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1 王女と合流

 新章開始です。

 王都は巨大な壁に、周囲を囲まれていた。

 おそらく数十万人もの人口がある大都市を、丸ごと囲む壁──。

 なかなか壮観である。

 

 まあ、その壁の外にも建物はあるのだけど、それらは身分が低い平民の住宅などであるらしい。

 いざ外敵から襲撃があった場合、真っ先に見捨てられて、壁の中には入れてもらえないそうだ。 

 そもそも彼らには市民権が無いらしく、勝手に住み着いただけみたいだしね。

 

 当然私達も市民権は持っていないので、正規の手続きで壁の中に入るには、ちょっと時間がかかってしまう。

 そんな訳で私達は、転移魔法によって不法に入るすることにした。

 まあ、王都を出入りする人間全員の記録なんか存在しないと思うので、入ってしまえばバレないだろう。

 身分証明書などの確認を求められた場合は、逃げればいい。


 問題はクリーセェ様が何処にいるのか……だ。

 取りあえずラムちゃんの案内で、クリーセェ様が滞在していたはずの、王家所有の屋敷に行ってみる。

 ラムちゃんはそこの離れに泊まっていて、拉致されたらしい。


 つまりここで働く人間の中に、お風呂に毒を混入させた者がいる可能性が高いってことだ。

 その事実は、以前から第2王子派閥の人間が入り込み、とっくの昔にこの屋敷が支配下に置かれていたかのもしれないということでもある。

 クリーセェ様とラムちゃんは、それを知らずに宿泊してしまい、罠にはまってしまったということなのだろう。

 

 ここが第2王子の支配下にあるのならば、今や迂闊に動けなくなったクリーセェ様も、ここに囚われているんじゃないかな?

 ラムちゃんの拉致事件は(おおやけ)にはなっていないだろうし、わざわざ監禁場所を移動させる必要も無いだろう……。


「カプリちゃん、以前会ったことがある子の気配なんだけど、屋敷の中にあるの分かる?」


「お~、イエース!

 知っている気配がありまーす!」


 さすがカプリちゃんの、感知能力は優秀だ。


「ほ、本当ですか!?

 それでは早速乗り込んで……!」


 ラムちゃんは意気込むけど、なにも馬鹿正直に正面から乗り込む必要は無い。


「ちょっと待って。

 カプリちゃん、その気配の人を、ここに転移させてくれる?」


「いーですよー!

 ほい!」


「ふぁっ!?」


 目の前にクリーセェ様が現れた。

 少しやつれたように見えるが、無事ではあるようだ。


「こ、ここは……。

 はっ!? マルル殿!?

 それにラムラスっ!!」


 クリーセェ様は、ラムちゃんの姿を認めた瞬間、彼女に抱きついた。


「お、おぉ~!

 無事か、無事なのか!?」


 その目には、涙がある。

 余っ程心配していたんだろうなぁ……。


「手は、手はどうした!?

 おぬしの手だけ送りつけられて、私は……私は……!!」


 ああ、そりゃ心配するわ。

 そうやってクリーセェ様を、脅したのか。

 というか、なんだそのマフィアの手口……。

 それが王族のやることか?


「だ、大丈夫です!

 マルル様に救い出され、治してもらいましたので!」


「そうか……良かった……良かったのぉ。

 マルル殿も、よくやってくれた。

 感謝なのじゃ……」


「いえ、そんな、頭を上げてください。

 私にとっても彼女は、大切な存在です」


 クリーセェ様は頭を下げた。

 王族が頭を下げるとは、余っ程のことだなぁ……。

 彼女にとって、ラムちゃんの存在はそれだけ大事だったのだ。

 それこそ王位と天秤にかけるほどに。


 ……そのラムちゃんは私の娘ポジションになっちゃったけど、良かったのだろうか……。

 当面の間は、クリーセェ様に私達の関係は内緒だな……。

 あの幼児化したラムちゃんの姿は、とても見せられないよね……。


 その時、屋敷の方から声がかけられた。


「お前達、そこで何をしている!

 な……クリーセェ殿下!?

 何故、ここにっ!?」


 おっと、屋敷の近くで騒いでいたから、屋敷の中にいた者達に気付かれてしまったようだ。

 兵士の格好をした者達が、ゾロゾロと門から出てきた。

 彼らの言葉から、クリーセェ様には外出の自由すら無かったことが窺える。


「クリーセェ様、奴らは第2王子派で、敵……。

 その認識で合っていますか?」


「う……うむ。

 そうじゃが……。

 あれ……?

 私、おぬしに本名を名乗っておったか?」


 ステータスで把握していました。

 説明しにくいことなので、今は説明しないけどね。

 あっ、親密度が結構上がっている。

 クリーセェ様にとって、ラムちゃんの救出がかなり大きかったようだ。


 まあそれはともかく、第2王子派なら、遠慮はいらないかな。


「まずは王都での拠点が必要だから、あの屋敷を制圧しましょう。

 みんな、よろしく。

 情報を聞き出すから、なるべく殺さないようにね。

 建物も壊しちゃ駄目だよ」


「熊ッ!?

 うわぁぁぁぁーっ!?」


 私の手から離れて元のサイズに戻ったクルルが、兵士達に突撃していく。

 その後にみんなが続く……けど、屋敷にいる気配は50人くらいなので、死人や建物の被害が出ないように手加減しながらだと、制圧に30分くらいかかるかな?

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