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第七話 実験と家具

 水と食料をしばらく気にしなくてもよくなったので、《建築》のスキルでどんな物が造れるか実験してみよう。


 家を建てたり《解体》した物を一つにまとめて出せることはわかった。


 他には何ができるのだろうか。


「こいつ……こいつで……よし、できた」


 大木で椅子と柵を同時に造ってみる。


 資材よりも大きい物は出せないが、違う物品を同時に《建築》することはできるようだ。


 次は戦闘で使えそうなものを造ってみよう。


「《建築》《自動修復》……むう、ダメか」


 木で剣と防具を出してみようとしたができなかった。

 やっぱり武器関連は『鍛冶師』の領分か。


 武器にスキルを付与できれば戦いが楽になると思ったんだけどな。


 まあ無理なものは仕方ない。


 家具が造れるだけでも『家具師』のスキルを使えるようなものだしな。


 ……本当に俺の『建築師』はなんなのだろうか。


『大商人』や『聖剣鍛冶師』のような上級生産職とも違うスキルの優秀さだ。


 家具や柵を造れることはわかったので、暮らしを良くしていこう。


 ずっと床にゴロ寝というのもつらいしな。


 俺は窓を大きくすると水と《ウォーターボディ》でガラスの偽物を造った。

 これで家の中が少し明るくなったな。


 あと葉っぱでカーテンも造っておこう。


 次は机と椅子だな。


「《建築》……うん、いい出来だ」


 シンプルだがいいダイニングテーブルセットができた。

 余った木で皿とフォークも用意しておこう


 これで人間らしい食事ができる。


 それと寝るところも重要だ。

 木のベッドを《建築》、葉っぱに《ウォーターボディ》を付与してマット代わりにする


「おおっ、いい感じじゃないか」


 プニプニした感触が気持ちいい。

 硬い木の床とは大違いだ。


 今夜からは良く眠れそうだ。


 あと岩を素材にして家の外にかまどを造った。

 それと浴槽も。


 これでお湯を沸かせば風呂に入ることができる。


 だいぶ生活環境が整ってきたな。


 その夜、俺はベッドの上でこれからのことを考えていた。


 王都を追放されてクソ親父を見返すために頑張ってきたが、おかげ今日も生きている。


 今更死ぬ気にはならないが戻ることもできないだろう。


 だったらここを俺の国にするのもアリかもしれないな。

 元々は王位を継ぐ可能性があるから訓練してきたわけだし。


 何十年かかるかわからないが、迷い込んだ旅人に「我輩はアレン国王だ!」なんて名乗ってみたい。


 そんなことを考えながら、俺の意識は葉っぱのマットに沈んでいった。






 ☆






 ここに来てから十日が経過した。


 俺は今日も魔物を狩ったり山菜を摘んだりして暮らしている。

 今は家の近くで素材とスキルの組み合わせを試している最中だ。


 それにしても出会う魔物が低級ばかりなのは助かったな。

 魔物には【低級】【中級】【上級】【超級】【災厄級】の五つのランクがある。


 上級までは『戦士』『魔法使い』が集まれば対抗できるが、超級からは『聖騎士』か『大賢者』クラスの職業でなければ戦いにもならない。


 災厄級に至っては国が複数滅ぶほどの危機だ。

 もっとも二百年に一度現れるかどうからしいので、俺が生きている内に見ることはないだろうが。


 まあなんにしても平和なのはいいことだ。


 パラアキラの森は魔物だらけと聞いていたが、意外と大したこと──


「ゴブ、ブブ」

「ブブブ」

「なっ!?」


 木の向こうから二匹のゴブリンが現れ、こちらを見ているのがわかった。

 何かヒソヒソ声で話し、おぞましい笑みを浮かべて舌なめずりをしている。


 これはかなりヤバい状況だ。


 ゴブリンの一匹一匹は低級だが、集まれば中級、規模によっては上級にまで発展する。

 おまけに暗闇を好み、寝込みを襲ってくるいやらしい魔物だ。


 知恵が回る上に男は殺し女は繁殖に利用する凶悪さで、こいつらに滅ぼされた村は数知れない。


 そして、見つけた獲物は絶対に逃がさない。

 特に孤立している人間は。


 もしコイツらが偵察隊だとしたら確実に殺しておくべきだ。


「《建築》《跳躍》!」


 杭を《建築》し《跳躍》のスキルで弾き飛ばす。

 射程はパチンコ程度だがこの距離なら届くはずだ。


「ゴブ、げほ……」

「ヒッ、ゴブブブーッ!」


 くそ、しまった。

 一匹は串刺しにしたがもう一匹に逃げられてしまった。


 つまり俺の家の場所が本隊にバレたということだ。





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― 新着の感想 ―
[一言] 跳躍って漢字だからどうしても違和感がある・・・ジャンプするとかですよね跳躍の意味って
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