60 魔法の廊下(挿絵付)
「はあ・・はあ・・・ここ・・・かっ!・・」
私は二階の『魔法の廊下』と書かれたかなり派手なプレートの部屋の前に来ていた。
・・・・疲れた・・・。
階段ダッシュきつい・・・。
やるんじゃなかった・・・異世界のお城の階段で・・・。
お城の階段ってこんなに段あったの・・・?
そのまま、流れ込むように部屋の中に入った。
「あ、やっと来たのね」
そこにはもちろん、朝食の時に再会したあのピーリーがいた。
「・・・はい・・・やっと・・・来ました・・・」
・・・息切れしながら話すのってつらいよ・・・。
「あらあら、走りながら来たのね・・」
「はい・・・・」
そう言いながら、床に座り込んだ。
次の瞬間。
「ふへっ?!」
私は一瞬浮いたかと思うと、いつの間にかベンチに腰かけていた。
なんで・・・?
さっきまで床に座っていたのに・・・?
「いつの間に・・・?」
「魔法だからね、ここ」
ピーリーは、私の横に腰かけた。
・・・魔法の廊下って名前だけあって、この部屋の中の壁は青い線のようなものが素早く流れ去っている。
流れ星のように。
「・・・・・・・・あなたは女王なんですか?」
すると、ピーリーは驚いたような顔を私に向けた。
「やあね・・・私が言おうとしたことをあなたが言っちゃうなんて・・・」
ピーリーは「はあ」と一息ついた。
「そうよ、私がここゾルランの女王。ガシスの妻。・・・・そうだけど、私も一つ質問、いい?」
質問・・・?
どういうこと?
「あなたは本当にアマノなの?」
「・・・へ?」
まさか・・。
ここで?
「あなたは本当に私の娘なの?」
「・・・・・」
・・・・答えたらどうなることか・・・。
メアイはメアイとフイザーだけお城の中では私の正体を知ってるって言ってたけど・・・
違うんじゃないかな・・・。
「別にいいのよ、答えても。私はここの城ではいないもの扱いされてるから。それぐらい、薄い存在になってるから。・・・まさかガシスは私が女王だとは思ってないし」
・・・・だからなんだ。
結局それで拡散されるだけじゃないか、答えたら。
「さあ、答えてよ」
ピーリーがどんどん私に詰め寄ってきた。
・・・・何?
これ答えないとずっと続けるパターン?
「さあ・・・さあ」
・・・ねえ、おかしいでしょ、この人絶対答え知ってるよね?
その答えを言いなさいってこと?
答えれば何か起きるってこと?
意味わかんない。
・・・・とりあえず、どうにかしてほしいんだけど・・。
「アマノ・・・アマノ・・・!どこにいるんだ、本当に!」
外の廊下の方から、ガシスの声が聞こえてきた。
・・・え?
なんで、私を呼んでるの?
「・・・え?」
横を向いたら、・・・・ピーリーがいなくなっていた。
どういうこと・・・・?
まるで嘘のように相変わらず、壁には流れ星のような線が流れていた。




