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第四十話 カルネ遺跡

 村から西へしばらく歩くと森に出る。


 そこからさらに歩くと木々が消え去り、古代文字の刻まれた石門が見えてきた。


 石門の奥には洞窟があり、その中がカルネ遺跡らしい。


「武器よし、薬よし、食料よし、灯りよし! さあ、あとは遺跡に潜るだけだね」

「その前にお互いの職業とスキルを確認しておかないか? 何ができて何ができないかわかってた方が、いざという時に助かるだろ」

「触れてほしくないと思って訊かなかったんだけど。言っちゃっていいの?」

「俺の隠し事でピンチになるのは嫌なんだよ。でも普通の職業とできることが違うからって質問はナシな。俺も答えられないから」

「ほいほい、言ってみな」


 カレンに『建築師』の職業とスキルのことを説明する。

 さすがに魔物のスキルは多すぎので、簡単に使えるものだけを伝えておいた。


 彼女は少し驚いた表情を見せたが、すぐに納得したようにうなずいた。


「へー、だから生産職なのに戦えるんだ。まぁ便利なスキルが使えて良かったじゃん」

「全然気にしないのな」

「あたしはあたし、あんたはあんたでしょ。それさえわかってりゃ後は何でもいいよ。あ、でもお宝を見つけたからって裏切るのはナシね」


 性格の問題なのかあっさりとカレンは言う。


 この子は本当に王都の奴らとは違うんだ。


「次はあたしの番だね。職業とスキルは──」


 カレン・ライネス

 職業『剣士・雷神流』

 ・スキル《雷刃》レベル2、《大雷刃》レベル2、《放電》レベル1


「どう? 弱くてがっかりした?」

「雷を従える剣士とかカッコイイ要素しかないだろ。俺からすれば戦闘職ってだけで羨ましいし」

「不満がないならよかったよ。それじゃ長くなったけどクエスト開始だ!」


 俺とカレンはランタンに火を点けてカルネ遺跡に入る。


 遺跡の中は真っ暗でカビ臭い匂いがした。


 ゴツゴツした岩肌に時折肩をぶつけながら、奥に進んでいく。


 一時間ほど歩くと少し開けた場所に出た。


「ここって資材置き場か何か?」

「みたいだな。工具が置いてあるし」」


 錆びついたシャベルやツルハシがそこかしこに転がっていた。


 以前に来た冒険者のものだろうか、火を起こした跡もある。


「残念。やっぱりもっと奥に行かないと宝箱はないか」

「カレン静かに。前から気配がする」

「え。あたしは何も感じないけど……」


 《嗅覚探知》を付与したランタンが反応している。


 魔物の気配だ。


「戦闘開始だ。俺が援護するから先頭の奴を倒してくれ」

「わかった! 任せる!」


 カレンが剣を抜くのと同時に暗闇から武器を携えたガイコツ、スケルトンが現れた。


「カッ、カカ」

「コッ、コココ」

「はああぁああああ! 《雷刃》!」


 雷と刃が奔り、先頭のスケルトンの頭が吹っ飛ぶ。


 ガイコツがどこで考えているのかはわからないが、頭を失った体はその場で崩れ落ちた。


「よし、まず一体!」

「気を抜くなまだまだ来るぞ!」


 一体目に続きワラワラとスケルトンの群れが出現した。 





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