二重の帰還
ちなみにですが彰君は実家を離れて一人暮らしをしています
つか一人暮らししてなかったら、刀を持って帰った時点でヤバいですからね(刀を持っている時点でダメだからというつっこみはなしで)
あの事件から3日経ったある日
土、日曜日という休みの日だったため、久しぶりに彰は、実家に帰ってきていた。
もう半年ぶりだろうか、懐かしく感じる
うちの家はかなり大きい、山一つが家の中なのである、そのため、毎日山を登り、降りするはめになるんだが・・・
まだ涼しさを感じる気温のはずが、俺の額には汗がにじみ出ていた、
こうも歩いていると、足を一歩動かすのも億劫になってくる
やっとの事で頂上についた頃には30分は経っていた
一息ついて、汗を拭っていると、何者かが俺の懐に飛び込んできた。
「おにい〜ちゃん、会いたかったよ〜ヒナは寂しくてもう・・・」
俺はそいつを受け止めたーーーが、支えきれず、尻から石畳にダイブする。
「だ、大丈夫?」
この状況を作った本人が真上から俺の顔を覗き込もながら、言うこの娘は今年で14になる妹の
新藤雛だ
「ヒナ・・・大きくなったな身長も」
「でしょ!私も大人の女性になりかけているのです!」
成長し始めた胸を前に張り出しながら宣言する我が妹。
可愛くなったものだな、この歳の娘だ彼氏とかできたのだろうか
ダメな男だったらお兄ちゃん泣くぞ?
まぁそれは良いとしてだ、今はこの状況をなんとかしなければならない
「なぁ、ヒナよなぜ君は私を押し倒したまま動かないのですか?」
そういわれて今の状況を理解したのか、顔を火が出そうなくらい赤くしながら飛び退く
俺はそれを見ながら服に着いた砂を払い落とす。
今さっきのタックルは正直言って痛かった、背中に背負った刀がもろにヒットしてヤバかったぞ・・
俺とヒナは他愛もない話をしながら家のドアを開ける・・・
「おおおおおぉぉぉぉじい様は寂しかったぞぉぉぉ良く帰ってきたな、あきらぁぁぁぁぁぁ!!!」
家の奥の方から、ドタドタと走ってくる音と叫び声が聞こえる、あの人は本当に70過ぎのおじいさんか?
捕まるとやっかいな事になりそうなので早々に立ち去る
やはり木で作られたこの屋敷は落ち着く
1分ほど廊下を歩いて、一つの部屋の前で立ち止まる。
そこは家族がいるはずの部屋だ
彰は引き戸に手をかけ一気に開ける
「ただいま」
その一言、帰ってくるのは家族の暖かいおかえりという言葉
俺は本当にあの世界から帰ってきたと言う事を実感した