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冒険者登録とマズイ状況

冒険者ギルドの建物内に入った護は不満に思い……。

 ここは冒険者ギルドの建物内だ。

 建物の中には酔いつぶれて、テーブルに顔を埋め寝ている男女が数名ほど至る所にいる。中には床に寝ている者まで居る有様だ。

 そのためか建物内は酒の匂いが充満していた。

 酒を飲まない者も勿論いる。

 そん者たちの間を通って護は、ルカメイシェルとモンガのあとを追いかけ受付カウンターに向かっていた。


(酒臭い……なんとなくは予想してたけど)


 予想はしていたようだ。幾つかの仮定も想定していて、その中の一つである。

 だけど思っていた中の違う方が本当はよかったのだ。

 そう酒を飲んでいても酔いつぶれている者がいない綺麗なイメージのギルドとか。


(ここは、スラムに近いから仕方ないか。それに他のギルドは、もっと真面かもしれないし)


 そう思い護は周囲の者にみられながら、ルカメイシェルとモンガの待つ受付カウンターまできた。

 受付カウンターには男性一人に女性二人の計三人が立っている。その奥にも数名の男女が居て何か雑務をしているようだ。

 因みにルカメイシェルとモンガは黄色い髪でツイン三つ編みの女性の前に立っていた。

 心なしか護の表情は緩み喜んでいるようにみえる。


「どうした? 足取りが、ゆっくりだったぞ」

「中をよくみてただけだ。こんな感じなんだなって」

「もしかして冒険者ギルドは初めてですか?」


 そう問われ護は聞きたい言葉が聞けて喜び笑みを浮かべる。


「は、はい! 初めまして」と言い頭を下げたはいいが緊張のあまりカウンターに、ゴンッと額をぶつけた。


「ツウ……イテェー……」


 その様子をみて受付嬢は笑い、ルカメイシェルとモンガも大ウケする。いやギルド内の冒険者や他のギルドの者たちは大爆笑していた。

 いきなり、やらかしてしまった護は恥ずかしさのあまり顔を真っ赤に染める。


「クスクス……面白い人ですのね」

「すみません……」

「こちらこそ笑ってしまい申し訳ありません」


 そう謝罪し受付嬢は頭を下げた。

 理想的な受付嬢に護は見惚れている。

 その様子をみてルカメイシェルは、ムスッとし頬を膨らませていた。

 この様子をみる限り、ルカメイシェルは護のことが好きなようである。

 さて護は、どうなのだろうか? この様子をみる限りだとルカメイシェルから受付嬢へと心変わりしていそうにもみえるのだが。


(受付嬢のお姉さん……可愛い。理想的だよなぁ。よかった……異世界に召喚されて。

 受付嬢のお姉さんにも逢えたし……ルカと出逢えた。ルカは俺好みの、モフモフなボクっ子だしな)


 という事は護は、ルカメイシェルのことを好きみたいである。

 なるほど……両想いのようだ。


「そういえばモンガさん、お久しぶりですわね。何年振りかしら」

「相変わらず年相応の格好をしてねえんだな。そういやぁ幾つになった?」

「クスッ、さあ……知りませんわ。(・・)()()数えたこと、()()()()()から」


 そう言い受付嬢は、ピクピクと顔をひきつらせている。


 そうそう、この受付嬢はシェスルナ・ロフナノス。歳は言わないでおこう。見た目だけなら二十代前半だ。

 まあ若作りのオバさんってところである。


(歳……なるほど(汗)……)


 少しは気があったようで護は、ガッカリしたようだ。


「あーえっとねえ……マモルが冒険者登録したいから来たのニャ」

「あら、そうなのですね。では、この書類に記載してください」


 そう言いカウンターの下にある台から登録用紙を一枚とる。その用紙をカウンターの上に置いた。

 カウンターの上にあるペンを持ち護は置かれている用紙に書き込んでいく。


(そんなに細かく記載しないんだな。よかった……ここへくる前に決めてたから書ける)


 全て書き終えるとペンを置き護は、シェスルナに登録用紙を渡した。

 登録用紙を受け取ると、シェスルナは記入漏れがないか確認する。


「……そうですねえ。まあ……問題ないでしょう。能力値を測定させて頂きます。そのあとに、カードを発行させて頂きますわね」


 それを聞き護は、いよいよかと緊張し心拍数が上がってきた。


(バレないよな?)


 測定をする魔道具を取りにカウンターの奥に向かったシェスルナを目で追いかけ護は不安に思い吐きそうである。


(ウッ……マズイ、こんな所で吐いたら変な目でみられる。なんで、こんな時……不安障害の発作が起きるんだよ!)


 口を手で塞いだあと護は腹を押さえた。

 様子がおかしいことに気づいたルカメイシェルは心配に思い護の顔を覗きみる。


「マモル……調子が悪いのニャ?」

「いや……あー、そうだな。ハアハア……緊張しすぎて……ヤバイ……」

「まさか……考えすぎてか?」


 そう問われ護は口を塞いだまま軽く頷いた。


「意外に小心者だな。気にすんなって言っても無理だろうが。嘘でも、もっと堂々としてねえと女に嫌われるぞ」


 そう言われ護はルカメイシェルへ視線を向けた。すると向けた視線の先のルカメイシェルの表情は哀れむ目で護をみている。

 それをみた護の脳裏に、とあるアニメソングが流れ涙目になっていた。


(立ち直れるのか……俺?)

読んで頂きありがとうございます(*'▽'*)


では次話もよろしくお願いします( ̄^ ̄)ゞ

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