表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
逢魔時の夜  作者: 紅 恋
7/8

神道流の技



考え事をしながら、素振りを始めて30分は経つだろうか、

空に太陽が出てきている。

今はまだ7月の初めあたりだから6時ぐらいだろうか。


体も暖まってきた事だし、型の練習でもするか


神道流剣術とは陰陽師専用の剣術だ。

これはいかに、大量の妖を倒せるかを、研究し追求し研磨して研ぎすまされた1本の日本刀の様な流派

なのだ。そう、剣術自体がもはや人間離れしているのである。


神道流剣術には、大きく分けて二種類ある、それは一刀で扱うか、二刀で扱うかだ。

基本的に俺は二刀を好んで使っていた。


型をおさらいしていた時、道場の扉が音を立てて、開いた。

日の光が差し込んでくる。


扉の所には、ヒナが袴姿で立っていた。


「おはよ〜おにぃちゃん!」


ヒナが元気よく抱きついてくる。


「おはようヒナ、今汗臭いからあまり、抱きつかない方がいいぞ?」


笑顔で忠告してやったが、ヒナは俺の言葉が聞こえない振りをしているのか、より一層

腕に力を込めて抱きついてきた。


「ヒナどうしたんだい?こんな朝早くから」


その質問に答えるかの如く、2本の木刀を掲げ、ニカッと笑う。


どうやらヒナは俺と手合せをしてくれるらしい






広い道場の中で俺とヒナは、向かい合っていた。


ヒナは、2本の木刀の切っ先を下に向け、だらりと前傾姿勢をしている。


対する俺は、木刀を片手で一本持ち、ヒナと同じ前傾姿勢をしている。


お互いに、相手の呼吸を掴む、行動を読み合っているのだ。


数瞬の間、先に動いたのはヒナだった。


懐に一気に攻めてくる、ーーーーー瞬歩だ!


一歩、たった一歩だけで6mも移動し、俺の領域を支配した。

ヒナの斬撃は、体に似合わないほどの重みを持っていた。

受け止めた手が痺れるほどだ


そこからの連撃、まさに達人の域だった。


「神道流剣術 双の舞、一の太刀 刃迅・紅焔」


刀に纏わせた霊気を二本の刀で摩擦し、炎を作り出し衝撃波に乗せ相手に伐つ

それが刃迅・紅焔だ


ヒナが放った炎の衝撃波が俺を襲う。


あいつ、道場を燃やす気か!俺が受け止めてなかったら、どうなっていたか・・・


「腕は、鈍ってないみたいだね」


こいつ、俺が受け止めるとわかって・・・・


「俺も本気で行かせてもらうぞ・・・・ちゃんと受け止めろよ?」


「えっ?ちょ!まって・・・」


俺は、言葉を最後まで聞かずに、一歩踏み込む、そして・・・


「神道流剣術 六の太刀 塵・牙界崩し」


突進しながらの剣技、受け止めたヒナは、踏みとどまれず10m後ろに飛ばされる。


彰は、ヒナが手放した一本の木刀を空中で握る。彰の獲物は二本になった


「神道流剣術 双の舞 千刃の舞」


霊力で作られた刃と共に彰が操る木刀が舞う


数瞬後にはヒナは道場の床にへたりと尻餅をついていた。


「ひ、ひどいよぉぉ」


ヒナは、泣きべそをかきながら折れた木刀を見る


そんな事より・・・


「ヒナ、お前今、すごい格好になっているぞ?」


ヒナの袴は、連撃のせいでずたぼろになっていた。


真っ赤になりながら、口をぱくぱくさせるヒナ。


「何が腕は鈍ってないみたいだねだよ、ヒナお前の方が弱く弱くなったんじゃないのか?」


笑いながら手を差し出す。

ヒナは立ちながら


「お兄ちゃんが強いだけだよ!なんで3年以上もやってないのにそんなに強いのさ」


そういえば、そうだ。

体がまだ昔の事を覚えているのか、頭で考えずとも動いてくれる

記憶が封じられていたからなのか、あの世界に巻き込まれたからなのか理由は定かではないが・・


「ぐうぅぅ」


どこからか、お腹の音が鳴った。俺では無いとすると・・

俺は目を見開きながらヒナを見るとそこには、顔を真っ赤に染めたヒナがいた。


もう朝食が出来始める時間だ・・・


「飯食べに行くか」


俺は笑いながら扉を開ける


「うん!」


今日の飯は何だろうな。

俺はそう思いながら一歩踏み出した



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ