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信用の証と怒り

なぜ話せないのかとリバルに問い詰められるも護は……。

 なぜ答えられないのかとリバルに問われるも護は何も言えず俯いてしまった。


「まさか本当は嘘で魔道具を使っているってんじゃねえだろうな!!」

「……それは……え、えっと……」

「マモル! 本当のことを言った方がいいと思うのニャ」


 そう言われるも護は自分の素性をこれ以上知られたらマズイかもしれないと思い躊躇っている。


「リバルなら口が硬えから信用できるぞ」

「モンガ……でもなぁ」

「知られちゃマズイのか?」


 そうリバルに問われるも護は答えられず、ハァーっと息を漏らした。


(ああ……腹がイテェ~……。気持ち悪い……吐きそうだ。話せば楽になる……だけど、これ以上はなぁ)


 気持ち悪くなり護は口を塞ぎ腹を抱えて蹲る。


「そんなに言いたくねえのか? だが知りてえし……」


 どうにかして護から聞きだしたいリバルは思考を巡らせた。と急に何かを思い付いたらしく、ニタアッと笑みを浮かべる。


「じゃあ、オレが……お前の素性を知っても誰にも言わなきゃいいんだよな?」

「……それを……信用しろっていうのか?」

「それだけじゃ信用できねえってツラだな。そんなら、オレの下で働くってのは? 勿論、金は払うぜ」


 それを聞き護は意味が分からず困惑した。


「それで、どう信用するって?……理解できない」

「お前が強いのは確かだ。だから、それ相応の値を与えるのは普通だろ。それにオレは、お前のことが知りてえ」

「なるほど……悪い話じゃない。だけど誰の下でも働くのは嫌だ」


 リバルの手下になれば自由がきかなくなると思い護はそう言ったのである。


「じゃあ、お前の望む要求を言え!」

「それを言ったら叶えてくれるのか?」


 そう問われリバルは、コクッと頷いた。

 それをみた護は、どうしたらいいのかと悩んだ。


(信用していいのか? 俺の要求をのむって言っているし。タダ何にするかだ)


 そう思考を巡らせながら護は周囲を見回してみる。


(みても無意味か……そうだなぁ。そうか…………それで行こう!)


 考えが纏まり護は口を開いた。


「それなら身の安全を保障……それと何かあった時に手を貸してほしい」

「そんなことでいいのか?」

「ああ……十分だ」


 それを聞いたリバルは「分かった」と言い、コクッと頷き護を見据える。


「フー……じゃあ話さないとな」


 そう言ったあと護は重い口を開き経緯を話した。


「……!? それって本当なのか?」

「ああ……俺は転移者で城から逃げてきた」

「それでか……もっと詳しく話を聞きてえ。だけど、ここじゃねえ方が良さそうだ」


 なんでリバルがそう言ったのか護は不思議に思い首を傾げる。


「ここでも大丈夫じゃないのか?」

「誰が通るか分からねえだろ」

「あーそういう事か!」


 納得した護は頷きリバルを見据えた。


「じゃあ、オレの事務所に行くぞ」


 そう言いリバルは、ライクスチアの町へと向かい歩き始める。

 そのあとを護とルカメイシェルとモンガが追いかけた。


 ✦✧✦✧✦


 場所をスラムにある酒場の二階で、リバルの事務所だ。先程とは違いリバルは護をソファに座らせる。勿論ルカメイシャルとモンガもだ。

 座っている位置は護一人で、ルカメイシェルとモンガの真向かいにリバルの四人が長方形のテーブルをコの字に座っている。


「さっきの続きだが……マモル、お前は殺し合いをしたくねえから逃げてきたんだったな?」

「ああ……死ぬのは嫌だ。それだけじゃない……なんの罪もないヤツと戦うなんてできる訳がないだろ!」

「死の闘技……デスマッチ。そんな、とんでもないことを城のお偉いさんがやってるとはな」


 そう言いリバルは真剣な表情で護を見据えた。


「まあ……あの城のお偉いさん達なら、このぐらいやるだろ」

「モンガ……そうだとしてもだ。討伐のためだとしても……異世界の者を召喚し尚且つ、デスマッチまでするって異常だよな?」

「俺もそう思う……ここまでやる理由ってあるのかって」


 その時のことを思い出した護は心底から沸々と忘れていた怒りが込み上げてくる。


「相当、怒っているな」

「当然だ! なんで……」

「だが、なんでデスマッチなんてやらせる必要がある? 召喚した者を全て討伐に向かわせればいいんじゃ」


 なんでワザワザ召喚した異世界の者同士を戦わせて命を奪う必要があるのかとリバルは不思議に思った。


「能力には、アタリとハズレがあるらしい。だから強い者を残すために戦わせるって」

「待て……何人、召喚されたんだ?」

「人数までは分からない。相当な数は居た気がする。でも、そのお陰で俺はバレずに逃げてくることができたんだ」


 それを聞きリバルの表情は一変し鬼の形相になる。


「今まで我慢してた! だが今回ばかりは許せねえ!!」


 今にも殴り込みに行きそうな程にリバルは怒っていた。


「リバル! 殴り込む気じゃねえよな?」


 そうモンガに言われてリバルは首を横に振る。


「安心しろ……そんな馬鹿な真似はしねえ。タダ、このままにする気なんてねえぜ」


 そう言い放ち護へ視線を向けた。


(なんで俺をみてる? 嫌な予感しかない……)

読んで頂きありがとうございます(^^ゞ


では次話もよろしくお願いします(#^^#)

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