68 たどり着いた部屋
「・・・・ええっと・・・どこ、ここ・・・・」
私はどこかの部屋で立ち尽くしてしまった。
やっぱりどこに行っても分からない場所は分からないのか・・・。
そりゃあそうだよね・・・だってお城広いから・・・。
ただ、お城が広くても・・・、ここは狭い!!
「やめてください!!」
「放してください!!」
「嫌よ、もう少しの辛抱よ。ま、来るか分かんないけどね」
・・・・・声がするけど・・・なんか聞いたことがある声・・・。
・・・・ここ、暗すぎて見えない!
しかも物がたくさん入ってるし。
まあ、リディアのあの倉庫よりはきれいかな・・。
・・・・つまりここは倉庫?
電気どこかな・・・どこかにスイッチあるはず。
「あっ」
「「え?」」
「ん?」
急に部屋が明るくなった。まあ、それは当然、電気のスイッチを見つけたからだけど。
・・・・・・って!
「フ、フイザー?」
「・・・テンヤ・・さん?」
「な、なんでここにいるんですか!!?」
・・・・・私は信じられなかった。
別にフイザーがここにいたからびっくりしたわけじゃない。
単にフイザーがいただけだったらこんなに驚かないし。
・・・・・・その後ろで、椅子に張り付けられたあのオリレルがいたからだ!
オリレルは、帰ったはずでは?
なんでいるの??
「そそそそそんなの知らないわよおっ!あ、あなたこそなんでここにいるの?」
・・・・・いや、顔に出しすぎだって。
そんなんじゃ、嘘ついてもすぐばれるよ・・・。
まあ、証拠品として後ろにオリレルがいるけどね・・・。
「私は、お風呂場目指して行ったはずなのに迷子になっただけですよ」
「はあ?!どうやったら迷子になるのよ!お風呂場は一階で、ここは十五階なのに?!」
・・・・え?ここ十五階だったの?
どうやったら迷子になったのか、自分でも分からないんだけど・・・。
まあ、記憶力がかなりあいまいだったのと、お城が広かったせいだと思うんだけどね・・・。
・・・・・いやいやそれよりも!
「どうしたんですか?なんでオリレルがここにいるんですか?」
「・・・・オリレル?・・・・誰?」
いや、なんで今更とぼけるの?真後ろにいるのに・・。
「後ろにいる、アマノ王女の双子の侍女、オリコとレルナですよ!!」
「あ~!なるほど~・・・『オリレル』って略してるのか~・・・」
・・・・ええっと・・・・知らなかったの?
「うんと、なんでオリレルがいるか知らないけどお~?」
いやいや、ついさっきフイザーが、椅子にひもでしばりつけてるとこ見たから。
今更言っても遅いと思うけど・・・。
急にフイザーが私を見て、言い出した。
「・・・・・はあ、分かったわよ。私が魔法であの二人を引き寄せて、捕まえたの」
・・・・・え?なんでそんなこと・・・・。
「そりゃあ、アマノ王女を呼び寄せるためよ。ま、あのアマノ王女が侍女も見捨てる冷酷な王女だったらもうお手上げだけどね」
・・・・・ああ、メアイが言ってた『こっちなりの手段』ってやつなのか・・・。
・・・・それにしても、この手段はさすがに強引じゃない?
「テンヤさんはお風呂に行きたいんでしょ?だったら、この部屋の奥の方に近道になる階段があるから、
そこ使うといいよ」
フイザーは、前の方の縛られたオリレルの近くの扉を指さした。
・・・あそこか・・。
「ありがとう」
私はあの扉から、階段に行くことができた。
・・・・・ただ・・・・。
あそこを通るときにとてつもない目つきでオリレルに睨まれた・・・。
怖い・・・あの二人・・・。
っていうか、私なにか悪いことした?
苦情ならフイザーかメアイに言ってください!!
私は知りません!!
はあ・・・・疲れた・・・早くお風呂に入って寝よう・・・。
そう思いながら、長い長い階段をおりていった。




