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水しか使えない最強生物  作者: 猫宮るな
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69話

 オーガキングを倒した際の報酬の振り分けはみんなで話し合った結果こうなった。


 剣はリカルドとホルンが一振りずつ、杖とネックレスはルミエ、グローブはカーシャに、指輪は俺ということとなった。


 リカルドの剣はすぐに決まっていたのだが、ホルンとカーシャでどちらが使うかを迷っていた。そしてグローブの効果が力を上げるものだったのでそれも良い効果ということで、話し合った結果そうなったのであった。


 グローブに関しても俺には必要ないものだったので、一度いらないのかと聞かれたが、必要ないから貰っていいと返しておいた。


 そしてルミエだが二つ貰うことにものすごく申し訳なさそうにしていた。しかし杖は俺には使うつもりはないものだし、ネックレスに関しても効果は魔法の出力を上げるというもので、つまり魔法の効果や威力を上げるものであった。


 そうなると俺にも使えるものだと思ったのだが、よくよく考えると別に魔力消費のことを考えなくていい俺にとってはいらないものなのではないかと思ってしまったのだ。そのためやっぱり使わないものを持っていても意味はないので、ルミエに上げることにしたのであった。


 カーシャでも良かったのだが、どちらかと言うとルミエの魔法の方が上げといた方が良いということで決まった。


 最後に指輪だったが、とてもレアなものだった。魔力を込めて使うのだがその込める量に応じて異空間収納が使えて、その入れるものの広さも広がっていくという代物だったのだ。こんな便利なもの俺が使ってもいいのかと思ったのだが、満場一致で良いということになったのであった。


 普通の人の場合戦う時のことも考えて、それ相応の魔力しか込めることが出来ず少しのものしか入れることが出来ないという状況になってしまうところを俺はそんなことを気にしなくても大丈夫なので、いくらでも魔力を使って広げることが出来る。


 こんなに良いものが手に入って俺も満足だったし、他の人たちもみんな満足そうな表情をしていたので、良かったと思った。


 これで俺は何も気にすることなく離れて行動することが出来るであろう。俺は密かにそんなことを思いながらも、休憩を終えた後帰路に着いたのであった。


 それから街に着き、ギルドへと向かいダンジョンの攻略を報告した後からは大変だった。普段誰からも注目されていなかったダンジョンでも今まで攻略されていなかった階層を攻略したとなると、盛り上がることとなるのだ。


 それに攻略したのがリカルドということでさらに盛り上がることに拍車が掛かっているように感じた。奴隷時代だったこともあってか、今まではリカルドも落ちたなどと言う声も少しだけであったがあったのだ。


 それがダンジョン攻略のおかげで完全復活という声が広がり、大いに盛り上がっていた。


 俺と一緒に行動していたこともあって、良い声ではないことも聞いていたがこれからはそんなことはなくなるであろう。


 そしてもう一つ朗報だったのが、俺のランクアップである。本来であれば他の種類の依頼を受けないといけないのであるが、今までの功績のこともあって確実にランクを上げることを約束してくれた。


 急には無理なので明日以降ギルドに来た時にランクアップをするということになったのであった。これで俺も冒険者ランクCということになったのであった。ついでにだがホルンたちの三人もランクがCに上がることになった。こちらは護衛依頼など今までの功績も含めて上がることとなったのであった。


 その後はギルド内で盛り上がりを見せる中、リカルドはその場で他の冒険者たちと飲んだりしないで屋敷へと帰ることにしたようだった。一方のホルンたちは他の冒険者たちの囲まれて帰るに帰れない状況となり、一緒に騒ぐこととなった。


「ギルドで一緒に飲んだりしなくて良かったの? みんなリカルドのことを祝いたいって感じだったけど」


 ギルドを出て屋敷へと帰る途中俺は本当に帰るので良かったのか聞いてみた。


「ああ、いいんだよ。今はクランのこともあるし、それにこれからのこともしっかりと話しておきたかったしな。とりあえず明日は休みにするから、レヴィもゆっくり休んでくれ」


「わかったよ。まぁホルンたちも明日には使い物にならなくなっていると思うしね」


「そうだな」


「そうだなって、生贄みたいにして来たのに良く言うよ」


「確かに色んなことを聞かれたりして大変だとは思うが、冒険者にとってはそう言ったことも大切ということもあるんだぜ」


「そうは言うけど、私にはそんなことさせないよね」


「そりゃあそうだよ。そんなことしたらクランのやつらに何言われるかわかったもんじゃないからな」


「あはは、そかそか。じゃあはやく帰らないとね」


「ああ、だな」


 俺とリカルドの二人は楽しく会話をしながら、騒がしい街の中を二人で歩いて帰ったのであった。




 屋敷へと帰るとすでに全員帰っていて、俺たちが最後ということになっていた。夕飯も作り終わっていて、いつもよりも帰りが少しだけ遅くなってしまっていたようだ。


 みんなには今日ダンジョンボスを倒しに行くということを伝えていたので、少なからず心配をかけてしまったようだ。


 そして食堂へと集まり、食べる前にリカルドから今日の結果を伝えた。すると、ギルドでの出来事と同じようにみんなから祝福の声を掛けてもらった。違うところは少し控えめな声で後は俺にもちゃんと言ってくれたことであろうか。


 ギルドでは俺には特に何か言われることはなかったし、俺も面倒なのでリカルドの影に隠れるようにしていたからということも理由としてあげられる。


 しかしここでは俺にも言葉を掛けてくれるので何か照れ臭くなってしまった。


 ユアにも笑顔で「おめでとう!」と言われて、俺もそれに対して笑顔で「ありがとう」と返したのであった。そうして今日の夕食は俺とリカルドを祝うための夕食となったのであった。


 みんないつもそうだが楽しそうに食事をし、子どもたちも俺やリカルドのようになりたいと言う声も上がっていた。そんな光景を見て、俺も嬉しくそして楽しくなったのであった。


 まぁ夕食が終わればいつものようにみんなは行動することとなる。女性たちは後片付けと子どもたちをお風呂へと入れるために行動する。


 一方の俺やリカルドを含めた男とたちはそのまま食堂で話すこととなった。会話の内容は冒険者活動をするためのこれからどうするかということであった。


 色々とちょうど区切りがいいのであろう。俺とリカルドはダンジョンボスを攻略したことによって、俺はランクアップをリカルドも影で何か言われることはずっと少なくなることだろう。


 またクランの方もみんなが稼いでくれているおかげで最低限の生活を送れるようにはなっている。


 女性たちや子どもたちのことを考えても、このまま同じように生活していくというのはあまり良くないことだと思う。みんなが前に一歩踏み出す時がやって来たということだろう。


 まぁ女性のことや子どもたちのことはマリーなどの女性たちを含めての話し合いが必要だと思うので、今はしないでとりあえず冒険者活動をどのようにしていくのかということを今は軽くでも話しておくこととなったのである。


 改めて俺がランクアップしてどのくらいの実力があるのか、ダンジョンを攻略する際にホルンたちと一緒に行ったことそしてリカルドがこのまま面倒を見ていくのか、俺とリカルドのことだけではなくホルンたちのことも話した。


 他にも女性や子どもたちのことも話題に出たので、今日のところは詳しく話をすることはやめておいた。


 そして明日、きちんとマリーなどの女性たちも含めての話し合いを行うことになったのであった。そのためにも今日のところは自分の中で言いたいことなど決めておいて、しっかりと気持ちを決めておくことという話となったのであった。


 マリーたちには後でリカルドの方から伝えてくれるそうなので、今日のところはこれでお開きとなったのだった。


 お風呂がちょうど空いたということもあって、俺とユアで一緒に入り、部屋へと戻りそのままベッドの中へと入った。


 その夜は明日話す内容など考えることがたくさんあって、そんなことを考えているうちにまた朝を迎えるのであった。



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