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43 三度目の正直なるか?!

「またアマノ王女、探すのか・・・疲れたなあ」

「しょうがないですよ・・・・こうするしかないんですから」

私たちはあの例の森の中に入って木をかき分けていた。

そうえいば・・・かき分けて疲れていたところを、リスが川の場所を教えてくれたんだっけ。

あ~あ・・・ホント、疲れるよ。アマノ王女って!!

お姫さまってこんなに手がかかるの?

まあ、アマノ王女はその中でも特に手がかかると思うけど・・。

「・・・・あれ、ここどこ?」

真っ暗で見えないし、今日は前、誘導してくれたリスもいない。

お先、真っ暗だあ!!・・・いろんな意味で。

「大丈夫ですよ。ここで合っています。私の置いた枝をたどれば、行くことができますから」

なるほど、さすがメアイ。しっかりしている。

枝なら、小鳥に食べられる・・・なんて心配はない。

そして、枝をたどっていくと、今度はリスの力なしであのいつ見てもきらきらのきんぴかの建物にたどり着いた。


良かった~・・・でも疲れたなあ・・・。

思わず、私は進まないで森にしては珍しい柔らかい芝生にどてっと座り込んだ。

もちろん、メアイはそれを見て、声をあげた。

「テンヤさん、何してるんですか!?中に入りましょう?」

「でも、休ませてよ」

「テンヤさんが、アマノ王女を連れ戻したいって言ったんですよ?『時は金なり』!チャンスは目の前にある時に掴まなきゃ!」

へえ・・・ここにも『時は金なり』なんてことわざあったんだ・・・。

・・ぐずぐずしてたら、怒鳴られそうで怖いなあ・・。

私はゆっくりと腰をあげて、立ち上がった・・。



三度目の挑戦。

建物に入ってもやっぱり誰も止めはしなかった。()()()自由なのだ。

「ああ、もう全く・・・」

相変わらず、建物のど真ん中のステージはたくさんの人が踊っている。

なんだか呑気なのが少しイラつく・・・。

そして森奥だというのにこの絶えない人気はなんなんだ!

「本当、ウ・ル・サ・イ・・・ですよね」

まるで主張するように、妙に「ウルサイ」という言葉の一文字一文字を区切ってメアイが言っている。

確かにメアイの言った通り、相変わらず鼓膜がはちきれるんじゃないかって疑うくらいの大きな音楽が聞こえている。やっぱり音源がどこにあるかは分かんないけど。

「はあ・・・・ふう」

息を整えて、私は忍び足で壁に寄りそいながら、大きな穴の入口に近づいた。そして、そのあとからメアイが付いてきた。

あの、アマノ王女の(現時点での)侍女コンビ「オリレル」につかまったら、この逃亡は意味がなくなってしまうからね・・・。

今はちょうど、オリレルもアマノ王女もいない。

ゆういつ、私達を見ていたのは、ステージで踊っている人だけど、よほど興奮しているのか、夢中になっているのか、私たちを目に留めもしていない。

ふう、よかっ


「あっまずい」

アマノ王女はあと一歩踏み出せば、たどりつく大きな穴の中ではなく、隣の真ん前に当たる穴の中から出てきて、こっちに来る最中だった。しかもアマノ王女の前にはあの侍女コンビ、オリコとレルナがいたのだ。

紛れもなく、二回も追い出したのはこの二人なのだ!!

その二人が私達の顔を覚えていないわけがない。

ましてや、特に私なんか、アマノ王女似なんだからなおさら。

このまま、ここにいたら、また追い出されるに決まっている!!

どこか・・・隠れる場所は・・・・あっ!そうだ!

「テンヤさん、どこ行くんです!?」

「しっ!!」

大きな声を出したメアイの腕をつかみ、私はちゅうちょなくステージの中に入った。

ステージの中は真上にあるミラーボールのせいでかなりまぶしかった。

もう、なんでこいつらは、まぶしいのによく踊れるのか・・?

しかし、まぶしくても、他の人の真似をして、適当に踊った。

メアイはその行動を不審に思いながらも、私の真似をして、踊った。

「何、してるんですか!!?こんなのでアマノ王女が連れ戻せるなんて思ってるんですか?」

今度はメアイはやっと小声で言った。

「分かってる。けど、見つかっちゃうでしょ」

そのころ、アマノ王女と「オリレル」は私たちの方を向くでもなく、何もなかったように大きな穴へと入った。

危なかった・・・・よかった、バレなかった・・・!

とはいっても私は念のために、キョロキョロ辺りを見渡し、ゆっくり壁に寄りそいながら、メアイと一緒に穴の中へ入った。

この行為もやっぱりバレていないらしい。

アマノ王女と「オリレル」はいすに向かっている最中なので、入口に背を向けている状態だったのだ。

それを知って、忍び足で前にも隠れた小さな穴に駆け込んだ。







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