41 二度目の挑戦!!
私は久しぶりにベランダに出た。
どっぷり日は沈み、真っ暗の空の中にきれいに三日月が浮かんでいる。そして、風が心地よいくらいにふいている。
ああ・・・このベランダで色々やったなあ・・・。
アマノ王女に忍びこまれて拷問させられたり・・・。
舞踏会の日にメアイと一緒に逃亡したり・・・。
いや、ろくなことしてないや。
ああ・・・思い出して損した・・・。
「テンヤさん」
「うわあああああっ」
上から逆さになってぶらさがっているのは、あのメアイだった。
いやあ・・・まさか現れるとは・・・。
「しーっ!!静かにしてくださいっ!見つかったらどうなると思っているんですかっ!」
メアイは口に人差し指を当てて、不機嫌そうに小声で言った。
「そうだね・・・」
私はメアイが差し出した手をとり、またあの時のようにぶら下がっているひもをつかみ、下り始めた。
今度は上の階にひもをしばりつけてあるし、
前のように風が強いってわけではない。
今度の逃亡は追いかけられないかも!!
私はかなり、落ち着いて下り終えた。
前はお城の庭に目をくれる間もなかったけど、こんなところにこんな大きな木があったんだ・・・と余裕で思うくらいだ。
メアイは逃げた痕跡が残らないようにひもを切ってから、やってきた。
ゾルランの町の夜はなかなかきれいだった。
ぼつぼつとあたりに光がともっている。
・・・・それは私たちの世界でもそうだけどね。
でも、行先はゾルランの町の店なんかじゃない。
もちろん、森!!
今度こそはアマノ王女を連れ戻さなくては・・。
メアイに今回も助けられたんだから。
私とメアイの二人は、森に続く道をまっしぐらに走っていった。




