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屋敷にて会議2

「毒舌な、執事だな」

背後でボソリと呟くグラリン様が、去っていくカッフィーを呆れた顔で見ていた。

「全くよ、棘ありすぎて困るくらいよ」

でも、カッフィーは誰よりもお父様の事を心配し、お父様の為だけに動く。だからこそ、私の行動に不満を持ったのだ。

言うように、私がパーティーに参加しなければこんな事にはならなかった。

今更後悔しても仕方がないけれど、だからこそ苛立たしいのだろう。

「失礼致します」

今更考えても仕方がない。ともかく中へ入った。

「遅かったな。何をしていたんだ?座れよ」

公爵子息が立ち上がり私を見たが、一斉に皆様が私を見た。

あなたが指図しないでよ。

中に入ると、騎士団の方は数人しかいなかったし、それに召使いもいない。

それだけ重要な話をしているのだ。

執務室は、お父様の仕事用の机と6人掛の机と椅子がある。入って右側奥にお父様、その横にガルマン侯爵様。

左奥にアトラス様、隣に公爵子息。

公爵子息は、自分の横に来い、と指をさした。

「申し訳ありません。姫様と偶然お会いしまして話をしておりました。スティール様、さあ、どうぞ」

グラリン様が簡単な説明をしながら、私の座る椅子をひいてくれたのだが、アトラス様と公爵子息の顔が曇った。

あの教育係が側にいれば気がかりになるだろう。特にアトラス様は妹だ。

だが何も言わなかったから、ほっとした。

関わりたくない。

机には色々な、書類と北部の地図が広がっていた。

「スティール、まだお茶飲めるか?さっき結構飲んだだろ?」

何故か直ぐに公爵子息が立って、側に来た上に、お茶を入れたそうな素振りを見せたから頷いた。

「飲みます。色々あって喉が渇いてますから」

「菓子は?」

「いりません」

「そう言えば夕食があるから、と言っていたものな」

「分かっているのなら、聞かないで下さいよ」

「なんだ、仲良いのかお前らは?」

ガルマン侯爵様が驚いて声上げた。

「仰る通りです」

「全く違います。余計な事言わないでくださいよ!」

キッと、公爵子息睨むとガルマン侯爵様は怪訝そうにしたが、お父様はとてもほっとしていた。

公爵子息は楽しそうにわざわざお茶をいれてくれたが、その様子を見てお父様がとても不安そうな顔になったが、直ぐに振り払うように軽く首を振ると、穏やかな表情に戻した。

本当に迷惑な人だ。

また睨んでやりたかったが、ここで目を合わせると心配されそうだったからやめておいた。

「スティール、これが今検討中の案だ。目を通して気になる事を言ってくれるか?」

「はいお父様」

正式な様式ではなく、お父様とガルマン侯爵様が思案した事が箇条書きに書かれていた。

やはりお父様も土壌の事を気にかけたようで、私が言ったように、農具と菜の花の種、腐葉土を準備するようにしている。

土壌を肥やすらなら、次は水が必要でありそれについて書いてあった。

北部の地図が机に広げてあり、赤と青の線が山の方から何本も引かれて、丸印と三角印がついている。

山の湧き水を上手く利用し川にする案が書いてある。

それが、青い線。

そして赤の線が、土壌を変える場所。

丸印が畑となる場所、三角印が腐葉土や肥料や種置き場。

地形などを考えて、お2人で決めたのだろう。

次に、物資事業で作ったコンテナに土を入れ、そこにほうれん草や小松菜、レタス、葉物などを植え持っていく。

簡易的な巨大プランターだ!

2日くらいなら、水をマメにかけてあげれば運べるし、これならコンテナも無駄にならない。その上、その土を北部に残し、北部の土と比較しどうすればいいのか研究するようだ。

コンテナをプランターに、か。こんな発想思いつかなかった。

あれ?

農産物と種の供給が次回からはキルギス子爵の領地より、となっている。

「あの、この物資の供給がキルギス子爵の領地となっていますが、どういう事でしょうか?」

「その通りだ。聞けば今運んでいる農産物の種類全て、領地で作っているとの事だ。それならばいっそ、全てをキルギス子爵殿に任せれば、物資の運搬指導、その物資の扱い、全てにおいて問題ないだろう」

自信満々に言うガルマン侯爵様に、お父様は静かに微笑むだけだった。

ふむ。成程ね。


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