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迷宮奇譚  作者: 山と名で四股
迷宮に挑みし者
27/59

ラビリンス 27層

 4層の探索を順調に進めながら、シローは、新たな機能を手にいれたアルハナートとの連携を確認していく。やはり、攻防の手段が増加する事は、戦闘において重要な事だった。


「今ならボグルドの7層もいけそうだな」


『マスターの魔力が強化されているため我々も強化されていきます。シーリーの装甲値や攻撃力なども徐々に向上しています』


 アルハナートの魔法の威力もシーリーンの攻撃力も増加している。もちろん、シローの戦闘力も同様なのだが、今は比較する対象もいないため昨日の自分と比べるしかない。


「次は5層か。5層あたりからクリスタルも出るだろうから、早くアル達の魔力上限をあげたいな」


『はい。魔力上限はできるだけ上げておく事をお勧めします』


 シローが、ルーレリアンに入ってちょうど1週間。シローは、ルーレリアンの5層へ降りる前にしっかりと睡眠を取り、魔力を回復させ5層の攻略にかかる。5層には、ロックゴーレムやロックイーターと言った土系統の魔物がおり、硬い装甲を軸に肉弾戦をしてくるが、シーリーンが、それ以上の装甲と攻撃力で応対していく。時々現れるマッドクラウンと言う土魔法を使う土人形が出るが、それはアルハナートの防御があれば問題なく倒す事ができた。


 時折、宝箱からクリスタルが手に入るようになったが、その頻度は宝箱5個に1個出るかどうかと言ったものでサイズも小さい物がほとんどで、アルハナートやシーリーンが吸収しても魔力値が1増えるかどうかだった。


「5層のクリスタルだとなかなか上限値は増えないな」


『マスターの成長の方が早く、追いつくのは難しいようです』


 アルハナートの分析でもシローの魔力値にアルハナート達の魔力上限値が追いつくのは、困難なようだ。


「まあ。じっくりと時間をかけて強化していくさ。そのために時間をかけてもいいだけの準備をしてきたんだからな」



 シローは、本来なら一切気を抜くこともできない極限とも言える環境の中で、寝る時間以外は、ほとんど戦闘と探索を続ける。

 


 そして、それからルーレリアンに籠って3ヶ月が経過した。



「シーリー行けるか?」


「はい。マスター」


 シローに笑顔を向けるあどけない少女が、うねうねと動く蔦を伸ばす魔物に手足を拘束される。シーリーンが相手をしているのは、巨大な花のような魔物で名前をマッドプラントと言う。

 シーリーンを拘束し、捕食せんとその大きな口のような花の側まで引きずりこむと、花の下にある本当の大きな口が開く。

 しかし、その口の手前に運ばれるまで抵抗しなかったシーリーンが、力を込めると蔦は簡単に引きちぎられ拘束が解かれた。


「ライトニングフィスト!」


 それほど力のこもっていないシーリーンの声が、聞こえると拳を握るシーリーンの右手が、雷を纏う。魔物も必死に残った蔦でその攻撃を防ごうとあがくが、もはやシーリーンを止める手段はなかった。

 右の拳が、マッドプラントに命中するとマッドプラントは、煙を吐く。それでも考えられないくらいの耐久力を持ったマッドプラントは、すぐさま新しい蔦を生み出していく。拘束をあきらめたマッドプラントは、蔦の先をまるでナイフのようにするとそのまま攻撃を開始した。シーリーンは、一瞬迷ったが、左手にはめた腕輪を起動する。


「プロテクトシールド」


 シーリーンを中心に丸い魔法の盾が形勢されるとマッドプラントの蔦は、その盾に防がれシーリーンにダメージを与えられない。その間にシーリーンは、再び右手に魔法を込めていく。

 プロテクトシールドは、全方位型の魔法の盾であり、物理攻撃も魔法攻撃も一定程度まで防ぐことができる。そして、シーリーンの右手の腕輪は、シローが使用できる魔法をコピーし行使することができるのだ。


「フレイムフィスト!」


 相手の弱点属性も考慮した一撃をシーリーンが、マッドプラントに打ち込むと炎が一気にマッドプラントを包み込んだ。


「シーリー。どうだった新しい装備は?」


「はい。マスター。どちらも順調です」


 この数ヶ月の探索で新たに見つけた隠し部屋で、発見したのは、戦闘ユニット用の補助装備だった。腕輪型のこの装備は、近接攻撃に特化したシーリーンの防御と魔法攻撃を可能とするものだった。


「アル。どうだ? かなり評価値も上がったんじゃないか?」


『はい。現在、マスターの評価値は、489 魔力値 182 アルハナートの魔力値 147 シーリーンの魔力値 146です』


「よし。目標の500まで後少しだな」


 ルーレリアンの攻略も順調に進み現在シローが、探索しているのはルーレリアンの8層となる。手に入る武器も時々ミスリルの武器や防具が、手に入るほかプラチナでできた装備も見つかるようになった。

 シローは、そんな中でも「風夢のプラチナの鎧」を着用している。「風夢」は、軽量化と魔法耐性を付与された武器や鎧につく名称で、シローの鎧は、軽く魔法にも抵抗力が高い。

 また、魔法書を一つ見つけ、炎魔法を手に入れた。炎魔法は、火魔法の上級魔法にあたる。


「ここで、評価値500まで行ったら。次の9層へ向かうぞ」


「はい。マスター」

『了解しました』


 シローは、ここ1ヶ月近く8層に滞在しているが、急ぐ事はしない。7層から8層に降りるだけでも魔物は、飛躍的に強くなっていくためだ。罠は、階層を降りる度に減る上、アルハナートがいるためそれほどの脅威とならないが、魔物の強さだけは強くなるので警戒しなくてはならない。

 範囲攻撃魔法を使う魔物や物理や魔法に抵抗する魔物も増えるため相性によっては苦戦する。さらに複数の魔物がセットで現れるとその凶悪さが増すからだ。


『マスター。通路の先に魔物がいます』


 アルハナートの報告にシローは、戦闘準備を始める。すでに手馴れた物となっているが、手を抜いたり油断したりする事はしない。


「さて、獲物はなんだ?」


 シローが、通路の先に集中する。現れたのは、大きな鎧の魔物。


「リビングアーマーか。それにこいつは希少種だな」


 これまでに見たリビングアーマーよりも豪華な鎧を着ており、一回り大きく見える。リビングアーマーは、高い物理防御力と魔法防御力を持つ防御特化型の魔物だ。攻撃は、その手にもったロングソードだ。


「アル。強化魔法を頼む。俺が戦うからシーリーは、待機していてくれ」


「はい。マスター」

『了解しました』


 アルハナートの強化魔法で、身体能力を強化したシローは、手にしていたミスリルのロングソードを手放す。そして、右手に魔力を集中するとそこに手放したロングソードよりも少し大きなロングソードを作り出した。


武具創造ウエポンクリエイト


 シローが、魔力で創造したロングソードは、向こうが透き通って見えるほど透明性を持ち、剣を振る度に光の軌跡が残される。リビングアーマーの剣をその剣で受け止め、反撃に出るとリビングアーマーの剣は、真っ二つに切断され、そのままリビングアーマーの硬い鎧をまるで紙でも切るように切り裂いた。

 本来なら剣を跳ね返すくらいの強度を持ったリビングアーマーの鎧もシローの創造した剣にとっては、ただの鎧にすらならない。


「よし。剣の維持にも問題ないし、ようやく実践レベルで使える自信がついたぞ」


 シローが、武具を魔力で作れる事に気づいたのはつい最近だ。かつて見た夢の中の男が、武器を作る姿を思い出したシローは、自分にもできないかと思い立ってやってみたところ手の中にうっすらと武器のような物が作られた。

 慌ててアルハナートに確認すると古代には、武具を創造する魔法がある事がわかる。その後、シローが試行錯誤を繰り返しようやく実践で使用できるようになった。




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