ラビリンス 最終層
『王よ。これで本当によろしいのですか?』
深層に降りたシロー達が、シーリーンの封印を破壊する。トレイヴァーが、シーリーンの封印を1つ壊しただけで良いのかと聞くと。
「ああ。これくらいであの魔女が、どうにかできるわけはないだろうが、しばらくはおとなしくなるだろうね」
『ですが、あの女狐を懲らしめるチャンスでもありますよ』
まだ、各地にシーリーンの封印は、残されている。その封印を壊せば、彼女の力は大きく削がれるだろう。
「うーん。確かにそうなんだけど。彼女のおかげで私も良い勉強もできたし、得難い人材も得たからね」
シローは、そう言うと後ろに立つ2人を見る。
『王が、人を避けるようになって幾久しく。ようやく共に歩む者を見つけたのですからあの魔女にも感謝したいのですよ』
ブレイヴァーが、そう言うとイルギスもトレイヴァーも仕方ないと納得した。
イルシィー=ローレンスが、人を捨て管理者となった時から長い年月が経つが、直接人と触れる事はなくなった。悠久を生きる身とその役割に対し、人の一生はあまりにも短くはかないのだ。どうせ別れるくらいなら最初から知らない方がよいと、人との接触を避け孤独に生きる道を選んだ彼も、長い孤独にはやはり勝てなかった。
シローは、2人の同意を得る事で、2人をシローと共に歩む管理者として迎え入れた。最初は、断られるのではないかと思ったが、2人は快く受け入れてくれたのだ。
ラビリンスは、シローが人の成長と発展を願って創造した迷宮だ。そこには、多くの壁があり、乗り越えるだけの力や知恵が必要だろう。
だが、その壁が高ければ高いほど、人は成長し発展を続けていくのだ。
そして、今日も明日を夢見てラビリンスに挑む者達がいる。
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