6 スキルはどうやって手に入れる?
色々と反応があって嬉しいです。
親密度を上げたら、お姉ちゃんのステータスを閲覧できるようになっていた。
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・アルル 14歳 女 LV・11
・職業 狩人
・生命力 123/138
・魔 力 52/52
・ 力 111
・耐 久 123
・知 力 38
・体 力 162
・速 度 88
・器 用 43
・ 運 76
・ギフト 戦乙女
・スキル
強 打
回転蹴り
防御強化
気力集中
気配隠蔽
再生力弱
毒耐性弱
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強っっっ!?
知力以外の数値が、大幅に私を上回っているじゃない!
うわぁ……レベルが上がると、こんなに強くなるんだぁ。
私数人分の能力とか、確かにこれなら村でお姉ちゃんに勝てる人がいない訳だわ。
でも、生命力が減ってる……。
狩りで怪我をしたの?
あ、でも今、ちょっと回復した。
「再生力弱」の効果かな?
へ~……、スキルって便利そうだね。
でも私なんか、1つもスキルを持っていないんだけど……。
こういうのって、どうやって習得するんだろ?
そんな訳で、狩りから帰ってきたお姉ちゃんに、スキルについて聞いてみた。
「スキル?
あたし、そんなの持っていたのか?」
Oh……。
なんとなくで、使っていたってことなの!?
これじゃ参考にならないな……。
よくあるパターンだと、レベルアップ時に就いている職業や、所有しているギフトによって決まったスキルが得られる……というものだけど、お姉ちゃんは「狩人」なのに、弓矢や罠系のスキルは一切持っていないし、むしろ「回転蹴り」のような狩りに関係なさそうなスキルを持っている。
となると、得られるスキルはギフトによって決まっているのか、それとも熟練度──つまり繰り返しした行動が影響を与えているとか……かな…?
いや、熟練度によってスキルが得られるのならば、私にも農業系のスキルがあってもいいはずだし、やっぱりレベルアップ時にギフトから派生するのだろうか?
まあ、まだギフト+熟練度だという可能性もあるけれど……。
ギフトの中に得られるスキルの選択肢がいくつもあって、それが熟練度で決まってレベルアップ時に得られる……って感じ。
しかし私のレベルは今6だけど、スキルが無いってことは……『百合』ではスキルは得られない?
じゃあいざという時は、ステータスの高さでごり押しするしかないのかな?
でもできれば戦いなんかしたくないし、お姉ちゃんに守ってもらえるのが1番いいのかもなぁ……。
って、いつの間にか随分お姉ちゃんに、依存するようになっちゃって……。
これが『百合』の効果なのか、私が生粋の他人に寄生するタイプのクズなのか、どちらにしても悩ましいよ……。
ともかくスキルは得られなかったけれど、親密度を上げるとできることの幅は広がるみたいだから、100%になったら何が起こるのか楽しみだ。
で、お姉ちゃんとの親密度が、ついに97%になったある日の夜。
この時、両親は村の寄り合いに出掛けていて、いなかった。
たぶんお酒を飲んでくるので、帰宅も深夜だろう。
つまりお姉ちゃんと私の二人きりで、留守番をしているということだ。
まあ、留守番とは言っても、薄暗い中でやれることはあまり無いので、さっさと寝るんだけどね。
ところが今日に限ってお姉ちゃんは、
「マルル……一緒に寝ない?」
と誘ってきた。
「うん、いーよ」
私は深く考えずに了承する。
これで親密度が100%になるかな?
それぐらいにしか思っていなかった。
だけど両親がいないことの意味を、私は考えるべきだったのかもしれない。
お姉ちゃんは、この時を狙っていたのだ。
布団の中でお姉ちゃんは、ちょっと暑くなるくらい私に密着してきた。
お風呂の無い我が家では、あまり清潔な身体の状態を保てていないはずだけど、不思議とお姉ちゃんからはいい匂いがした。
そして──、
「マルル……あたしね。
昔はあなたのことがちょっと邪魔だと思ってた。
生意気で、怠け者で、弱くって……。
あたしにも……この家にとっても、あんまり役に立たないな……って」
と、告白する
「う、うん……。
そ、そうなんだ……」
酷い言われようだな。
だけど私は、そう答えるだけで精一杯だった。
私を守ってくれるお姉ちゃんに嫌われたら、生きていけない……。
そんな恐怖感が湧いてくる。
だけどお姉ちゃんは言った。
「でも、今はマルルのことが好き。
愛おしくて、たまらないんだ。
これは……家族としてでは、ないからね……?」
こ、これは……愛の告白!?
私は舞い上がってしまい、それがどういう事態を招くのかも考えずに返事をしてしまった。
「お姉ちゃん……!
私も、アルルお姉ちゃんのことが大好きだよ!」
そんな私の言葉に、お姉ちゃんは──、
「そうか……。
それならよかった……!」
私に覆い被さってきた。
……あれ?
「あたし……もうマルルへの気持ちが抑えられないんだ。
マルルも私のことが好きだって言うし……。
だからもう、我慢しなくてもいいよね?」
お姉ちゃんの顔が近づいてくる。
え、いきなりそんな!?
私達姉妹なのに、そんなあっさりと禁断の世界へ──!?
「え、え、お姉ちゃ──んっ!」
戸惑う私の口は、お姉ちゃんの口で塞がれてしまった。