表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/20

第16話〜マリアーナとの出会い

目を覚ますとすでに太陽(さすがに太陽は一つだけだった。しかし季節によって色が変わるらしい)がだいぶ高い位置にまで上がっていた。


思い返してみればアナザーワールドに来てからはほとんどまともな状態で寝ていなかった。


熱に浮かされたように行動し、限界が来たら眠るような生活だった。


1週間もの間体がもったのは単にステータスによるものだろうか。





シルフィーやスラ、モスたちはすでに起き出しているようだった。


立ち上がって、大きく伸びをする。


この体になってからは肩こりや筋肉痛などといったものからは解放され、疲れも一晩寝れば完全に回復するようになった。


これは幼女になったからなのか、アナザーワールドに転生した者は全員がそうなのか、単純にステータスによるものなのかはまだ分からない。


良かったと思えるのは、視力が一気に良くなったことだ。


元の世界では眼鏡をしなければ視界がぼやけていたが、この体ではかなり遠くまで、はっきりと見ることができる。


ステータスのおかげか動体視力や瞬発力も元の世界とは比べ物にならないほどだ。


おそらく今のユウキのステータスならば、大の大人相手でも一般人相手ならば簡単に倒せるだろう。


もっともそれは元の世界ならば、だが。


別段モンスターを倒してレベルを上げたわけでもないのにステータスが高いのは、【幼女化の呪い】により補正が入ったからだ。


体が縮んだ分能力も凝縮され、見た目にそぐわない実力が宿っている。


おそらく【幼女化の呪い】をどうにかしない限り見た目はこのまま成長することはないので、漫画やアニメでよくある子供のような見た目で巨大武器を振り回す、がリアルでできるようになるはずである。




顔を洗いに泉まで行くと、そこには大きな黒い猪のようなものを解体するクニツナの姿があった。


「起きたか」


地面は短い草が生えていて足音は聞こえていないはずだが、ユウキが声をかける前に気付かれた。


「おはようございます、クニツナさん」


「………昨日も言ったが、俺に対してそんなに丁寧な口調で話す必要はない」


「いえ、でも………」


昨日旅に同行することになってから、口調は砕けたものでいいと言われていた。


クニツナは年齢や見た目、能力で相手を差別するのを嫌っているようだった。


というか単純に敬語や丁寧口調が苦手なようにも感じられる。


「ガキが固い口調で無理するな。それに旅の間中それじゃ堅苦しくてしょうがない」


「………わかりま、わかった。ところでそれは?」


すでに半分以上解体されているが、どうにか黒い猪だということは分かった。


頭部が見当たらないが、縮小版のスモールボアのモスと作りが同じなので。


「こいつはブラックボアのまだ若い個体だ。ギルドではランクEに分類される。本来群れで行動するが、こいつははぐれらしいな」


頭部がなくても、その体は成人男性よりも大きい。


これで若い個体だというのだから驚きだ。


ちなみにブラックボアの群れを相手にした場合、ランクはDになるそうだ。


そしてスモールボアの場合成長してもランクはF。


進化した場合はビックボアになり、これは単体でDランクになる。


モンスターのランクは討伐の目安として付けられているが、特殊個体や群れのボスなどは通常のランクよりも実力が上のことがあるそうだ。


もっともモンスターと動物の違いは体のどこかに魔石があるかどうかで別れる。


経験値もレベルも存在するこの世界では最弱種のスライムですら経験や年月を積み重ねれば最強になることができる、らしい。


「仕留めたの?」


「ああ。目の前に飛び出してきたからな」


「その子も?」


「いや、目の前に飛び出してきただけだ」


実のところブラックボアのすぐそばで横になっている少女のことは視界に入っていた。


しかし解体される巨大な猪の横に寝ている少女の図があまりにシュールだったため、先に猪について尋ねたのだった。


これが後に勇者となる現街娘マリアーナと、なんやかんや配下を束ねて第三の魔王となるユウキの出会いであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ