことを一切忘れ、00DPが増えた原因を調査するために幹に触れた瞬間、怒りと不満の感情が流れ込んできた。

 いきなりのことに驚き、お約束の神眼発動。



 ++++++++++


 世界樹【桜ver】


  名前:未設定


    世界の魔素の流れを整える役割を持った精霊樹。成長と共に扱える魔素の量が増える。


    セージ=タチバナの存在を固定する為の楔として生まれた。ダンジョンとの融合により核が不安定になっている。



 ++++++++++


 

 速攻で土下座を発動。

 生まれてから6か月、感情が芽生えてからでも3か月放置。ネグレクト?

 曲がり切った機嫌は中々直らず、名前を『サクヤ』と命名。

 自分達の植物を司る女神の名前と同じだと、懇切丁寧に説明し何とか直った。


 出産ネタは流石に黙秘した。



 今のDP収入は、


 10(基本)+20(ダンジョン)+10(サクヤの稼ぎ)=40 +α(スライム軍団)


 になった。


 この分なら、クーリエ大山脈まで支配領域を伸ばす期間を短縮できそうだ。 






 サクヤ姫あざーっす

 

 

 


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