表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
123/206

20 逆 賊

 おお……っ!

 アイーシャさんがレベルアップすることで習得した「大浄化」は、一撃で巨人を(ちり)へと変えていく。

 凄い! さすが性女……もとい聖女!!


「ありがとう、助かったよ!」


「使徒様から命じられた、修行の(たまもの)でございます」


 うん、レベル上げをさせて良かった。


『マルル様っ!!』


 その時、クレセンタ様の叫び声が上がった。

 残った巨人達が、こちらに──いや、アイーシャさんに向かって押し寄せてきたのだ。

 彼女の危険性を悟って、真っ先に排除することにしたのだろう。

 しかしただのスケルトンやゾンビに、そんな判断ができるはずがない。

 

「やっぱり、群れを統率している者がいる!

 でも、何処にいるか分からないっ!!」


「オー、それなら、我に任せてくださーい!」


 カプリちゃんが大きく息を吸う。

 「火炎息」!?

 彼女が使うそれの威力じゃ、森が完全焼失しかねない。

 森の恵みを(かて)にして生活している人達が、一気に困窮してしまう。


「カプリちゃん、森を無くしちゃうのはちょっと……!!」


『大丈夫でーす!

 我が手に入れた、新たなパワーを見てくださーい!』


 口から光が漏れ出ているカプリちゃんは、念話で答えた。

 その直後、彼女の口からは、光の奔流が溢れ出す。

 あれ……これ……。

 炎じゃなく、浄化の光?


 実際、その光を浴びた巨人は、波にさらわれた砂の城のように形を失っていく。

 けれど森の木々等は、まったく無傷だった。


 え~と、これは……あ、カプリちゃんに「属性付与」ってスキルが増えている。

 つまり違うスキルに、任意の属性を付与して効果を変えるってことかな?

 今回は「火」属性の(ブレス)に、「聖」属性を乗せたって感じなのだと思う。

 状況によって使い分けられるのは、かなり便利かもしれない。

 これも『神獣』というギフトを、得たおかげだね。


「あ……敵の反応が、全部消えた……!」


 さすがカプリちゃんの全体攻撃!

 広範囲を飲み込んで、位置を特定できなかった群れの統率者も、問答無用で消滅させてしまったようだ。

 

 これで森の方の問題は解決かな。

 ほんと、眷属が1人か2人多くいるだけで、全然違うなぁ……。


 しかしこれで全部終わった訳ではない。


「あのっ、屋敷の方で、何かあったんですか!?」


「あ……はい。

 私どもが屋敷へ戻った時には、襲撃を受けていたのでございます」


『襲撃!?

 妹の……ミーヤレスタは無事なのですか!?』


 クレセンタ様が慌てる。

 まあ……私の眷属が10人以上いるような場所が陥落するとは思えないけど、被害が皆無とは言えないかもしれないもんなぁ。


「ええ……我が方が優勢でしたし、死者も出ていなかったので、私達はこちらへと援軍に参ったのでございますよ」


 そう答えるアイーシャさんは、少し歯切れが悪そうだった。

 まだ戦いが終わっていないみたいだし、何かまずいことでもあるの!?


「とにかく屋敷にもどります!」


 私達は転移して、帰ることにした。




「……!!」


 そして屋敷に戻って、まず目に入ったのは、土下座をしているラヴェンダだ。


「何……してんの?」


「援軍を頼まれていたのに、すぐに連れて行くことができず、大変申し訳なく……!」


 ああ、そのことか。


「いいよ、結果的にはなんとかなったし。

 こちらも大変だったんでしょ?」


「それだけではありません!

 私が連れてきた王女様が、ことの発端です!

 私が気付いてさえいれば……!」


 え、なに?

 ミーヤ様がどうした?


『ミーヤレスタ!?』


 クレセンタ様は、妹のところへ飛んでいく。

 居場所は……まあ、「万能感知」で分かるか。

 一応屋敷の中にいるようだし、拉致されたりはしていないようだ。


「どういうことなの……?」


「それが……」


 ラヴェンダの話によると、この屋敷に騎士団が押しかけたのが、彼女が戻るちょっと前。

 そしてクリーセェ様を「逆賊」と断じ、その身柄の引き渡しを要求してきたのだという。

 罪状は「王妃ナスタージャと第3王子タルス、及び第4王女ミーヤレスタの拉致監禁容疑」──。

 これは王家に弓引く蛮行だという。


 ……全員自分の意思で来ているので、完全に濡れ衣だ。

 騎士団の構成も第2王子派と第2王女派の者を中心に構成されていたらしいし、そのつもりで来ているのだろう。

 まあ、連中ならやりかねない話ではあるのだが、ちょっと動きが速すぎるかな……?


 実際、王妃様と第3王子も、そしてミーヤ様も、屋敷に連れてきたのは昨晩から今日の午前中にかけてだ。

 しかも転移系のスキルで運んだから、誰かに追跡されている可能性も無い。

 それにも関わらず、居場所の特定が速すぎる。

 いや、所詮は濡れ衣だから、本人が何処にいても関係ないと考えている可能性もあるけれど……。


 しかしラヴェンダによると、衝撃の事実が判明した。


「私が連れてきた王女様にゴーストが取り憑いていて、情報を流していたのです……!」


 な、なんだってー!?

 全然気付かなかったんだけどぉ!?

 ブックマーク・☆での評価・誤字報告・いいねをありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 確かに姉王女が殺されたなら、妹王女も無事ではなさそう。 しかしマルルさんだけじゃなく聖女も気付かなかったのかぁ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ