表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
138/206

1 お風呂のある生活

 今回から新章です。

 私達の新居だけど、それはランガスタ領都の中心部──貴族や資産家が多く住む地域に建っていた。

 ラムちゃんの実家もご近所だ。


 その屋敷は、豪邸と言ってもいいだろう。

 王都でクリーセェ様が滞在していた屋敷に、匹敵するんじゃないかな?

 

 それもそのはず、この屋敷って元々は王族の別荘で、クリーセェ様も一時期はここで生活していたらしい。

 彼女の母親もここで暮らしていたらしいけど、今はラムちゃんの家に身を寄せているそうだ。

 ちょっと前までは、暗殺の危険がかなりあったからねぇ……。


 まあつまるところ、この物件はクリーセェ様に紹介してもらったものだ。

 当初はキャロルさんに購入する物件の選定を頼んでいたんだけど、こちらの方が王家のコネで安く手に入りそうだったので、ここに決めることにした。


 決め手は今や数十人に膨れ上がった私の眷属が、なんとか全員住めるほどの大きさというのもあるんだけど、それよりも広い浴場があるというのがいい。


 そんな訳で今私は、「自然支配」で生み出した温水を湯船に溜めて、久しぶりのお風呂を楽しもうとしていたところだ。


「これがお風呂……。

 あたし、始めてだ」

 

 お姉ちゃんが、物珍しげに広い浴室を眺めている。

 これまで住んでいた屋敷では、シャワーまでしか使えなかったもんね。

 貧しい農家の出身では、普通は経験できない贅沢だ。

 まあ……私は、王城で何度か使わせてもらったけれど……。


「このお湯に()かるのか……」


「あ、お姉ちゃん、お湯に入る前に、身体(からだ)を洗うのがマナーだよ」


「そうなのか?」


「うん、汚れたままだと、お湯も汚れちゃうからね」


 ……まあ、吸血鬼となった今のお姉ちゃんに、普通の人と同じような新陳代謝があるのかは分からないので、もしかしたら垢とかは無いのかもしれないけれど……。

 それでも(ほこり)とかは被っているかもしれないので、それは落としておこう。


「お姉ちゃん、背中を流してあげるね」


「ああ、ありがとう、マルル」


 椅子に座ったお姉ちゃんは、私に背中を向けた。

 吸血鬼になってからのお姉ちゃんは凄く色白になったけど、その肌が湯気の(ぬく)もりでほんのりとピンク色になっている。

 くは~、うなじとか肩甲骨が、色っぽいなぁ!


 でも、吸血鬼になっちゃったから、この身体はもう成長しないのかな……?

 いつか私も追い抜いてしまうのかと思うと、ちょっと切ない。


「マルル……?」


 おっと、手が止まってしまっていた。


「ごめん、ちょっと考え事をしていた」


「そうか……。

 まあ、最近色々とあったからね……」


 確かに村がオークに襲われてからは、怒涛の展開だったよ……。

 それでも王位継承権の問題も片付いたし、私達も冒険者としては大成功したんだから、当面は生活にも困らない。

 暫くの間は(おだ)やかな生活を送れるだろう。

 ……そうだといいなぁ。


「さぁ、次はあたしがマルルを洗ってやるよ」


「うん、お願い……って、なんで向かい合っているの?」


「全部、お姉ちゃんに任せなさい!」


「ちょっ、前は自分で洗うからぁ!

 ひゃあっ!!」


 そう訴えかけても、お姉ちゃんは聞いてくれず、私の身体を撫で回す。

 しかも素手で。

 お姉ちゃんって体温が低いから、触れているところがヒンヤリとしていてハッキリと分かるので、なんだか必要以上に意識しちゃう……!


「ああ……可愛い……」


 うん!?

 今、胸を見て言った!?

 確かに小さいかもしれないけどさぁ!

 それとも、もっと下!?

 ええ、まだ生えてませんけど何か!?


「あ~っ、狡い!

 ご主人、私もやります!」


『同じく私もご奉仕を』


「うえっ!?」


 浴室にラヴェンダとティティが入ってきた。

 自由に使っていいとは言っていたけど、まさかこのタイミングで入ってくるとは……!

 ちなみにティティは、まだ発声するのがやっとなので、会話できるほどではない。

 だから相変わらず「念話」を使っている。


「いいよ、みんなでマルルを可愛がろう!」


「洗うんじゃなくて、お姉ちゃん!?」


 その後、3人がかりでもみくちゃにされたけれど、ラヴェンダやティティがのぼせたのは、自業自得だと思う。

 まあ、お姉ちゃんは平然としていたけど……。

 さすが吸血鬼……。


 あれ?

 私も平気だったけど、吸血鬼レベルの存在ってこと?




「材料が足りないんですか?」


「そうなのよ、リップクリームや飴が好評でね。

 材料になるキラービーの蜜蝋や蜂蜜が足りないのよ」


 領都の屋敷に引っ越してから暫くして、キャロルさんがそんな相談を持ちかけてきた。

 ああ、在庫は結構あったはずだけど、ランガスタの領都は、前にいた町よりも大きいから、需要も多いのか。


「う~ん、キラの巣はそろそろ冬眠に入っちゃうから、そこから取るのもなぁ……。

 このランガスタ領はあそこよりも南だから、この地域のキラービーなら冬眠しないかも……。

 でも、この辺にいるのかな……?」


「じゃあ、キラービーのことは、キラービーに聞いてみたらどうかしら?」


 ああ、キララなら知っているかも。


『キララ、どうかな?』


『ん、ある!』


 あるらしい。

 じゃあ、キララと近くの森へ行ってみようか。

 総合ポイントが3000になりました~。応援感謝です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ