会議後のまたその後2
少し離れた場所から、性格がありありと現れた、細顔の目のきつそうなおばさんが歩いてきた。
ごぼうのように細い身体なのに、凄い圧のある雰囲気をバンバン出していて凄い怖い。
「姫様の教育係の、イザベリ様です」
グラリン様が耳打ちしてきた。
なんだがピッタリの役職名だ。
「これはグラリン殿。お見苦しい所をお見せしました」
目の前でぴた、と止まると優雅に会釈をし顔を上げた。
確かに教育係をするだけあって、とても素敵だが、なんだろうか?
刺々しさを感じた。
「姫様!此方へ!」
鋭い声に、カリーナ姫は下を向いたまま背中を丸めびくりとしたが、動きが止まった。
行きたくないんだ。
その背中からとても辛い感情がわかった。
「姫様、ご自分が何をしているのかお分かりですか?返事もしないければ目も合わせもしない。只でさえ覚えの悪い姫様に手を焼いていますのに、どれだけ私が姫様の教育に大変かお分かりでしょうが!早く出てらっしゃい!!」
「・・・ご、ごめん・・・なさい・・・」
泣く、という悲しい感情を通り越し、押し付けられる恐怖感に否応にも従わされる動きを見せたカリーナ姫にゾッとした。
これ、はいつもの事なんだ。
そして、カリーナ姫の蚯蚓脹れを作ったのは、この人だ、と確信した。
体罰。
人間を服従させる最も合理的で、
最も最低のやり方だ。
「はぁぁ。やっと来ましたか。まだまだ授業は終わっておりませんよ。逃げ出すなどはしたない、と言うよりも私は悲しくなります」
「ご・・・めんな・・・さい・・・」
震える声にこっちがいたたまれない気持ちになった。
「それしか言えませんか?さあ、さっさと帰りますよ。何処までみっともない姿を王宮で見せるのですか?」
「ご、ごめんなさい」
「申し訳ありません、でございましょう!?幾度も教えましたよね!?いつになったら覚えるのですか?返事だけして覚える気がないのですか!?」
「ご、ごめんなさい」
「また、その言葉ですか?そう謝るのなら、何故覚えが悪いかご自分で考え、努力致しませ。只でさえ覚えが悪いのですから、人の何倍も勉学に励まなければなりませんのに、姫様の頭には逃げる、サボるしかありません」
「・・・ごめんなさい・・・」
「聞き飽きました!さあ、早く部屋に戻りますよ。見てみなさい。皆様がどれどけ愚鈍な姫様に落胆されているかお分かりですか!?」
カリーナ姫に近寄ると両肩を掴むと、人が集まっている方に身体を無理に向けさせた。
何か、イライラしてしてきた。
この人、全然カリーナ姫の気持ちを汲んでいない。
勝手に自分の感情を押し付けて、
自分の思い通りにしたくて、
その通りに動いてくれないカリーナ姫を叱責、と言う怒鳴り声で押し付けてる。
確かに、姫様に産まれた時点で、令嬢の頂点だ。
だが、これは酷い。
萎縮させ、人間の意志を拒否してしまう。
でも、この教育係の人は正しいと思っている。
絶対間違ってる!
体が無意識に前に出たが、もうどうにかなれ!!




