76 なかなか入れない本題
「ああ、もうまたやっちゃったよ・・・・」
・・・・・あそこにはフイザーと侍女がいてチャンスはあったのに・・・。
また、どこの会場か聞くの忘れちゃったよ・・・。
あんなことしてたら・・・・。
「どうしたんですか?テンヤさん、こんなところで」
「メアイ・・・・!」
ちょうどたくさんの洗濯物を抱えたメアイがやってきた。
しかし、不思議そうな目で。
・・・・・まあ無理もない。私は誰かを待つように階段の段の一つに腰かけていたからだ。
別に私の世界でもそんなに怪しまれないだろう。
・・・・しかしここはゾルラン。
しかも今はアマノ王女という設定。
ドレスのまま階段に腰かける光景は、メアイの他の侍女から見たら多分、もっと怪しむと思う。
「ちょうどよかった、舞踏会の会場ってどこ?」
「私が来るのを待ってたんですか?」
メアイは私の問いに答えず、問いをかぶせた。
・・・・・なんか・・・・話、かみ合ってない。
「いいえ、たまたまだけど。それで舞踏会の会場ってどこですか?」
「なんで関係のないことなのに、テンヤさんが質問してるんですか?」
・・・・・・質問ばっかり・・・・。
「う~ん・・・・ガシスに罰ゲームだから来いって。でもどこか分からなくて。で、その会場はどこですか?」
「罰ゲーム?何でよ?」
・・・・あああああああ!!
私が聞いていることはたった一つ!
『舞踏会の会場はどこか?』
それなのに、答えないうえに質問ばかり!
・・・・・急いだほうがいいんじゃないの?私もメアイも。
「なんか村人のジャンに学校辞めさせたからその罰だって・・・で、その会場はどこ」
「え?なにそれ?」
・・・・・・うんと、そろそろ先行かせてもらえないかな。
本題の。
「で、それで舞踏会の会場はどこなんですかあ!!」
つい、イライラして声を荒げてしまった。
メアイは目を丸くして驚いている。
・・・・・・・しばらくの間謎の沈黙が続いた・・・・・・。
「ご・・・・ご、ごめんね・・・しゃべりすぎちゃったみたい・・・会場は三階にあるよ」
「あ、ありがとう」
それを聞いて私はメアイと別れたが、後姿だけ見ても、メアイはかなりのショックだったようだ。
・・・・・怒りすぎちゃったかな・・・・。
なんかゴメン・・・・。




