9 【メアイの視点】
この回は、アマノ王女の侍女である、メアイの視点で、描いた作品です。
あらかじめ、ご了承ください。
ああ、忙しい。
ここゾルランの王室の仕事は多すぎる。
あったりまえだ、あたしは侍女だから。
今は厚みのある、重いドレスを洗濯されるよう、命令された。
キトワもいるはずなのに、
「ごめえん、忙しい。手伝えない。」
と、ごまかして逃げあがった。まったく、一番偉いのに生意気。少しは手伝えっての。
「あっ!」
つい、王様が通るな、という王様の玉座を通ろうとしていた。
手っ取り早く、洗濯する庭に行くには、王様の玉座を通らなければならない。
それなのに通るなとか、侍女のこと考えているのか?まったく。
今日も、アマノ王女様と王様が玉座の間で話していた。
「う、うるさいっ!」
珍しく王様が大声を出し、あたしはドレスを落としそうになった。
あの温厚なイメージのある王様が大声をあげる・・・、なんて。
どんだけの話をすればそうなるのだろうか。
興味をそそられる。
ー「いいか?侍女、侍従になって、王室がまじかになってくる。でも君たちはあくまでも侍従だ。王室の話を
聞いてはならない。」
はっ、
そうだ。だめだ。聞いちゃだめだ。侍女として入ったとき、王様にきつく言われた。
でも・・・・気になる・・・・。
人間とは不思議なものだ。「聞いちゃだめ」と言われると逆に気になる。反対に「聞いちゃだめ」と言わなかったとしても気になるもんは気になる。(ってこれ侍女のあたしが思うことじゃないけど。)
「いいですか?」
アマノ王女が大声で王様に切り出した。
それで、あたしは我に返った。
そうだ。洗濯しないと。こんなくだらない立ち話聞いてるより、せー、
「私は王女じゃない、天野 姫。」
んたく・・・?!
王女じゃない?アマノ王女が?そういえば、何回もそんなこと言ってたような・・・。
「何も知らないのはガシスの方。本物のアマノは逃亡中。あなたの本当の娘のことですよ!」
え・・・・・?!
まだアマノ王女は・・・逃げてる・・・?!
もし彼女の言うことが・・・、「彼女がアマノ王女ではなく、アマノ王女はまだ逃亡中」ということが、本当ならば・・この国はまた大問題になる。
自称、アマノ王女もどきは、なにやらまだしゃべっていたが、耳に入らなかった。
これこそ、頭に雷、ってやつだと思う。
そういえば・・・
ー「アマノ王女、すごいですよ。聞いてください!」
ー「は、はああ。聞いてるよ。だから言ってよ、フイザー。」
ー「アマノ王女。ね、優秀ですよ!覚えが早いっ!今日も十時間も勉強したんですよ!すごい!(と拍 手)」
フイザーが褒めたたえるのは・・・まあない。
しかも、噂でアマノ王女は集中力が続かない上、勉強が嫌いだと聞いたことがある。
そんな子ができるわけが・・・ない。
あの子は・・・・王女じゃ・・・、
・・・・・・・・・・ない。




