Ep1-4 クーリングオフをお願いします
能力についてのお話を始めました
特殊能力。
ありきたりではあるけれど、魅力的。きっといろんな発明をして(前世界の知識をパクる)大金を稼いだり、無双したり、ハーレム作ったり。
いや~、夢が広がるな~。
・・・・・お尻がムズムズするけど
ちょっと浮かれぎみな俺をみて、アザリーは若干気まずい感じで話題を変える。
-よし、そろそろ現実を見据えようよ-
-まずはそのお尻のものを何とかしないかい?-
・・・・・俺の能力の話に移ろうよ。・・・・なぜ、そっちに話を持っていく。
-いや~、見てて楽しいといえば楽しいんだけど、さっきから気になって気になって-
-君が新しい扉を開くのを見るのも一興かな?-
かわいらしく小首をかしげるな、コンチクショウッ!!
先ほどまで自分も存在意義、根底に揺らぎを感じていた反動だろうか。ちょっとテンションがおかしくなり始めていた。
理解できるようであり、理解できない現実。考えれば考えるほど、軽い自分の存在。
まあ、何よりあまり考えたくないから現実逃避しているともいえる。
-まあ、ざっくり言うと-
-君の今世の両親はすでに亡くなっているよ-
-後ろの死体は母親で、父親は数百m先でなくなっているね~-
-おそらく魔物に襲われたんだろうけど-
-残っている家族は1匹だけ-
-後ろのそれは、おめでとう-
-君の妹になるよ-
妹の何がおめでたいんだろうか。って、魔物?魔物って言った?
-この世界には魔物がはびこっているから気をつけてね~-
かるぅっ!!
まあいいや。おそらく今、考えてもどうしようもないだろう。
せいぜい俺の能力の肥やしになる存在と思っておこう。
-いい加減、そのしっぽに吸い付いている妹を引きはがしたらどうだい?-
-それとも癖になったのかな?-
はなれないんだよっ!!
不穏なことをのたまうアザリーに言い返す。
たぶん、尻尾を乳首と間違えて吸い付いているのだろう。頑固に吸い付いて離れようとしない。雷が鳴らないと離れないんだろうか?
そもそも、なぜか後ろが確認できないから他に対策の立てようもない。
とりあえず、彼女(?)が満足するまで放置するしかないのも事実だ。
お乳は出ませんよ?だから吸ったりなめたりするのは勘弁してください。
そっちはいいから、いい加減に俺の能力の話をしようよ。
どんな無敵能力?
-・・・・・・・・-
なぜか目をそらしやがった。
あれっ?無敵能力??アザリーさん???
-・・・・・言いづらいんだけど-
-君の能力は・・・・・・不完全なんだ-
はっ?
頭が真っ白になる。目の前も真っ白になる。
-基本的に魂の濃度が上昇した者は、その魂の力により特殊な能力をほぼ間違いなく発現するんだ-
-そして、その能力はその世界において非常に強力過ぎるほどに強力で、持っている者は間違いなく一角の存在として偉業をなす-
-ある者は、偉大なる発明を、ある者は慈愛なる癒しを、ある者は偉大なる政治家として統治を-
-・・・・まあ、その強力すぎる能力が難を呼び、不幸な結末を迎えることは少なくないんだけどね-
-本来であれば、その能力を駆使してさらに魂の位階を高めて欲しいところではあるんだけど-
-なかなか篭の外にまで至る者は現れないんだ-
篭の外?
-ごめん、ごめん-
-そのことに関してはあまり考えなくてもいいよ-
-全く関係がないというわけでもないので、まあ、いずれわかってくるよ-
重要そうな単語ではあるが、今の話の流れから言うと今すぐに自分に関係はないのだろう。
ありきたりだけれど、記憶を失くことなく視界の変更を続け、魂の濃度の上昇の果てに至る場所ってところかな?
-そして今回久しぶりに表れた候補者の君なんだけど-
-その能力の名前は無色透明-
-特定方向に特化した能力じゃなく、万遍なくあらゆる方向に成長を促すための能力-
-何物にも染まらず、何物にもなれる能力-
-成長するために必要なコストは最小限-
-君の理想を現実化できるかもしれない能力さ-
おお
素晴らしいじゃないかっ!!どこが不完全な能力なんだよ、脅かしやがって~。
万遍なくあらゆる方向に成長を促す?なんでもできるってことかな?
いや~、夢が広がるな~。
-・・・・まあ、夢見るのは自由だけどね-
-不完全ってのはそういう意味じゃないよ?-
-確かに意図的に能力を上昇させることができるんだけど、どうやってその能力を把握するんだい?-
えっ?
-不完全ってのはそういう意味さ-
-何かになりたい、未来を自分で形作りたいという願いにより生まれ能力-
-君はその能力を作り、そして急成長する為に魂の力をすべて使い切ってしまった-
-普通であれば、例えば癒しの力がほしい場合、その力の源、操る力の取得を望むんだけど-
-偉大なる為政者として、と願ったならばカリスマ性、コミュニケーション力、知識を得る力、操る力、人を見る目、といった風に付随してたくさんの能力も願っているものなんだ-
-君の場合は世界に何らかの痕跡を残すような何かになりたいと強く願った結果-
-何物にでもなれる可能性の力しか望まなかったんだ-
-純粋に力だけを願った-
-力はあるがそれを引き出す力は持っていない-
-だけど、それ故に得た力は汎用性があり、かつ強力でもある-
???
あれっ??言っていることが理解できない???
-簡単に言うとだね-
-『力』は持っているけれど、その『力』を『力』として認識できない-
-そして、認識していないものを操作することはできないという事さ-
-結果、宝の持ち腐れという状況を作り上げてしまった-
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
え?
-正直に言うと、能力を使えない君よりも妹の方がすばらしい素質を持っているよ-
笑いながらアザリーは続けるが、正直に言うとその半分も言葉を理解できていない。
宝の持ち腐れ?能力が使えない?
大学に合格して、自分の人生を歩き出そうとして
そして自分のミスで死亡して
そんな前の自分と今の自分とどれほどの違いがあるんだろうか?
せっかく得たチャンスを生かし切れていないという意味では・・・・変わらない。
無意識の事であったとしても、それであっても何度間違えれば済むのだろう。
変わらない自分に自己嫌悪をおぼえ、そして絶望する。
-妹さんの能力は魂喰-
-結構レアな能力だね-
-きっと・・・・・・・大丈夫かい?-
大丈夫なわけがない
正直、死にたい気分だ。むしろ、なぜ記憶を残してしまったのだろう。
-まあ、落ち着きなよ-
-こんなことを言っても救いになるかどうかわからないけれども、君に早々に死なれるのもつまらないんだ-
-だからこそ、僕はここにいる-
-君の救済に来たわけさ-
説明がどうしてもややこしくなってしまっています。解り辛いかもしれないので文章を変更する可能性が高いです。
次回も続けて能力の話をしていくことになります。