36 メアイと一緒に(挿絵付)
「と、いうことで今に至るわけです」
メアイは、話を締めくくらせた。
私は、ずっと、メアイの話を聞いていた。
・・・・長い・・・・。
まあ、そんなこと言ったら私もしっかり話し始めたら、長いけどね。
「なるほど」
適当にあいづちをうった。
それで、私たちの今までの生活の話は終わった。
「♪パンバララ~バンパラレラ~パンバララ~バンパラバンパ、パパパ!♪」
またあの音楽が聞こえてきた。
そういえば・・・私はそれが気になるから、階段に上ろうとして襲われたんだっけ・・。
「あの音楽、気になりません?」
「まあ・・・」
メアイは、興味がなさそうだった。
どうせ、私たちには、やることがないんだから・・・散策ぐらい・・。
「私、あの中に入りたいんですけど、メアイも行きます?」
「まあ・・」
やっぱり興味がなさそう。
私は、立ち上がって、メアイから借りた服を、肩にかけた。
いくら邪魔だといえ、置いていくのは抵抗があった。
しかし、メアイは、大きな袋を置いていくことにした。
「なんで、袋を置いておくの?」
「・・・・・どうせ、ここで暮らすんだし・・・置いておく方が楽」
まあ、その後は、久しぶりの再会だというのに無言で階段を上った。
たぶん、それはさっきの会話で語りつくしてしまったからだと思う。
でも、さすがに無言で五十段は、退屈できつかった。
建物の入口にドアはついていなくて、建物に簡単に入れた。
「・・・なにここ」
「めっちゃ・・」
「カラフル」「うるさい」
・・・・
私とメアイは思ったことが違うようだ。
もう、建物のど真ん中に銀色のひし形のステージがあって、そこに思い思い人が踊っていた。そのステージは、たまにキラキラして、ピンクになったり黄色になったり・・・。
その原因は、天井にある回るミラーボール。
いやあ・・・ゾルランにミラーボールなんてあったんだねえ・・・。
そのほかに、すごい音量で・・・きっとこれは音量MAX・・・・音楽が聞こえてきた。
どこから流してるのか、そしてこの音楽はなんなのかは知らない。
スピーカーは見えないし、ヘッドホンしたDJもいないし。
そして、人。
みんな宝石を付けている、女も男もいる、しかも貴族の衣装、羽のついた扇子、そしてみんな笑顔・・。
・・・・いろいろ、混じってんな、これ。
おかしいでしょ、どれかに統一しないとだめでしょ。
・・・はあ、これだから異世界は・・。
メアイと、私はもう口をあんぐりと開け、しばらくぽかんとしていた。
「次の方~」
音楽に遮られて少ししか聞こえないが、女の人の声がした。
・・・・病院・・?
その女の人は、ステージで踊っていた男の人だけをひっこ抜く。
そして、男の人は女の人にどこかに連れられるのだ。
・・・・なんだ?
「あ、ちょっとテンヤさんっ」
私はその男の人についていった。メアイは、なぜかさっきの場所に連れ戻そうと必死に追いかけた。
しかし、メアイの声などお構いなしについていった。
女の人は、ステージの裏にある、さっきまで気が付かなかった、大きな入口・・・いや穴って言った方がいいか・・穴に、男を連れ込んだ。
大きな穴にはしばらく真っ直ぐ道が続いていたが、やがて長い背もたれの椅子にたどり着くことが分かった。
椅子には誰かが座っているが、横の二人の侍女の大きな扇子により全くもって見えなかった。
私は、大きな穴の小さな穴の中から、顔をひょっこり出して様子を見た。
「テンヤさんっ」
後ろから追いかけてきたメアイが小声で言いながら、同じ穴に入ってきた。
「どうしたんですか、戻りましょ」
「しっっ!!」
メアイの小声は十分小さかったが、口に人差し指を当てて、静めさせた。
もしかしたら近くに誰か聞いているかもしれない。
ここの穴はただでさえ、いすに近いから。
「聞かれたらどうするの」
メアイは、私の真似をして、下の方から顔だけを穴から出した。
「やあ、諸君来てくれてどうもありがとう」
いすに座っている人は、低い声で言った。
でも、女の人らしい細い声の感じだった。
「なんですか、ご用件って」
不満そうに呼ばれた男の人は言った。
そりゃあ、そうだ。気持ちよく踊っている最中に呼ばれるなんて私だって嫌だ。
「あなたを試すわ」
・・・うん、完全に女。
「試すって?」
男の人がこの台詞を言ったとたんに、侍女の扇子がひらかれ、座っている人の顔があらわになった。
「「アマノ王女?!」」
「しっっ!!」
男の人と、私の声が重なった。
なぜ、メアイはそんな平然と私を黙らせられるのだろう?
探していた、アマノ王女が今目の前にいるというのに!!




