44 アマノ王女と『オリレル』
ギリギリ、メアイが小さな穴に付いたところで、アマノ王女と「オリレル」は定位置について、話していた。
「これっきり、来ませんね・・・なんでしたっけ・・・よく分からないあの二人」
「・・・ああ、天野姫と、メアイのこと?
・・・ふっ!そりゃあそうだよ。きっと追い出されるのが怖くなったんだよ、私スゴイから」
いや、それは絶対違います。
「いいえ」
「どうしたの?オリお姉さま?」
ああ、レルナはオリコのことを「お姉さま」って呼ぶんだ・・・。
となると、オリコが姉で、レルナが妹ってこと?顔が全く一緒だとどっちが姉妹か分かんないな・・・。
それに困るだろうし。この私のように!
「前、あたしが外に追い出した時、ちょうどそのタイミングで王様達が来て、連れて行ったの、あの子を」
「アハハ!ざまあみろね」
・・・・ムカつく・・・。
私が何をしたっていうの?
もっと感謝してよ!
あんたのワガママに付き合ってあげてるのに・・・!
私がやったこと、分かってんの?
「テンヤさん・・・落ち着きましょう?」
メアイがいつの間にか、私のこぶしが前に行くのを手で止めていた。
ああ・・・ゴメン・・・つい怒りが・・・。
「でもお姉さま。レルナが、あの『メアイ』とかいう女の人を追い出した時、王様達らしき人物は見当たらなかったわ」
「そうなの?」
小声で訊くと、メアイは無言でうなずいた。
まあ・・そりゃあそうか。
そうでなきゃ、私のお城の二度目の逃亡なんて手伝えないもんね・・・。
でも、本当にタイミング、悪かったなあ・・。
あともう少し、数分でもメアイのように時間がズレていたら、あんたこともなかったのに・・・・。
時間がズレていたら・・・っ!!
「テンヤさんっ!!」
「ん?」
気が付くと自分のこぶしが顔の前にあった。
しっ!失礼・・・。つい、私の運の悪さに怒りが・・・。
慌てて、手を下ろした。
「う~ん・・・つまりメアイはつかまっていないってわけね。ま、あの、テンヤって子はどうせ、王女になる運命でしょうね」
「はああ??!」
「ちょ、テンヤさんっ!」
何よ!あんたがそういう未来にしたんでしょうが!!
大体ね、私はあの教室で数学の授業で問題の答えを書きに行く、普通の学生なのよ!
なのに・・・なんであんたのワガママにつきあわないといけないのよ!
と、気づいたら、私はアマノ王女の目の前に立っていた。
アマノ王女はというと、動揺せず、待ってました!ばりに目を光らせ、妙にニヤニヤしていた。
それでさらに怒りが倍増した。
まるでまんまと罠に引っかかったみたいな扱いじゃない!!
「ははーん!なるほど?また来たってわけねえ・・・『オリレル』外に追い出してっ!」
「「はい、分かりました」」
もう私は怒りに狂っている。
襲い掛かって来る、ロボットのような双子の侍女を押しのけた。
しかし案外、押しただけで、倒れてしまった。
「「いったあ・・・・」」
痛そうな声もシンクロ。さすが双子。
いや、その前に・・・・いやこの子たち弱っ・・・!
なんて弱い・・・。
・・・・さてこうなったら、アマノ王女を帰らすまで帰らないから。
お城に戻る気なんて、一ミリたりともないからね!!
「アマノ王女、もう帰りましょうって!!」
案外、自分が思うより大きな声が出てしまった。
「嫌よ・・・・ずっと嫌って言ってるでしょ?!!!」
アマノ王女も私に負けじとかなり大きな声をあげた・・・。




