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10 令嬢の実力

 ムー●ン!……じゃなく、トロールが現れた。

 私は可愛いものを期待したが、トロールが近づいてくると、その期待は裏切られる。


 まず、そのサイズが可愛くない。

 たぶんオークキングよりも大きいだろう。

 4mくらいはあるのではなかろうか。


 そしてその姿は毛むくじゃらで、全体的に人間と言うよりはゴリラに近いような気がする。

 手が長くて足が短い──そんな感じだ。

 

 それから、特徴的なのが顔だ

 人間にもゴリラにも似ていない。

 どちらかというとヘラジカのように、丸く鼻と口が突き出ている。

 あ、ここはある意味ムー●ンに似ているかも。


 でも可愛くない……可愛くないなぁ。


「マルルちゃん、いきますよ!」


「あ、はい!」


 魔法が使える私とカトラさんが、我々へ接近するトロールに向けて先制攻撃を加える。

 しかし──、


「倒せないっ!?」


 私とカトラさんの「風刃(ふうじん)」が命中したけど、皮膚を切り裂いただけで、致命傷を与えることはできなかった。

 人間なら、真っ二つになる威力なのに!?


 それならば、「火炎弾(かえんだん)」はどうだろう?

 火なら倒せなかったとしても、(ひる)ませることくらいはできるかもしれない。

 う~ん、駄目だ。

 トロールはむしろ怒り狂って、突っ込んできた。


 これじゃあ、近接戦闘は()けられないな。


「ラムラス様とカップァ様は、お下がりください!」

 

「何を言う、我々も戦うぞ!

 このような小物に臆しておっては、(ドラゴン)なぞ倒せぬのじゃ!」


 それはそうかもしれないけど、大丈夫なの!?

 そう思っている隙に、ラムラス様とカップァ様はトロールの方へと走っていく。


「クルル、フォローを!」


(まかせて!)

 

 万が一のことを考えて、貴族の2人はクルルに守らせる。

 エルシィさんもそのつもりなのか、クルルに続いた。

 私は魔法で援護……いや、それはカトラさんに任せて、「眷属強化」かな。


 だけど「眷属強化」は、わざわざ使う必要が無かったようだ。

 振り下ろしてくるトロールの腕を、カップァさんが剣で斬り飛ばしたのだ。

 つ、強っっ!?

 あれは……本人が凄いだけではなく、武器もかなりの高級品なのでは?

 

 実際、その推測は間違ってはいなかったようで、少なくともラムラス様の持つ武器は、普通の物じゃない。

 あれはレイピアって言うのかな?

 斬るよりも刺すことに特化したかのような細い剣だったけど、それがトロールへと突き刺さった瞬間、小さくだけど閃光が生まれた。

 そしてトロールは、細い剣で刺されただけとは思えないほど苦悶している。


 なんだか電気を流し込んだような……。

 あのレイピアは、魔法の武器ってことか!

 まあ、ラムラス様のスキルである可能性もあるけれど、もしも魔法の武器ならば、実力以上のダメージを相手に与えることができるのだろうなぁ。

 私も欲しいけど、金貨数十枚とかしそう……。


 ともかく、令嬢2人の戦闘力に限って言えば、私達よりもかなり上かもしれない。

 これならば、竜退治もなんとかなるんじゃないかな?

 そんなことを考えているうちに、トロールは倒されてしまった。

   

 お、みんなのレベルが上がった。

 吸収値的に、なかなか美味しい相手だったようだ。

 こんな戦闘を何度か繰り返していけば、竜が敵ではなくなる日も近いかも……。


 ちなみに現在の私のステータスは、こんな感じだ。


───────────────

 ・マルル 12歳 女 LV・27

 ・職業 冒険者

 

 ・生命力 187/187

 ・魔 力 234/234

 

 ・ 力  102

 ・耐 久 111

 ・知 力 219

 ・体 力 126

 ・速 度 133

 ・器 用 92

 ・ 運  127


 ・ギフト 百合

 ・スキル(20/20)

     ●防御強化

     ●気配隠蔽

     ●再生力中

     ●毒 無 効

     ●流し斬り

     ●空間収納

     ●眷属強化

     ●気配感知

     ●癒やし中

     ●魔回復中

     ●視覚共有

  ●念  話

     ●水  弾

     ●火 炎 弾

     ●風  刃

     ●自然操作

     ●空中浮揚

     ●高速飛行

     ●猛毒生成

     ●極  寒

     ○催  眠

     ○透 明 化

     ○絶対命令

     ○気力集中

     ○回転蹴り

     ○強  打

     ○暗  視

     ○追  跡

     ○体当たり

     ○食いつき

     ○ひっかき

     ○臭覚強化

     ○二段突き

     ○大 切 断

     ○燕 返 し

     ○土  槍

     ○照  明

     ○罠 感 知

     ○即死突き

     ○身体強化

     ○投  擲

     ○操  糸

     ○料  理

     ○洗  濯

     ○掃  除

     ○家  守


  親密度 クルル   100%

      カトラ   100%

      エルシィ  100%

      ラムラス  59%


  従属度 ラヴェンダ 100%

      ティティ  100%

      コリス   72%

      エトナ   67%

      イネス   63%

      シーマ   61%

      ト チ   59%

  同盟度 キ ラ   100%

      ケヴィン  89%         

───────────────


 スキルがかなり増えたなぁ……。

 レベルアップ時に得た物や、眷属からのコピー以外に、自分で意識的に練習して習得した物もある。

 あと、「再生力小」のように、レベルアップに伴って「再生力中」へと成長するパターンもあった。


 強くなった実感はある。

 ただ、基本のステータスはそれほど高くないので、スキルの数でそれを補っている感はあるんだよね……。

 

 しかしスキルが多すぎて、ちょっと表示が邪魔になってきた。

 整理できないのかな、これ……。


 あ、新しくフォルダを作り、普段使わないスキルを収納して表示させないようにすることができる!?

 おお……便利だな、これ……。

 やっぱりこれって、転生特典のチートだよね……。

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