プロローグ
初めて書く作品なのでダークにはできませんでした
俺の名前は、刈谷拓海。28歳の元営業マン。太っていて汗かきで、見た目が悪いからと言う理由で首になり現在無職だ。
「は~あ……」
ボロアパートの一室でため息を吐いた。
両親は俺を見捨てたらしく仕送りもしてくれない。そのため、もうすぐ家賃が払えず追い出される可能性があるからだ。
「ダメだダメだ! まだ朝早いけど気分転換に外を歩こう!」
俺は暗い気分を吹き飛ばすために、目的もなしに出掛けることを決めた。
「疲れた……」
俺は公園のベンチに座ってヘバっていた。
6月でも朝は大丈夫だと思って出掛けた俺が馬鹿だった。汗がどんどん出てきて息も上がるし、足も痛くなるしもう最悪だ。
「はぁ……ん? あの子は……」
公園入口に小学生の女の子が集まっていた。おそらく集団登校のためだろう。
俺はその中の一人に見覚えがあった。それは『相沢穂乃香』という女の子だ。
その子は俺が会社に行っていた頃の上司の娘で、直接話したことは無いが上司の娘自慢話や、上司が忘れ物をした時に相沢穂乃香ちゃんが会社まで届けたこともあり、顔は覚えていた。
「……っと、いかんいかん」
どうやらジッと見ていたようだ。最近は見ているだけで通報されてしまうから気を付けないとな。
まあ、気づいていなかったみたいだがな。
でも、どうしても気になるためチラチラと見てしまう俺。
何故なら太ってるという理由だけで、首にした恨むべき上司の娘だからだ。