表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
水しか使えない最強生物  作者: 猫宮るな
64/126

64話

 一回止まりはしたがその後ルミエの支援魔法をリカルドに使えば問題なく十三階層もいけることがわかったのが昨日の出来事であった。


 今日は可能であれば十四階層を突破して、十五階層のボスを見ておきたいと言っていた。


 俺としてもそのようにしたいと思うし、他のみんなも同じ気持ちだとは思うが、リカルドが上手くいくかわからないとその後に言っていたので、難しいことなのだろうと思う。


 まぁ俺は出来ることを精一杯やるだけだしな。


 昨日と同じようにガノンボアがいる八階層まで最短ルートで下っていき、そのガノンボアもすぐに倒してしまった。そしてそこで一度休憩してからその先へと進んで行く。


 今日は昨日とは違い、最初からリカルドに支援魔法を使うことになった。支援魔法を使うとどうしても普段よりも良く動くことが出来るので、その差を無くして慣らしておきたいということだった。


 いざという時に慣れているといないのとでは違ってくるからな。


 しかしそれでルミエが無理してしまったら元も子もないないので、その辺は上手く調整してやっていくようだ。ルミエも今までホルンとカーシャの二人だけだったが、これからはそうはいかないので早めに慣れておくことも必要だろう。


 そんな感じで連携を改めて確認しながら進んで行った。そうしてすぐに十三階層までまた戻ってくることが出来た。この後は階段に向かいながら昨日と変わらず行けるかどうかを確かめていくようだ。


 後ろから来る魔物は俺が全て倒していき、前から来るのは他の三人で相手をするという形である。なるべく横から来るということがないように、俺が調整しているので主に前と後ろだけを相手にしていればいいのだ。


 俺はいつもと同じように倒しているが、前の方はリカルドがまず飛び出して何体かの魔物に攻撃して、その後さらに進んで奥の魔物を倒すという感じである。そしてリカルドの後ろに残っている魔物を確実にホルンとカーシャが止めを刺すというようにしている。


 また時にはリカルドが出る前にカーシャが魔法を撃つなどリカルドの指示のもと上手くやっているようである。


 そうして無事に十四階層へと繋がる階段に到着したのであった。降りる前に休憩を取ることになったけれど。


「次の階層も同じようにすれば大丈夫だ。しっかり気を抜かずに行けよ」


「「「はい」」」


 休憩を終えて、階段を下りて行ったのであった。


 ボスの手前の階層であるが、変わらず真っ暗なところであった。魔物の鳴き声が少し多いように思えるが上の階層と変わらない雰囲気であった。


 この階層が現在攻略されている中で一番魔物の出現頻度が多い階層というわけだ。そしてボスを除けば魔物の強さも強い。そんな階層である。


 はっきり言ってしまえばここまでこのメンバーで来れたのは俺がいることがとても大きいと思う。自分で言うのはあれだが、高い探知能力に一方向を一人で対処できるということは他の人には難しいことだと思う。


 そうでなければもっと簡単に先の階層まで行っている人たちがいるのが普通であろう。いくら入ってくる人が少なくとも、ダンジョンは攻略するだけでその功績はとても大きいものになるのだから。


 もし前にいるみんなが進めなくなった時はその時が俺が同じパーティでいる最後の時であろう。


 まぁ今そんなことを言っていてもしょうがないので、一先ず目の前のことに集中することにしますかね。


 今も前の方では戦闘が行っていることだしな。前の階層よりも強くなっているのだろう。倒し切るまで時間がさらに掛かっているように感じる。


 リカルドが攻撃を当てて動きを鈍らせてもその後のホルンとカーシャが倒し切るまでにそれなりに掛かってしまっている。リカルドも一撃の与えているダメージが少ないように思えるし、大丈夫なのかと思ってしまう。


 リカルドももっと丁寧に出来れば違うのだろうが、一度に四体同時に来ると確実にダメージを与えることが出来ないのだろう。


 それでも進めているのでこの階層までであれば大丈夫なことはわかったのはいいことだろう。次はボスなのでまた違った戦い方をしないといけないので、関係なくなる。


 つまりは次のボス部屋で俺たち五人のパーティは終わりというわけである。少なくとも俺はそう思っているし、リカルドにも言って別れるつもりだ。その時リカルドはどうするのかわからないが、まぁその時はその時だ。


 そうしてその日は結局十四階層を歩き回り、階段のところまで辿り着くことはなく引き返し戻ったのであった。明日には十五階層のボスに挑戦できることを願って、ダンジョンを出て街へと帰って行った。




 ついにこの日がやって来た。俺のランクを上げるためにもずっと目標にしていたダンジョンの最高攻略階層の更新ということを目指して進んで来たが今日やっとその最高到達階層である、十五階層のボスのところまで行けるのである。


 一応作戦もダンジョンに入る前に決めておいた。ボスの情報は多くはないがあるのでそれを参考にどのように戦えばいいのかということを決めていった。


 しかし倒したことのないボスなため情報にないことをしてくる可能性も大いにある。そのためにもその場その場での臨機応変な対応が求められるのである。


 ガノンボアの時のように怖がって動けなくなるということは絶対に避けないといけない。今回相手にする魔物はそんな余裕はない。なので今回も同じように動けなくなるのであれば最悪その場で見捨てるということも十分にあり得ることである。


 そう言ったことも注意しながら作戦を立てていったのであった。そのことからもガノンボアの時は何かあっても対処できるという思いがあったから、そこまで言わなかったのだとわかった。


 けれど今回は違う。本当に危険で気を引き締めていかないと、何が起こるかわからないという状況だ。


 さてと、ボスの前のウォーミングアップということも意識しながら、最短ルートでダンジョンを潜っていく。すでに慣れた道なので地図を見なくてもいける自信がある。


 そして八階層のガノンボアを倒して、一回休憩を取った。ここまではいつも通りの流れである。ここで休憩しておかないと、次ゆっくり休憩できるところは十五階層のボスの手前までないのだから。


 休憩を終えたら、いよいよ真っ暗な階層の始まりである。このくらい中での戦闘も慣れたもので、魔物の音や気配を読み取って行動できるようになっていた。俺には必要のないことだが、他の人には特に前衛には必須のことだと思う。


 そうして進んで行き、十四階層まで辿り着いた。ここも魔物を倒していけることは昨日の時点でわかっているので、地図を見ながら寄り道せずに真っすぐと階段へと向かって行く。


 その時に何度か戦闘になったが、変わらず問題なく倒している様子を見て、大丈夫だと改めて確かめることも出来たのであった。


 それでも一回の戦闘の時間は伸びているのでやっぱりこの先の階層はきつそうだと思ったのであった。


 短くない時間を潜って、やっと十五階層へと辿り着いたのであった。


 そこは前のボスと同じように階段を下りたらすぐにボスがいるのではなく、少し進んだところにボス部屋があるという形となっていた。


 ということで休憩することになったのであった。ボスの前に休憩できるのはとてもありがたいことだし、他の魔物も出て来ることはないのでゆっくりと休むことが出来る。


 まだみんなボスを見に行っていないが俺には奥の部屋にこの階層のボスがいることがわかった。しかもその魔物は他の魔物と比べても強さと言うかオーラと言うか、そんな感じのものが違うのがなんとなくだがわかった。


 こういう変なものを感じるのはゴブリンキング以来だが、それだけ強いということなのであろう。ゴブリンキングも防御力こそなかったが、強敵という意味では変わりはないからな。


 そして最後の作戦の確認や持っているアイテムの数などを確認して、ボスのいる部屋へと近づいて行くのであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ