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2 絆を深めよう

 昨日は休みの予定でしたが、更新していますので、念の為。

 翌日から私達は、カトラさんとエルシィさんが普段活動している町へと向かうことになった。

 さて……村の外で待機していたクルルと合流して、出発……と。


「お?」


 クルルの背中に乗りながらステータスをチェックすると、いつの間にか私のレベルが、結構上がっている。

 オークの巣に入って以来、チェックしている余裕が無かったからなぁ……。

 オークキングから得た「吸収値」が大きかったようだ。

 

 確かオークキングにトドメを刺したのはエルシィさんだけど、親密度の項目に名前が載っているから、私にも恩恵があったのだろうか?

 それとも戦闘に参加していれば、普通に全員へ分配される?

 

 あと、夜のうちにクルルが狩りをして、「吸収値」を稼いでくれたというのもあるのかな?

 ともかく、ついに20レベルだ。 

 

───────────────

 ・マルル 12歳 女 LV・20

 ・職業 冒険者

 

 ・生命力 113/113

 ・魔 力 181/181

 

 ・ 力  74

 ・耐 久 82

 ・知 力 162

 ・体 力 93

 ・速 度 78

 ・器 用 64

 ・ 運  96


 ・ギフト 百合

 ・スキル(12/13)

     ●強  打

     ●回転蹴り

     ●防御強化

     ●気力集中

     ●気配隠蔽

     ●再生力弱

     ●毒 無 効

     ●流し斬り

     ●暗  視

     ●追  跡

     ●空間収納

     ●眷属強化

     ○食いつき

     ○ひっかき

     ○臭覚強化

     ○毒耐性弱

     ○体当たり


  親密度 クルル  100%

      カトラ   61%

      エルシィ  57%

───────────────


 おおっ!?

 スキルが増えている!

 しかもこれ、クルルからコピーしたものではないし、私が初めて『百合』のギフトで取得したスキルということになる。

 よかった、ちゃんとスキルが増えるんだ!


 え~と、「空間収納」は、よくある異空間に物を入れられるやつだよね。

 これなら荷物を運ぶのも楽になるし、大きな獲物を倒しても丸ごと運べるようにもなる。


 それと「眷属強化」は、仲間のステータスを一時的に上げる感じかな?

 でも眷属って、どこからが眷属なんだろう?

 たぶん親密度が高いほど効果があると思うけど、仲間が多いとそれだけ魔力の消費が激しそう……。

 それに強化できる仲間を選択できるのかどうか、いずれ実験してみることにしよう。


 それにセットできるスキルの数も、増えているね。

 これならばいつか私も、多くのスキルを使いこなせる無敵の冒険者になれる日がくるのかもしれない!


「どうしたんです?

 嬉しそうな顔をしていますね、マルルちゃん?」


「あ……」


 顔に出ちゃっていたか。

 どうしよう……?

 私の能力の秘密を、2人に話してもいいのかな?


 でも……これから一緒に冒険者をしていくのだから、知っておいてもらった方がいいよね……。


「あの……ステータスの確認をしたら、スキルが増えていたので……」


「「え?」」


 あ、やっぱりこの反応を見るに、他の人にはできないんだな。

 しかもこれ、ギフトを授かる前から使えた能力だし、私が生まれ持った特殊な物だよねぇ……。


 でも『百合』のギフトとも連動しているようだし、不思議なものだ。


「自分の能力や状態を、数値や文字によって確認できるんです……」

 

「そ、そんなことができるのか?

 スキルが増えたとか、確認することが?」


 この世界の人達って、お姉ちゃんもそうだったけど、それがスキルだと自覚が無いまま使っていることが多いようだ。

 まあ、カトラさんの魔法みたいなものは、明確に自覚しているのだろうけれど……。


「はい、そうですね。

 自分自身と……凄く親しくなった人の能力は、確認することができます。

 それとそのスキルをコピー……することも」


「それじゃあ……私達のも?」


「あの……まだ見ることはできませんし、見て欲しくないのなら見ません」


「……!」


 2人は、少しショックを受けたような顔になった。

 やっぱり他人の能力を見たり、コピーしたりする能力って気持ち悪いかな……。


「な……なんだぁ。

 私達はまだ、そんなに親しくなっていないってことかぁ」


「残念ですねぇ……」


 え……?


「……見られても、いいんですか?」


「私達はもっとマルルちゃんと親しくなりたいので、それがその証明だというのなら……」


「同じパーティーの仲間になるんだしな。

 それに自分のステータスにも興味があるし」


「そ、そうですか……」


 あっさりと受け入れられて、拍子抜けした反面、凄く嬉しかった。


 あ!


───────────────

  親密度 クルル  100%

      カトラ   67%

      エルシィ  63%

───────────────


 親密度が上がっている。

 確かステータスが見られるようになるのは、80%からだから、あともう少しだ。


「2人ともありがとうございます。

 これから一緒に頑張っていきましょう!


「ええ」


「ああ!」


 そして私は私のギフトについて説明しながら、拠点となる町へと向かった。


 ……ただ、『百合』の影響で、本人の意思とは関係なく、女性は私に好感を持ってくれるかもしれないということは、なんとなく言い出せなかった。

 そんな「心」を操るような能力って、やっぱり後ろめたいんだよね……。


 でも……この『百合』が無いと、私はこの世界で生きていくことは難しい。

 折角お姉ちゃんに助けられた命だもの。

 何を利用してでも、生き延びて幸せになってみせるよ……!

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