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プロローグ◆旅立ちの時

典野護は集団転移に巻き込まれ異世界に降り立ち城の中庭にいたが……。

(フゥー……行ったか)


 そう言い黒髪でミディアムヘアの男性は建物との間に隠れ、ガラの悪そうな三人の男が行ったのを確認すると安堵し地面に座り込んだ。


 この男性は典野(てんの)(まもる)と言い十八歳である。


(この世界に来て半年か……まだ帰る方法が分からない。いい加減に、どうにかしてみつけないと)


 立ち上がったあと目の前に手を翳し《移動スキル 光速!!》と言い放った。すると一瞬で体が光と化し凄い速さで移動する。


 ――そして時は遡り半年前――


 ここは、とある町の人通りの多い商店街。

 夕方らしく陽が沈みかけ空は赤というよりも橙に近い色に染まっている。

 周辺には人が沢山いて買い物や道端で話をしている者たちで賑わっていた。


 この道を浮かない顔で歩いている男性がいる。そう典野護だ。

 高校の帰りなのだろうか、グレーの学生服を着ている。


「九月も終わって、もう十月かぁ。誕生日が過ぎて十八歳になったし……何か新しいこと始めたい。でも何をしたらいいんだ?」


 そう言い空を見上げた。


(バイトの給料が出たし新作のゲームでも買うかぁ。只、何を買ったらいいんだ? 家に帰ったらネットで検索しよう)


 そう思いながら歩いていると護の眼前が眩しく発光する。その光は広範囲にもおよんだ。


(これっていったい!?)


 その直後、大きな魔法陣が展開された。その光に包まれると同時に護の姿は残像と共に消える。いや護だけじゃなく多くの者の姿も消えたようだ。

 そして周囲は普段通り何もなかったかのように動き出していた。


 ・

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 ……――護は周囲の騒めきで目覚めた。


(うるさい……ここは何処だ?)


 そう思い上体を起こし、グルリと周囲をみる。そして見慣れない景色に困惑した。

 周囲には数十名の男女がいる。年齢は統一制がないようだ。


(もしかして、ここって異世界なのか?)


 騒めきの中で、この世界の者なのか透き通った綺麗な女性の声が聞こえてくる。


「私は、この国ティアネルの神官ワイゼ・ヒベルセ」


 名乗ったあと召喚した理由や色々なことを説明し始めた。

 その内容とは……。


 この場所はドレナアル城の中庭。

 召喚した理由は、この世界ネルカスシアの何処かに居るとされる魔竜王の討伐だ。

 多くの異世界の者を召喚した理由は各々の能力によりアタリとハズレがあるためである。


(……能力のアタリとハズレって、それってガチャだよな?(汗)……)


 思いっきりツッコミを入れたかったが堪えた。


(能力の使い方かぁ。だけど、なんでメニュー画面の出し方が分かるんだ?

 俺たちより前にも召喚された者が居たのか? それなら納得だけど)


 説明を聞きながら、メニュー画面を開いてみる。

 翳した手の先で透明のプレートが宙に浮き上がり表示された。


(ゲームなんかの空想世界のようだ)


 そう思いながら説明されている内容を聞くより先にプレートを手際よく操作する。


(俺の能力は、と……【アウトルック】に【光速】って!?)


 能力が二つあったため驚き何度も見直した。

 そう神官の説明では能力は一人一つのはずなのだ。

 因みに護のステータスはと云うと……。


【◉HP:5000/5000 ◉MP:50/50 ◉SP:500/500 ◉TP:0/MAX ◉攻撃力:5500 ◉防御力:55000 ◉メインスキル:【アウトルック】 ◉移動スキル:【光速】 ◉職業:シーアー(先見者) ◉ペット:無 ◉所属ギルド:無――……】


 こんな感じである。


(……それに、なんで数字の五が多い? そもそも、ゲームじゃないんだからペットや所属ギルドの表示なんか必要ないよな?

 それだけじゃない。神官の説明じゃ初期値は攻撃力が約500。防御力が約5000だ。それなのに俺は攻撃力5500で防御力55000……これって普通じゃない。

 それと職業の【シーアー(先見者)】ってなんだ? 俺の場合はメインスキルが【アウトルック】だから……そっち系の職業なのか? 多分(汗)……)


 職業のシーアーの意味を考えてみた。

 シーアー……先見者の意味は未来を予知する特別な能力を持つ人を指し占い師、預言者、神秘的な能力を持つ者などを表すのだ。未来を見通す力を求める場面で使われる。

 メインスキル【アウトルック】の意味は見晴らし、眺望、物事の見通し、展望。要は見解、見方、見通し、眺めってことだ。


(攻撃できる能力はない。只ありがたいことに攻撃力と防御力がある。これなら、なんとかなる)


 操作しながら思考を巡らせていると気になる言葉が耳に入ってくる。


(……強者のみが城に残れて敗者は駆除対象!?)


 それを聞き怒りが込み上げてきた。


(負けたら元の世界に帰れるどころか……死しかねえじゃねえかよ!!

 こんな所に居たくない。逃げ出す方法ってないのか?)


 何かないか? 何かないのかと考える。


(そういえばスキルの【光速】があった……使ってみるか)


 光明がみえ笑みを浮かべた。

 手を翳し《移動スキル 光速!!》と小声で言い放つ。すると体が一瞬の内に光となり姿が消える。そして光の速さで何処かに向かい移動していった。

読んで頂きありがとうございますo(^_-)O


では次話もよろしくお願いしますヽ(^o^)


今日は3話連続で更新予定です!

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