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警戒と提案と事情説明と

護はルカから物品交換所の店主が逢いたいって言っていると聞き……。

 ここはルカメイシェルの家にある一室。

 護は椅子に腰かけ眼前に立っているルカメイシェルをみている。

 かたやルカメイシェルは護から目を逸らし俯いていた。


 あれからルカメイシェルは、モンガと共に自分の家の前までくる。

 その後モンガを外で待たせて、ルカメイシェルは家の中に入り護が待つ部屋に向かった。


 そして現在ルカメイシェルが護に事情を説明している最中だ。


「物品交換所の店主が俺に逢いたいって? まさか俺が異世界の者だって言ったんじゃないよな!」

「ううん……言ってないニャ。なんとか誤魔化そうとしたけど余計……マモルに逢いたいって言い出したのニャァ」

「なんで俺なんかに逢いたいって思ったんだ?」


 不思議に思い護は首を傾げた。


「よく分からないけど……護の倒した魔物をみせたら余計に逢いたくなったって言ってたニャ」

「余計に、か。その店主は本当に信用できるのか?」

「見た目は怖いけど、いい人なのニャ。それに何か訳ありなら口外しないとも言ってたニャ」


 それを聞き護は、どうしようかと悩んだ。


(物品交換所の店主か。これから何が起きるか分からない……協力者は必要だ。まあ、そんなに多くは必要ないが。

 それに物品交換所の店主なら色々と知っているかもしれない。だが信用できるか分からないからなぁ。そうなると逢って確認した方がいいか。

 まあ逢っても向こうの出方次第になるな)


 考えが纏まった護はモンガに逢うことを了承する。

 それを確認するとルカメイシェルは、ホッと胸を撫で下ろした。そして、モンガを呼びに外へと向かう。


「まあ、なんとかなるだろう」


 扉を開け出ていくルカメイシェルを目で追い護は笑みを浮かべていた。


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 それほど待たなくルカメイシェルはモンガを連れて部屋の中に入ってくる。

 それに気づき護は立ち上がりルカメイシェルとモンガの方を向いた。

 護をみたモンガは怪訝な表情を浮かべる。


「ルカ……お前に魔物の死骸を持たせたってえのは、コイツなのか?」

「そうなのニャ」

「どうみても強いようにみえねえ。いや、お前……この世界の者じゃねえな?」


 そう言われ護は冷や汗をかき顔がひきつっていた。

 一方ルカメイシェルは、アタフタしている。


「分かるのか? やっぱり服装のせいか……」

「いや、それもあるが見た目や雰囲気だ」

「雰囲気? なるほど……そうだとしたら余計に堂々と外を歩けない」


 この先、自分一人じゃ何もできないのかと護は肩を落とし俯いた。


「そういう訳か。それでルカを使い魔物の交換をさせたってことだな」

「させたは違うのニャ。ボクが代わりに行くって言ったのニャァ」

「まあ、どっちでもいい。だが、なんで異世界の者だってバレるとマズい?」


 そう問われ護は返答に困り俯いてしまう。


「まあ、ルカの様子から訳ありだとは思っていたが。そんなに言えないことなのか?」

「信用できるヤツになら話しても構わない」

「なるほど、どうやったら信用する?」


 モンガに聞かれ護は悩んだ。


(ここは条件を出した方がいいよな。そうなると……)


 どう応えたらいいのかと護は、ひたすら思考を巡らせた。


「そっちから条件をだせねえってんなら、オレの方から提案していいか?」

「ああ……構わない。だが内容次第だがな」

「もし口外したら、オレを殺してもかまわねえ」


 それを聞いた護は驚くと言いうよりも引いてしまい顔を引きつらせる。


「ハハハ……分かった! そこまで覚悟してるって言うなら話すよ」


 そう言い護は、ここまでの経緯を全て話した。


「ひでえ……まさか、そこまで国が堕ちてたとはな」

「そこまで、ってことは……どういう事だ?」

「今の若い王セイドルデアに代わってから……国の財政が悪化した。まあ、そばに仕えてる大臣と神官が好き勝手にやっているせいもあるけどな」


 真剣な表情でモンガは護を見据える。


「だが……そん中でも大臣のアルセファルマは、まだマシな方だ」

「そうか……じゃあ余計に逃げて来て正解だった、な」

「そういう事だ。そうそう……挨拶が、まだだった」


 そう言いモンガは挨拶という名の自己紹介をした。

 その後、護も自己紹介する。


「それと装備一式と服や靴、魔物の死骸と交換した七万メルだ。魔物の死骸は高く買わせてもらった」

「こんなに……ありがとうございます」

「ああ……いいってことよ。それよりも、これからどうするつもりだ」


 そう問われて護は何も考えていなかったため答えに困った。


「どうするとか、まだ決めていない。只ルカからパーティーに誘われた。次するとすればルカと一緒に冒険者ギルドへ行くこと、か」

「マモル! じゃあボクとパーティー組んでくれるのニャ?」

「ああ……約束だからな。それにルカのお陰で大金と装備一式、手に入った」


 笑みを浮かべ護はルカをみつめる。


「それはいいが素性を、どう誤魔化すつもりだ?」

「そういえば! ってことは……じゃあ冒険者登録できないってことか!?」


 ガーンと頭を殴られたように護は、ショックを思いっきり受けた。

読んで頂きありがとうございます(#^^#)


では次話もよろしくお願いします(^_^)/

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