屁
昔、昔、とある国に14歳の麗しい姫がいました。
姫は父である王様の言いつけで、長く国に貢献してきた老将軍を馬車で迎えに行きました。
将軍が馬車に乗ろうとしたところ、馬が尻尾を振りながら豪快に屁をしました。
人生経験豊富な老将軍は、これくらいのことでは動じず(さすがに、王の馬は良い草を食べている。さほど臭くないわい)と思いました。
しかし、姫は馬が老将軍の前で屁をしたこと恥ずかしく思い、赤面して謝ります。
「これは、大変なご無礼をいたしました」
老将軍は、その様子を見て、目の前の可愛らしい姫が屁をしたのだと思います。
「いえ、お気になさらず。私は馬が屁をしたのだと思ったのですから。」
(やはり姫も良いものを食べているのだろう。まったく臭くないわい)と老将軍は心の中で頷きます。
それを聞いた姫は更に顔を赤くします。(馬が屁をしたことを謝ったのに、この方は私が屁をしたのだと勘違いなさっている。あの豪快な屁は私ではないと説明した方がよろしいのかしら。でも、恥ずかしいわ)
姫は誤解を解くことができないまま将軍を馬車に案内し、自分も向かいに座りました。馬車は動き出しましたが、姫は馬の屁だと言い出そうか悩んでいます。
姫が思い悩んでいる姿を見て、老将軍は先ほどの屁を恥ずかしがっているのだと勘違いしますが、孫ほど年の離れた姫を和ませようと穏やかの表情を見せていました。
その表情を見た姫は(私が屁をしたことを笑っているんだわ)と誤解します。そして、羞恥に耐えられなくなった姫はお腹の調子が悪くなったのか、屁をしたくなりました。
(そうだ。ここで私が屁をすれば、先ほどの豪快な屁が私ではなかったと思ってくれるに違いない)
姫は細心の注意を払いお尻の穴に力を込めました。
すると「ぷ~」と可愛らしい音が密室の馬車の中に響きます。そして、密室の馬車に姫の屁の臭いが充満します。
「ぐあ~、なんだ、この強烈な臭いは。いったいどこから?」
老将軍の苦悶に満ちた表情を姫に向けました。
それを見た姫は
「へっ?」と惚けた声を発しましたとさ。
めでたし。めでたし。