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水しか使えない最強生物  作者: 猫宮るな
82/126

82話

レヴィ視点に戻ります。

 ダンジョン攻略を祝ってくれた次の日、俺は屋敷でのんびりと過ごしていた。


 ダンジョンを攻略してしまった今、次何をしたらいいのかということが決まっておらず、何かないかと考えてみても周りで何か出来るようなものはない。


 まぁそれを考えるためにも、昨日までの疲れを取るためにも今日はのんびりと屋敷で過ごすことにしたのだ。


 その際にユアも俺にくっ付いているのかと思ったのだが、昨日と同じように誰にも頼ることなく掃除をしてくれていた。やっぱりユアは俺が知らない間にちゃんと成長してくれていたんだと知れて、嬉しいが少し寂しさはあった。


 邪魔をするのも悪いので、俺は部屋を出て書庫の方へと足を運んだ。その部屋には前までは何も置いていなかったのだが、今では子どもたちに教えるような簡単な本が置いてある。絵本でこの国のことなどを知ることが出来るようなものや他にも英雄と言われるような人たちの話も置いてあった。


 俺は暇なのでそれを読むことにしたが、絵本ということもあってかすぐに読み終わってしまった。その中身は俺にとってはどうでも良いことしか書いていなかったので、まぁ読んでおいて損はないだろうが興味が湧くようなこともなかったのである。この国の成り立ちなどのことを知っても正直どうでも良い話だからな。


 絵本だから本当のことなのかわからないがこの世界には精霊や神様なども存在していることが書いてあったので、それに関しては実際に俺はそれらしき存在とあっているし、ファンタジーな世界なので本当のことだと思う。


 しかし神様のことについて調べる気も起きないし、精霊に関しても知ったからといって出会えるわけでもないだろうことは容易に予想できる。


 だから読んでも興味が湧くようなことではなかったのである。どんな理由で俺たちをこの世界に転生させたのかわからないが、特に何も言われてもいないのでこっちから近づく理由もないだろう。特にこの世界に来て不満などはないし、前の世界に帰りたいとも思ってはいない。こっちの世界の方が楽しく暮らせそうだからな。


 さてと、あっと言う間に暇つぶしが終わってしまったがどうしようか。他の人たちもみんな何かしらの手伝いなどをしていると思うから、邪魔をするわけにもいかないし手伝うと言っても断られるのでそれも出来ない。


 かと言ってこの屋敷内でするようなことは何もないし、どうしたもんかね。


 それじゃあ予定を変更して外に出てみようかな。俺はユアとマリーに声を掛けて外へと出掛けた。目指す場所は冒険者ギルドだ。


 ダンジョンを攻略したことでギルド内ではめんどくさいことになっているということだったが、今の時間であれば人の数も少ないと思うのできっと大丈夫であろう。


 ギルドに到着すると案の定ギルト内は人の数は少なかった。声を掛けられることもないまま、受付のところまで行き話しかけた。


「こんにちは」


「あら、こんにちは、レヴィさん。今日はどのようなご用件で?」


 いつも通りアーシャに声を掛けると少しばかり驚いた様子を見せたがすぐにいつも通りの対応に戻った。


「今日は上の階で色々と資料を見たいと思って来ました」


「そうなのですね。わかりました。大丈夫かと思いますが、レヴィさんは有名になられましたので一応気を付けてくださいね。どこにでも馬鹿な人というのはいますので」


「ありがとうございます」


 まぁ確かにこんな子どもが一人で攻略した何て信じられることではないよね。そのことは今気にしてもしょうがないので、実際に出くわしたら考えることにしようかな。出会わなければそれに越したことはないしね。


 許可を取った俺は二階へと上がり、資料室に行き見て回ることにした。


 今回ここに居た理由は今までは魔物の情報などはリカルドに全て聞いていたので、特に問題はなかったし、有名どころの魔物ばかりだったので比較的簡単に倒すことが出来ていた。しかしこれからもそうとは限らないので自分でも調べられることは調べて知っておいた方が良いと思うので、ここに来たわけだ。


 ここなら魔物の情報から周辺の状況なども調べることが出来るのでありがたい。街の図書館ということも考えたのだが、とりあえずはこのギルドでの情報だけで事足りると思うので行かなかったわけだ。


 図書館の方は色んな物のことがあると思うけど、探し出したりするのに時間が掛かるし、ギルドよりも遠いので用事が出来れば行こうと思うがしばらくは行くことはないだろう。


 そうして見て回ったのだが当然のことながら一日で全てを見ることは出来ず、これは何日かかけてないといけないということがわかった。一応は全てを見るつもりなのでそれ相応の時間が掛かる。


 しばらくはギルドに通うことになるが、やりたいことも見つからないのでちょうどいいだろう。




 数日かけてギルドにあるものを読み漁り、それも終わりを迎えようとしていた。通ったかいもあってかギルドにある資料には一通り目を通すことが出来ていた。


 この街周辺の森のことなんかもどんな魔物がどの方向にいるのかというものもあり、そうしたことからこの街の冒険者たちはいく方角を決めていることわかったのだ。それにこの街以外の街のこともわかったので今の情勢というかそういうことも簡単にだが知ることが出来た。


 王政を取っていて他の国と比べると豊かで平和な国ということだった。ここ最近は戦争もしたことがないということだった。


 ほとんどのことをへぇーと思いながら読んでいたのだが、中には気になるものもあった。


 その一つに魔物の活性化というものがあった。これは以前と比べて魔物の強さなどが増しており、その数も増えているということだった。明確な理由はわかってはいないが簡単に倒せていた魔物が苦労する様になったということもあるようなので、原因を知りたいところだろう。


 その影響でかこの街の周りにいる魔物たちも強くなっているようで、前にあった大量のゴブリンたちがこの街に向かって来たのもそれが影響しているのではないかという情報もあった。


 周囲の森にはただでさえ他の街と比べて魔物の数が多いのに、その魔物たちが強くなっているということであれば、他の街との行き来も難しくなってしまうこともあり得てくる。しかも最悪の場合魔物を倒し切ることが出来ずこの街が襲われるということもないとは言えない。


 原因がわからない以上魔物は倒すしかないのだが、俺もそれに参加して積極的に倒していくか悩むところだ。今の段階では問題ないということなので、わざわざ出張っていくことでもないかもしれない。


 まぁこういうことはリカルドに聞いて見たらいいかということで、考えることは後に回したのであった。


 他にもダンジョンの位置が書いてあるものもあって、いつかはそれらのダンジョンも攻略してさらに力を与えられて強くなれたら良いなと思っている。強くなっておいて損はないだろうし、ダンジョンにそういう機能があるのだ、おそらくは攻略することは必須なことなのかもしれない。


 神様が実際にいるのだ。前の世界での神話の話もいくつか知っているので、もし人間たちに脅威になる存在が現れたりしたら、それに対抗できるだけの実力を持つために必要ということも考えることが出来る。あくまで俺の想像の範疇に過ぎないのでそんなことは起きないかもしれないが、絶対とは言い切れないことが怖い。


 前の世界でこんなことを考えてもただの痛い奴という認識で終わっていたところなんだけどな。


 そんなことを考えているとギルドの下の方が騒がしくなっていることに気が付いた。何かあったことは確実だが、何があったのかと首を傾げながらも下の方へと向かって話を聞きに行くことにしたのであった。



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