77 三階の会場準備
「うわ、広い・・・・」
三階に上がると、会場が目の前に広がっていた。
・・・・・というか、三階自体が会場だったのだ。
いやいや、いくらなんでも大胆すぎるよ、それは。
「遅いぞ、アマノ」
何度も耳にした声が後ろから聞こえてきた。
・・・・・もちろんこの声が誰かもう分かっている。
振り向くと、やっぱりそこにはガシスがいた。
「ごめんなさい・・・迷ってしまって」
「そんなので罰ゲームの時間を減らそうとか思ってるんじゃないだろうな。そんなことやっても無駄だからな。ただ罰ゲームの内容が増えるだけだ」
はっ!よく言えるわ、偉そうに。
ジャンを学校辞めさせるよう言っていたのはあなたの方でしょ。
私は何も悪くない。
「罰は、ここのフロアの掃除、侍女のお手伝いだ。さあ、やれ」
はあ?私、侍女の仕事しにここに来たんじゃないんだけど?
何?侍女の採用試験?
私は、ガシスを睨んだ。
・・・・・・大変だ、やっぱり侍女は。
ん?いや、罰の内容がひどいだけかも。
・・・・だって侍女だとしてもめったにやらせない。『三階の床を一人で全部ふけ』だなんて。
そんなの無理に決まってる。
「おい、アマノ?そんなにゆっくり拭いてたら、終わらないぞ。ほら、速く!」
・・・・その言葉、この作業ガシス一人でやり終わってから言ってよね。
その命令受けた人は大変なんだから。
このモップ、投げてやろうか?
でもガシス以外の人は優しかった。
私が一人で拭いているのを見て、侍女や侍従が一緒に拭いてくれた。
・・・・・名前知らないけど、みんな。
「ふう、終わった」
う・・・・疲れた・・・・大変だった、これは。
「何言ってるんだ、アマノ。まだ終わってないぞ、皿洗いなど手伝ってくれ」
・・・・・・えっと・・・・キッチン行って皿投げようか?
キッチンどこか知らないけど。
・・・・・こっちの気持ちにもなってほしい・・・・。
しょうがない。キッチンの場所を知らないと、皿洗いなんてできない。
「えっと、キッチンってどこですか?」
一番近くにいた侍女に訊いた。
「こっちです」
侍女はそう言いながら、階段から手前にあるドアを開けた。
「これか・・・・」
キッチンは横長に作られていて、そのキッチンにはたくさんものが詰め込まれている。
たくさんの棚、ガスコンロ、大きな流し場(は二つ)、机・・・・・。
流し場にはたくさんの侍女が皿をごしごし洗っている。
・・・・忙しそう。
なんかこの中に入りたくないな・・・・。
「あの~・・・・・」
流し場で皿を洗っている侍女たちに話しかけると、侍女が私を見た。
・・・・・しかし、すぐに作業に戻った。
その中からリーダらしき侍女が歩み出てきて「どうしたんですか?」ときいてきた。
「いや・・・・皿洗いを手伝ってとガシスに言われて・・・・」
そう言うと、彼女は困ったような顔をした。
「・・・・そう言われましても・・・邪魔ですので」
・・・・なんかはっきり言われた・・・。
なんかもっと傷つかないような言い方なかったの・・・?
というわけで私はキッチンを追い出された。
「おい、アマノ。なんで皿洗いしてないんだ?」
出た瞬間にガシスに言われた。
「いや、邪魔だって言われたから・・・・・」
「そう言われてもやるんだ!」
・・・・・人の迷惑を考えないの・・・・?




