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16 仲間との合流

 ブックマーク・☆での評価・誤字報告・いいね・感想をありがとうございます。

 気がつくと、私達の前に仲間達とカップァ様の姿があった。


「近くにヒューマンの気配があったので、そこまで転移しましたー」


 どうやらカプリちゃんが、転移魔法で移動してくれたらしい。

 でも、「近く」とは言っても、私の「念話」スキルが届かなかったような距離だ。

 少なくとも数km──最大で10数kmは離れていただろうに……。

 それでも気配を感知できるカプリちゃん、凄いな……。


 ああ、それで私のことを見つけて、(さら)いにきたのか。


「グゥー(マルルー)っ!!」


「わっ!?」


 クルルが私にのしかかってきた。

 私はギリギリで受け止めることができたけど──、


「マルル!

 心配したぞっ!」


「マルルちゃん!」


 他の2人も半泣きになりながら抱きついてくる。

 ついでにカプリちゃんも。

 これはさすがに支え切れな──、


「ぐえっ!!」


 私は地面に倒れ込み、クルル達の下敷きになった。

 重い、重い、重い──っ!!

 でも、女の子相手に体重の話をしないくらいのデリカシーは……やっぱり無理。


「ちょっ、潰れるーっ!!」


「あ……ごめん」


「でも、よくぞ無事で……」


「ええ、カプリちゃんが女の子で助かりました」


「あ、まさか……!!」

 

 カトラさん達は私のその一言で、目の前にいる全裸の少女が何者なのかを悟ったようだ。

 

 そして──、


「グォー(よくもマルルを連れていったな)!!」


「なんですかー、この生意気なベアーはー?」


 クルルが熊パンチでカプリちゃんを攻撃し、カプリちゃんはそれを指1本であしらっている。

 私は慌てて両者の喧嘩を止めた。


「こらっ、喧嘩しなーいっ!!」

 

「はーいでーす……」


「グゥ……」


 上位竜でも、言えば従ってくれるのは助かる。

 だけどカプリちゃんの所為で、攫われた私は死んでいたかもしれないので、クルル達にとって彼女の存在は、あまりいい印象にはならないようだ。

 今後、ちゃんと仲良くしてくれるかなぁ……。


 あとカプリちゃん、とりあえず服を着ようか?

 いつまでも全裸ではあれなので、彼女にはカトラさん用に持ってきた予備の服を渡した。

 ……カトラさんのですら胸のサイズは合わないようだが、ギリ隠せているから良しとしよう。


 一方──、


「お嬢様、よくぞご無事でぇぇーっ!!」


「う、うむ……心配をかけたの……」


 カップァ様は、ラムラス様にすがりついて泣いていた。

 忠義の人だなぁ……。

 でもあなた、伯爵令嬢だよね?

 その上位に存在するラムラス様は、マジで何者なの?


 で、みんなが落ち着いた頃を見計らい、私はカプリちゃんに自己紹介をさせた。


「……我は大いなる竜神の末裔、カプリファスだ。

 マルル以外はどうでもいい」


 うん、やりなおしだな。


「みんなと仲良くできないのなら、帰ってくれてもいいんだよ?」


「はーい、我カプリちゃん!

 みなさん、よろしくでーす!!」


 私の言葉を受けて、カプリちゃんは態度を豹変させた。

 彼女が私の仲間に対して冷淡な態度を取るのなら、私だって彼女に対して冷淡になるからね?


「えっと……その御方が上位竜というのは、(まこと)なのか?」


 カップァ様は半信半疑だ。

 実際に正体を見ているラムラス様や、私のギフトの力を把握しているパーティーメンバーはともかく、彼女にしてみれば上位竜を仲間にしたという事実を信じることは、かなり難しいことなのだろうな。


「なんじゃ、私の言葉も疑うのか?」


「いえ、でもしかし……」


 ラムラス様に言われても、なかなか納得できずに葛藤しているカップァ様。

 とはいえ彼女を納得させる為だけに、カプリちゃんを元の姿に戻しても面倒臭いことになりそうなので、ここは無視することにした。

 まあ、そのうち理解できるだろう。


 なにせこれから、カプリちゃんの能力で下位竜を捜してもらい、倒しに行くのだから。

 普通の人間は簡単に竜を見つけて、その場所へ転移なんかしたりしないしね。


「カプリちゃん、見つけたー?」


「はーい、見つけましたでーす」


「それではみなさん、戦闘準備をしてください。

 これから転移魔法で、下位竜のところへ運んでもらいます」


「お……おう」


「いいですよ」


「では、カプリちゃん」


「イエース!」


 次の瞬間、私の視界は切り替わり、そして目の前には下位竜の姿があった。

 ……なるほど、確かにカプリちゃんから比べると、大きな蜥蜴(トカゲ)だ。

 彼女ほどの迫力は感じない。


 それでも竜は竜だ。

 カプリちゃんで嫌と言うほど竜の恐ろしさを味わった私とラムラス様は、最初から全力で当たることにした。


「ラムラス様!」


「ああっ!」


 ラムラス様の剣から電流が(ほとばし)り、下位竜を飲み込む。

 そして間髪入れず、私が「極寒(ごっかん)」を使用。

 カプリちゃんはこれを余裕で耐えたけど、さすがに下位竜ならば、多少はダメージを受けて──、


「……あれ?

 動かない……?」


「あー、もう死んでますねー」


「え、今ので倒したの!?」


「マルルも、そっちのちっこいのも、そこそこ強かったから、当然の結果でーす」


 えぇ……私達って、下位竜を瞬殺できるほど強くなっていたんだ……。

 これで当初の目的は達成したけど、なんだか拍子抜けだ。


「ねえ、カプリちゃん。

 他に下位竜はいないの?

 今活躍できなかった人達にも、活躍の場を作りたい」


「はーい、今見つけますでーす」


「ラムラス様も、1匹だけならば偶然を疑われるかもしれませんが、2匹も倒せば武勇としては確実でしょう?」


「うむ、そうじゃな」


 実際、下位竜の素材をただ持ち帰るだけならば、何処かで死体を見つけてそれから剥ぎ取ったとか思われるかもしれないけれど、そんな幸運は滅多に起こらないだろうから、下位竜の素材を2匹分も持ち帰れば、我々が倒したことを疑う者はいないと思う。


 そんな訳で、ほどなくしてこの依頼は、無事達成ということになった。

 パソコンの調子が悪いので、もしもし故障したら、しばらく更新出来なくなるかも……。

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