表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/20

第20話〜【主人公補正】と【幼女化の呪い】

「おうおう!子連れで冒険者ギルドに来るなんたぁなめてんのか!」


「………人形みたい。欲しい………」


「へへ、お嬢ちゃん、甘いお菓子ほしくないかい?」


「わしの孫にならんかね?」


「あなた様はまさかサリナ姫様ではございませぬか!?」


「探しましたよ兄者!」


ギルド内は混沌で満たされた。





ユウキの所有する(呪われている、とも言う)スキルは大元は二つ。


【主人公補正】と【幼女化の呪い】である。


【主人公補正】は言ってしまえば運命に愛される(呪われる)スキルである。


天文学的な確率であろうが可能性があればそれを引き寄せる、漫画や小説の中でしかないような【お約束】を引き起こすスキル。


落ちているバナナを踏んで滑る、街角でパンをくわえた少女とぶつかる、異世界に転生するなど、日常茶飯事である。


これは先天的にユウキが所有していたもので、アナザーワールドに来る以前からあった。


そして【幼女化の呪い】である。


これは言ってしまえば解除不可能な理不尽の塊である。


まずその名の通り幼女化する。


そして見た目通りのステータス補正がかけられる。


その代わりに状態異常が【幼女化】に固定されるため例え【即死】系統の呪いであろうと弾く。


ステータスにマイナス補正がかかる代わりにスキルやその他の成長に大幅な補正がかかる。


ついでに本人すら【魅了】してしまう状態異常つき(【魅了】は【幼女化の呪い】の一部のため弾かれない)。


一つだけでも厄介極まりないスキルが二つ、しかも最悪なことに相性が高かった。


結果巻き起こされるのは混沌。


ユウキはクニツナと共に旅をして回った2年間で、常人ならば一生に一度あるかないか、いや、ほとんどないような出来事ばかりに出会って、出合って、出逢っていった。




ギルドに入れば粗暴な冒険者に「ここはガキの来る場所じゃない」と毎回絡まれる。


道を歩けば明らかに訳ありな女性にエンカウントし、問題解決に奔走するはめになる。


その天使のごとき見た目に、ロリコンや人さらいにRPGのモンスター並の遭遇率で出会う上に犯罪組織や非合法な奴隷たちと関わらざるを得なくなる。


好事家な貴族ややたら権力のある人物に絡まれ、街ぐるみでやらかすことになる。


なぜか高貴な姫様や御子、行方不明の娘に間違えられた挙げ句宗教や国、種族の問題に巻き込まれる。


そしてヤンデレ気味のクニツナの義理の妹や幼馴染み、近所のお姉さんや許嫁にどこぞの馬の骨との間にできた子供扱いでやられかける。


エトセトラ、エトセトラ………。




そんなこんなで、ユウキは数え切れないほどの冒険と出会いを繰り返してきた。


一つ一つ挙げていけば切りがない。


奴隷にされていた獣人を救ったり。


神獣の幼成体を拾ったり。


暴走する古代兵器を静めたり。


未発見の迷宮の奥深くに封印された自動人形を発見したり。


病魔の王との戦いで体を蝕まれたクニツナに鬼丸を託されたり。


弟をモンスターに殺され勇者として覚醒したマリアーナと敵対したり。


他の転生者たちによるギルドと戦ったり。


反転の暴走鎧を身に付けることでフルプレート状態であれば元に戻れるようになったり。


魔王の片割れの娘になつかれたり。


始まりの森でかつて別れた微精霊の成長した姿と再会したり。


とにかく冒険した。


そして同じ数だけフラグをばらまいてきた。


鬼丸と反転鎧を着けることでだいぶ呪いを抑えることができるようにはなった。


しかしユウキの冒険はまだまだ始まったばかりである。


To be continue ………

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ