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水しか使えない最強生物  作者: 猫宮るな
43/126

43話

 この世界にはダンジョンというものが存在している。


 ダンジョンというのはこの世界に点々とあり、主に見つかっているものは冒険者ギルドや国によって管理されている。


 どこにいつできるかわかっていなく、突然そこに出現するということもあり得ることなのだ。ダンジョンの中には魔物がいるが、その魔物たちは今までに外に出て来たことはなくこの世界の人は危険なものという認識ではない。


 ダンジョンの形としては主に地面の下へと潜っていくもので、一つ一つ広い階層があり下がっていくごとに中にいる魔物の強さも上がっていく。というのが一般的である。


 最終的には終わりがあり、そこまで行くとそのダンジョンを攻略したこととなる。


 そしてその大きさもまちまちで十階層のものもあれば何十回層もある。しかし階層数が少ないから攻略することが簡単というものでもなく、そのダンジョンによってその中にいる魔物の強さも変わってくる。


 最初の階層から強い魔物がいるところもあれば、最初は弱くだんだん強くなっていくというものもある。


 またダンジョンだけの特徴としてはダンジョン内にいる魔物を倒しても魔石だけ残して、他は灰になって消えてしまうということだ。


 理由は分かっていないがなぜだか、死体は残ることなく灰になってしまうため倒しても魔石だけのお金しか稼ぐことが出来ない。そのためダンジョンへと挑戦する冒険者もその分減ってしまう。


 このアルンの街の近くにもダンジョンがあるのだが、街の周りが森で囲まれていて魔物の数もそれなりにいるため、どうしてもダンジョンでの稼ぎよりも森の方が稼ぎが良くなるので、他のダンジョンがある街よりも余計に入る人が少なくなっているのだ。


 森で倒せば魔物の種類によっては身体の全てを素材として売ることが出来る。しかも強い魔物ほどそういった傾向が強いのでランクが高い人ほどダンジョンに行かなくなってしまう。


 他の街ではこんなに街の周りに魔物がいるということはないので、ダンジョンは貴重な魔石の収入源となっているのだ。


 そしてここからが大事なことなのだが、ダンジョン攻略というのは強い魔物を倒したことと同じようにギルドで功績として残るという利点もある。


 どこのダンジョンの何階層まで潜ることが出来たというのは、その人の実力を見るためにもわかりやすいものになるということだ。もちろん他の人にも手伝ってもらったということを言われる可能性もあるが、それを言ったら魔物を倒すのだって同じことが言えるため関係ない。


 そのため実力があって早くランクを上げたいと思っている人にとっては、便利な場所となっている。


 主に基準としては一定間隔でボスと言われる魔物が存在している。その魔物を倒すことでその人はそこまで行ったということがわかるというわけだ。


 見つけることが出来るかどうかわからない強い魔物を探すよりも、ダンジョンでより深く潜った方が楽なのだ。


 その他にも攻略されていないダンジョンには宝箱が眠っており、それを探すということも一部の冒険者に人気があるという。お宝を見つけて一攫千金という夢を見る人はこの世界にもいるということだ。


 そんな感じのダンジョンの説明を俺は屋敷に帰ってからリカルドに聞かされていた。


 ランクを上げるためにも俺はダンジョンに行くということが最善なんだとか。森で魔物を倒しても強すぎる場合は逆に不信感を煽るだけになってしまう。


 今回のゴブリンキングがいい例だと言われてしまった。こんな子どもがゴブリンキングを倒したとなると、色んな面倒ごとが降ってくる。しかし手っ取り早くランクを上げてしまえばランクが高いのだから倒せるだろといえるようになることは大きいということだ。


 そう言われては俺も大人しく従うほかないというわけである。でもまぁ、ダンジョンというものにはとても惹かれるので話を聞いていても行ってみたいと思ってしまう。


 お宝についてはそこまで興味は惹かれないが、ダンジョンの一つでも攻略してみたいとは思う。


 実際、完全攻略されているダンジョンの数は少なく、ほとんどのダンジョンが未だに攻略されてはいないらしい。


 その後この街の近くにあるというダンジョンの説明だった。


 この街から西側に行ったところにあり、さっき説明があった通りほとんどの冒険者はそのダンジョンには行っていない。


 そのため人に見られる心配も少なくなるので俺の特殊性もバレる心配がなく気にすることなく戦うことが出来る。


 そのダンジョンもまだ攻略はされていないが、十五層まではすでに攻略されていて地図もあるらしい。なので俺たちも迷うことなく進んで行けるということだった。


 十五層で止まっている理由は、その階層にボスと呼ばれる他の魔物より強い魔物がいて、その魔物を倒すことが出来ないため攻略は止まっている。


 攻略が止まっている理由は他のダンジョンも主にこれが理由であるようだ。


 俺たちの目標はこの十五階層のボスではなく、その前の八階層のボスを倒すことになった。八階層にもボスはいてすでに他の人によって倒されてる魔物だが、一定時間経てばまた復活するので他の人も倒すことが出来るようになる。


 ということで明日からはダンジョンを攻略していくために準備をしていくことになった。


 と言ってもダンジョンの浅いところでは持って行くものはいつものもので大丈夫ということなので、特別に準備するものはない。


 その後は実際にどんな魔物がいるのか、ダンジョン内はどんな様子なのか、そういった細かいところを説明してもらった。話してくれた内容は前の世界でのゲームなどと同じだったので俺もイメージしやすかった。


 詳しく話を聞くにつれてますます行きたくなって来る。


 話をしているとあっという間に時間が経っていたようで、他のみんなも帰って来て夕食の時間となった。そこで話を切り上げてとりあえず明日から行動に移すことを決めたのだった。


 いつも通りご飯を食べ、お風呂に入り、ユアと一緒にベッドへと入った。


 今日のゴブリンキングとの戦いでは運よく攻撃を防ぐことが出来たが、もしだめだったらリカルドの命が危なかった。もっと俺が魔力を制御を出来ていたら違う感じになっていただろうと思う。


 これからはより多くの魔力を使いこなせるように練習していかないといけないと思ったのだった。それにこの練習であればこうして寝たままでも出来るので、積極的にこの夜の時間にやっていこうと思ったのであった。


 俺も練習不足で誰かが傷つくなんて嫌だし、命を落とすなんてことはあってはいけないことだ。そのためにも俺は今よりも強くならないといけない。


 そんなことを考え、魔力の制御の練習をしつつ、戦い方なんかも考えていかないといけないと思った。


 俺はリカルドが敵と戦っている時はリカルドを巻き込んではいけないと思い、あまり役に立たなくなってしまう。


 それは申し訳ないので違った戦い方を考えないといけない。リカルドというか前衛の邪魔をしないように、敵の邪魔をする。そんなような良い案がないかと考えながらも今日の夜も更けていくのであった。


 明日からはダンジョンだと思うと楽しみで仕方がなかった。こういう時に楽しみで寝付けない、なんてことがないのはいいことかもしれない。


 寝不足なんてことはないし、疲れもない。気分的に目を閉じている方が休まる感じがするのでそうしているが、精神的な疲れの取り方なんて知らないので具体的なことは出来ない。


 まぁ気分やなんとなく思ったことも大事だと思うので、それに逆らうことなく実行しているのだ。


 最近は慣れていたのだが、久しぶりにこの日はやけに空が明るくなるのが待ち遠しく思ってしまうのだった。


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